その手が招くは滅びか救いか……。要注意団体 犀賀派まとめ

SCP集

SCPシリーズの日本版であるSCP-JPシリーズでは、要注意団体も日本独自のものがあります。今回はその中から、犀賀六巳(さいがろくみ)という並行宇宙を行き来する謎の人物とその信奉者からなる「犀賀派」についてまとめてみました。

犀賀派のSCP一覧と簡単な説明もまとめてみました。

犀賀派とは

“犀賀派”に関する一次調査報告 – SCP財団  by dr_toraya によると「犀賀派」は犀賀六巳とその信奉者で構成される団体。もっとも、犀賀六巳本人は基本的に自身の情報が漏れないようにしており、「犀賀派」を名乗っているのは信奉者達である。

組織としての活動は数例しか確認されていないが、世界各地の異常な現象の発生地から活動の痕跡が発見されており、活動範囲は非常に広範に渡っていることが判明している。過去には活動拠点を日本に置いていたことが判明しているが、現在の消息は不明。

犀賀六巳

犀賀六巳は複数の平行宇宙で活動しているとされる素性不明の人物。財団の調査で発見された文書からその活動目的は平行宇宙およびその宇宙に属する人類を救うことであると考えられている。科学者を自称し、平行宇宙への移動などをテーマとする時空物理学を中心とした深い科学知識を有している。

犀賀六巳は財団の属する現宇宙とは異なる平行宇宙を観察および移動する技術を有しており、たびたび対象の宇宙に干渉を行なった形跡が認められている。いくつかの平行宇宙の人類と交流を行った形跡もあり、各宇宙に一定数の信奉者を有している。また様々な平行宇宙から取り寄せた特異な物品を持ち、自身の目的のためにそれらを利用している。

日本における過去の生活の痕跡は確認できているが、日本国の戸籍には存在していない。財団その他の異常性オブジェクトに関わる団体に関する知識を有し、各組織から自身を隠蔽することに細心の注意を払っている。

犀賀六巳の目的

犀賀六巳の目的は平行宇宙およびその宇宙に属する人類の救済だが、ここでいう「人類」は平行宇宙を含むすべての宇宙の人類を指すため、対象の宇宙の人類、またはより多くの宇宙を救うために必要であれば、被害を最小限に抑えるために他の宇宙を犠牲にすることを厭わない。したがって、他の宇宙を救うために我々のいる現宇宙を犠牲にする可能性があり、財団からは危険組織として認識されている。

犀賀紋

 

犀賀派はロゴマークとして犀賀紋という図形を掲げ、崇め、誇示している。犀賀紋の外周の円は概念としての宇宙を、手前の黒円は現世を、中央の白円は救済された世界を意味しているとの解釈が、一説に述べられている。犀賀六巳は自己の秘匿に努めているが、救済済みの世界に、あえて犀賀紋を残すことで犀賀派の団結を促していると推測されている。

犀賀紋はインターネット、書籍、その他多方面での財団による監視対象となっている。なお犀賀氏はこの監視を察知しており、監視がばれていることに財団が気づいたことも知っている。

犀賀派のSCP一覧

2017/11/8現在の犀賀派のSCP タイトル付き一覧です。

簡単な内容説明

SCP-233-JP – 押入れの冒険 by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-233-jp

オブジェクトクラス: Euclid
サイト-8136に指定された████県████市の民家(旧犀賀邸)内の和室に存在する、面積半畳の押入れ。SCP-233-JPの扉はSCP-233-JP-1と指定されており、その扉を閉めると、金属の扉が出現する。出現した扉は異なる次元(以下SCP-233-JP-A)に繋がっており、扉から出ると日本の関東圏の中のランダムな地点に到着する。

SCP-233-JP-Aは、何らかの要因により大規模な破壊が行われた痕跡が認められ、SCP-233-JP-A内の日本国民は「臨時政府」により、戦時中の戒厳令下に似た状況に置かれおり、SCP-233-JP-A内の世界各国で同様の状況が発生している。人口は大幅に減少したものとみられ、SCP-233-JP-A内で正常な人類と接触できたケースは█例のみ。「臨時政府」との接触は成功していない。

また、その世界には人類に対して非常に敵対的な全長な8m程度(個体差あり)の両生類に似た生物が存在する。

異世界系のSCP。犀賀が救えなかった世界のようです。

SCP-622-JP – 枯れ庭 by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-622-jp

オブジェクトクラス: Euclid

滋賀県████に存在する面積約30000平方メートルの庭園。外部からは正常なバラ園のように見えるが、内部からは無限遠まで平坦な敷地が続いているように見える。ドローンによる計測実験では、切れ目なく続く石畳とその両脇の花壇が、少なくとも2600km以上続いていることが確認されている。

庭園に植えられた植物はみな開花しており、その種類は不定期に吹く風と同期してランダムに変化する。最も多く観測された植物はバラであり、他にチューリップ、コスモスなどに変化する。生物がそれらの植物に対して能動的に接触した場合、対象の生物の血管系内部に人間由来のB型(RH+)の血液が出現し、場合によっては、異型の血液型の輸血による溶血により、対象は死亡または重篤な障害を負うう。また、植物を傷つけたり花壇に踏み入ったりする行動は、対象の全体液の瞬間的消失という現象を引き起こす。

SCP-622-JP内には、SCP-622-JP-Aに指定される人型実体が存在する。外見上は上下グレーのツナギを着た50歳前後の日本人男性の姿に見える。庭師を自称し、SCP-622-JP-Aへの攻撃、拘束、強制的な移動は行為者の体液の消失現象を引き起こす。

20██/1/██、警備に当たっていたレベル1職員が庭園内に新たな人型実体を発見。SCP-622-JP-Bに指定されたこの実体は、映像・音声を記録することができず、またその場に居合わせた各職員が異なる姿、異なる言動を認識していることから、何らかの精神影響存在であった可能性が高いと推測されている。

SCP-622-JP-B(1)によると、この場所は流刑地のようです。

SCP-633-JP – 乳白色の紙 by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-633-jp

オブジェクトクラス: Euclid Neutralize

厚さ0μm、重さ0μg、面積不明の平面的物体。複数層に折り畳まれた状態で発見され、展開試験の結果、面積は最低でも40億平方km以上あることが確認されている。SCP-633-JPはSCP-233-JPにおいてサイト-8136に指定された旧犀賀邸内で、複数の周波数の電波信号が確認されたことで発見された。その後の調査でSCP-633-JP内には文明が構築されており、明らかに外界の電波信号を傍受して状況を把握していることが判明。財団はSCP-633-JP内部とコンタクトするが……。

犀賀六巳が他の世界で行っていることの一端が明らかになります。

SCP-679-JP – 相克の家 by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-679-jp

オブジェクトクラス: Euclid

長野県████の山中に存在する建造物。階建ての木造家屋と地下1階までのコンクリート製の地下室で地下部分は外部からの計測よりも遥かに広い内部構造を有する。

 

SCP-679-JPは19██年、長野県███在住の██氏が狩猟の途中で行方不明になったことをきっかけとしてその存在が発見された。██氏が狩猟の途中でSCP-679-JPを発見した痕跡が見つかっており、なんらかの原因でSCP-679-JP内に囚われたかSCP-679-JP内で死亡しているものと考えられている。公的には長野県███在住の犀川氏所有の邸宅となっていたが、当該人物は19██年に転居したのち行方不明になっていることが判明している。

SCP-679-JP内部地上部分は、非現実改変能力者であっても軽度の現実改変が行えるほど、現実強度が失われた不安定な空間となっている。現在も不定期に予測不能な異常現象が発生する。これは収容以前の民間人の侵入者がSCP-679-JPを「お化け屋敷」であると認識していたため起きた現実改変の結果であると推測されている。地下部分も同様に現実強度が低下しているが、 不規則な現実改変は発生しない。また地下部分では複数の敵性実体も確認されている。地下室エリアの深部からは、現実強度異常の原因と考えられるSCP-679-JP-AおよびBに指定される稼働中の機械装置が発見されている。地下部分から回収された文章から、この機械や敵性実体には、管理者が存在すると考えられている。文章は閲覧可能。

機械の管理者は犀賀六巳との関連が疑われます。

SCP-802-JP – 粗雑なコピー機 by shinjimao
http://ja.scp-wiki.net/scp-802-jp

オブジェクトクラス: Neutralized
オフィス用コピー機に酷似した外見を持つ装置。立体センサーで認識させた物体を複製し、側面にある22cm×15cmの開口部から出力する。開口部より大きな物体はセンサーが認識しない。液晶画面部分には数字のみが表示され、1回使用するごとに数字が1増加する。現在の数字は27。複製される物品に特異性はないが、機能性などの点でオリジナルよりも大きく劣化している。

財団による実験中、予定外の実験が行われ、完全に作動しなくなったため、オブジェクトクラスはNeutralizedとなった。その後”犀賀”のIDカードをつけた初老の男性研究員が保管庫でSCP-802-JPを調べている映像記録の後に消失する。セキュリティ担当者との会話から、過去の実験で用いられたオリジナルの物品は全てSCP-802-JPの生成物であり、逆に生成物として記録されていたもの全てがオリジナルである可能性があると判明した。

こちらのSCPは、後半で紹介するSCP-1780-JP – 穴の空いた穴にも登場し、その用途が明らかになります。

SCP-1201-JP – 湖底の家電量販店 by dr_toraya
http://ja.scp-wiki.net/scp-1201-jp

オブジェクトクラス: Euclid

██県██湖湖底に存在する建造物(SCP-1201-JP-Aに指定)と、同建造物内で活動する人型実体の群れ(SCP-1201-JP-Bに指定)の総称。建造物は一辺およそ90m、家電量販店”ヤマダ電機”の一般的な店舗に似た外観と内部構造を有している。財団による収容以降、貨物が搬入される様子は観測されていない。
 
陳列されている商品は通常の家電店で販売されているものと同様で異常性はない。しかし建物内は湖水で満たされており、水没した状態にある。店頭の商品は購入したり持ち帰ったりすることが可能で、十分に乾燥させることで異常なく動作する。目視やカメラによる監視が解除されたタイミングで、商品はランダムに消失する。

SCP-1201-JP-Bは、毎日7:00前後から出現しはじめ、営業時間中(10:00-21:00)は40体程度出現し、通常の家電量販店の店員のような行動を取る。営業時間終了後は徐々に人数が減り、24時前後には全員が消失する。SCP-1201-JP-Bの全個体は存命中の日本人男性 ███氏と同一のDNAを有していることが確認されており、容姿も同氏に酷似している。

この実体は犀賀六巳の信奉者でしょうか?

SCP-1233-JP – 特別退避プロトコル”ノア”
http://ja.scp-wiki.net/scp-1233-jp

オブジェクトクラス: Thaumiel

滋賀県██村の地下4271mの地点に埋没している半現実実体。直径約2113m、平均厚さ70mの円盤状の構造物であり、素材は複数種類の金属による合金で、地球の地殻付近には存在しない元素を多く含んでいる。その組成と規模、作成年代、用いられている科学技術の高さから、人類以外の知性体による被造物であると推測されている。
 
SCP-1233-JPは半ば活性化した状態にあり、メトカーフ非実体反射力場発生装置による拘束がない場合、緩やかに加速しながら地表へ向けて上昇します。上昇とともに SCP-1233-JPの現実度は高まる傾向にあり、深度2339mで完全に実体化するという試算結果が示されている。

SCP-1233-JPの拘束が解除され地下2kmの地点で実体化した場合、SCP-1233-JPは強烈なエネルギー放出により滋賀県と周辺各県を含む半径80kmの近くを確保したまま瞬間的に第二宇宙速度まで加速する。SCP-1233-JPに確保された地殻への加速の衝撃は、SCP-1233-JPの機能により大幅に軽減されるが、地球はこの衝撃により、以下に示すような甚大なダメージを負うことが予測されている。財団は緊急事態レベル5発令時にSCP-1233-JPを地球脱出の箱舟とする特別退避プロトコル”ノア”を定めた。大気圏を抜け地球の重力から解放されたSCP-1233-JPは、グリーゼ667Ccへ向けて移動を開始しし、この移動には少なくとも████年を要すると試算されている。

犀賀六巳によると思われるメッセージを読むことができます。実は犀賀六巳は日本の要注意団体を……。

SCP-1300-JP – Sへの供物 by y33r41
http://ja.scp-wiki.net/scp-1300-jp

オブジェクトクラス: Euclid

カスピ海北東のシガスタン共和国、シガスタン聖堂遺跡内でオオハナレイヨウ(Saiga tatarica)の死体(SCP-1300-JP-Aと指定)が約██頭/日の頻度で出現し続ける現象。何も無い空間に黒い穴が開き、死体が現れて床に落下する。SCP-1300-JPは2015年にシガスタン聖堂遺跡の一部が倒壊したことで発見された。瓦礫の中から見つかった██████頭のSCP-1300-JP-Aが倒壊の原因だと考えられている。
 
SCP-1300-JP-Aを焼却・粉砕などの手段で処分する際、周辺の人物は悲鳴や断末魔の幻聴を耳にする。複数の個体を同時に処分した場合、数の増加に伴い幻聴の規模・種類が増加する。第一次処分の際は処分場半径約██kmにいた一般人を含む██████名が被害を受け、最も近くにいた処分担当者達は無期限療養中。

 

SCP-1300-JP-Aには主に年齢1~2歳の牝、円で構成されたシンボルが刻まれている、原始的な外科措置により心臓が摘出されている、死後間もないという共通点がある。

信奉者が犀賀への供物を捧げているのでしょうか?

SCP-1500-JP – 和魂祭 by 29mo
http://ja.scp-wiki.net/scp-1500-jp

オブジェクトクラス: Euclid

[削除済]の地下に存在する石室から侵入が可能な異常空間(SCP-1500-JP-Aに指定)で行われている大規模な祭り。毎日21時から翌2時までの5時間に、後述の手順(手順:1500――石室の入り口にSCP-233-JP-1を設置し、石室側へ扉を開く――)を踏むことで侵入できる。石室は高さ1m83cm、横幅5m70cm、奥行5m81cmで、放射性炭素年代測定では████年前から存在している。[削除済]にはかつて蒐集院の総本部施設が設置されており、蒐集院による封じ込め措置と保護が行われていた。

 

SCP-1500-JP-Aは石室の面積を無視した広大な空間で、半径約2kmの歪な円形をしており、空間の端には光を吸収する半透明の障壁が存在する。また、上空には常に満月が観測されます。SCP-1500-JP-A内では常に音源不明の祭囃子や歌声が響いており、SCP-1500-JP-A内の大気は気化したアルコールにより湿度が100%を超えており、侵入者は最長でも50分以内に酩酊状態に陥る。酩酊状態に陥った侵入者はSCP-1500-JPの祭りを楽しもうと行動を開始する。

SCP-1500-JP-A内は中心から半径500mの地点を境に大きく二つに分かれており、外縁の屋台エリアと中央の神輿エリアに分別される。SCP-1500-JP-A生成時、内部には常時████体以上の人型実体が存在する。屋台エリアには要注意団体(日本生類創研、東弊重工、博士)との関係が疑われる店や品が確認されている。

SCP-233-JP-1は旧犀賀邸にあったものなので、蒐集院は封じ込めと保護のためにそれを利用していたということになりそうです。SCP-1500-JPに出てくる”時空物理学とやらの研究をしていた学者”というのは、おそらく犀賀六巳のことだと思われます。

SCP-1780-JP – 穴の空いた穴 by O-92_Mallet
http://ja.scp-wiki.net/scp-1780-jp

オブジェクトクラス: Neutralized

長野県██村のサイト-8115に存在するSCP-745-JPの収容房。SCP-745-JPは著作物を剽窃することで過去改変を発生させる存在であることから、収容房にはシャンク-アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)が組み込まれている。XACTSは定常タキオン流を発生させることにより、影響内部の空間を外部の時間軸から隔絶する。起動中、内部は存在安定化状態となり、相対的な外部の時空間の変化にかかわらず、起動当初の時間軸を保ちます。現在は当該収容房は正常に稼働しており、特に問題は発生していない。

不明な回数の大規模なCK-クラス:再構築シナリオによって、SCP-1780-JPは一時的に異常な位置に移動していた。ただし、この移動は相対的なものであったとする見解が主流。存在安定化機構が正常に作動していたために、異常な状態のSCP-1780-JP内部でもSCP-745-JPは問題なく活動が可能であった。その後、再度大規模なCK-クラス:再構築シナリオが発生したことで、SCP-1780-JPは異常性のない状態に戻った。

2017/07/10に、世界オカルト連合(GOC)極東支部が犀賀六巳の捕捉および粛清に成功。滋賀県███町にて犀賀六巳が潜伏していると想定された住居から、「内側」「外側」と題され、「SCP-1780-JP」なるオブジェクトを扱った財団における報告書の体裁を取っている文書2部と、これに付随すると見られる「引継」と題された文書を押収。3枚の文書は便宜上「SCP-1780-JP関連文書」として財団データベースに登録されることになった。

関連文章を読むと真相が明らかになります。このSCPはクロスコンテスト’17 The Crossroads Demonの優勝作品で、他のSCPが6つ登場します。それらを読まないと内容を理解するのに時間がかかるかもしれませんが、評価の高い作品なのでぜひお読みください。

 


リンク先のSCP財団各作品を基にした本記事の内容は
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