SCP-3980 – 盲者の手引く盲者 紹介&考察します。

SCP紹介&内容整理

短い内容ながら謎に満ちたSCP作品、SCP-3980 – 盲者の手引く盲者を紹介・考察してみます。

SCP-3980とは

SCP-3980を説明する前に、まずはオブジェクトクラスを見てみます。SCP-3980のオブジェクトクラスはKeter (暫定)となっています。暫定という言葉が気になりますが、Keterということはオブジェクトがかなり危険なもの、もしくは収容できていない状態である可能性がありますね。続けて特別収容プロトコルを見てみます。

特別収容プロトコル: 旧ロック前哨基地は事実上のSCP-3980収容サイトとなりました。現在までに基地の地上部分は完全に破壊されており、地下エリアは数千トンのコンクリートが流し込まれ、封鎖されています。これ以上の物理的収容は不要と見なされています。

ロック前哨基地からの信号は全て無視してください。生存者は存在しませんでした。

旧ロック前哨基地がSCP-3980の収容サイトになっていますが、前哨基地の地上部分は完全に破壊され、地下にはコンクリートが流し込まれ封鎖されています。一体何が起こったのでしょうか?

また、ロック前哨基地からは何らかの信号が発信されているようですが、生存者は存在しないようです。続きを見てみます。

ロック前哨基地に所属していた元職員ら数名は事案ロック/3980の首謀者が特定できるまでサイト-5(サイト-5は存在しないという点に留意してください)サイト-087にて拘留します。無実であることが判明した場合、その人物は釈放して構いません。首謀者に対しては処刑を行ってください。終了の方法は現時点では未定です。

ここで事案ロック/3980という言葉が出てきます。これがサイトの破壊をもたらしたのでしょうか。ロック前哨基地に所属していた元職員ら数名の中に首謀者がいるようで、元職員達はサイト-087にて拘留され、首謀者を処刑する指示が出ています。

収容ではなく処刑が指示されていることに違和感を覚えますね。終了の方法が現時点で未定なのは何故でしょうか?また存在しないという『サイト-5』が書かれていて、サイト-087と書き直してあります。どうも謎だらけです。

次に説明を見てみましょう。

説明: SCP-3980は2000/2/14にロック前哨基地の喪失と107名の財団職員の死を引き起こした未知の異常存在です。この事件は事案ロック/3980と指定されています。当オブジェクトの確保が事件直前であったこと、事件により発生した損壊および現地における物理的文書と全人員の喪失により、SCP-3980の正確な性質および特性は十分に解明されていません。

SCP-3980が原因で、事案ロック/3980――ロック前哨基地の喪失と107名の財団職員の死――が起きた模様です。SCP-3980の正確な性質および特性は、事件による損壊と現地における物理的文書と全人員の喪失により、不明のようです。

現在、SCP-3980に関する全ての情報は、事件当時現場にいなかったロック前哨基地の元所属職員による目撃証言を集めたものです。この元職員らは精神機能および記憶に軽度から重度の障害を受けており、SCP-3980との相互作用を行ったことによるものである可能性が指摘されています。それにも関わらず、「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という点で全職員の意見が一致しています。各被疑者は破壊工作を行った人物を知っていると主張しますが、その情報を提供する試みには失敗しています。それ以外の点で被疑者らは拘留を全面的に受け入れています。

以下のリストは元ロック前哨基地職員から得られたSCP-3980の特徴をまとめたものです。各主張の発言者は括弧による挿入で示します。

  • SCP-3980は自己複製している(ボンド研究員)。または自律行動を行っている (セキュリティ責任者マテウス)。または外部エントロピー性を有している可能性がある (ウォルターズ博士)
  • SCP-3980実例の数は最低で5 (ピーターソン博士)、最大で10000 (オード兵卒) である。
  • SCP-3980には伝染性があり、人から人へと感染する (ボンド研究員)
  • SCP-3980は時空間異常である (クウェスト研究員)
  • SCP-3980が活性状態に入るには自発的な人間の操作者/宿主 (D-774)、あるいは協力者 (D-209) が必要である
  • SCP-3980の存在は純粋に形而上的なものであり、潜在的な情報災害性を有する −− SCP-3980の完全な認識はその人物の死を引き起こす (キム管理官)
  • SCP-3980は物理的に収容不可能である。これはその大きさが100ピコメートル以下 (ナラップ指揮官) あるいは16億キロメートル (ラファエット博士) であるためである。

SCP-3980に関する情報は、事件当時現場にいなかったロック前哨基地の元所属職員による目撃証言を集めたものとなっています。しかし、この元職員らは精神機能および記憶に軽度から重度の障害を受けていて、それぞれの証言には矛盾が見られます。この障害はSCP-3980との相互作用を行ったことによるものであるようです。

ただし「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という点については全職員の意見が一致。各被疑者は破壊工作を行った人物を知っていると主張していますが、その情報を提供する試みには失敗しているようです。ここも謎だらけですね。

次に、ロック前哨基地のキム管理官へのインタビューが収められた映像ファイルを見てみましょう。

以下のインタビューは事案ロック/3980に関する新たな情報を入手したと主張するロック前哨基地管理官キムの要望により2014/8/1に行われたものです。

映像ファイル - 3980/#442

[再生開始]

[インタビュアーが取調室に座る。2人の武装警備員に連れられてキム管理官が現れる。キム管理官が着席させられる]

インタビュアー: よろしくお願いします、管理官。ここでの生活はどうですか?

[キム管理官は拘留中の生活は比較的快適なものであると返答する]

インタビュアー: 良いですね、その言葉が聞けて嬉しいです。それでは何か我々に伝えたいことがあるとお聞きしましたが。

[キム管理官は最近何度も同じ夢をみると説明する。キム管理官は椅子の上で前屈みになる]

インタビュアー: なるほど。それは確かに異常ですね。そ− [インタビュアーはハエの出現に目に見えて動揺し、ハエをはたき落とす] なんだよ全く!

インタビュアー: ええと、はい。それの何が重要であるとお考えですか?

[キム管理官はさらに前屈みになる。唇の周りの肉が脱落しているのが分かる。キム管理官は事件以前にロック前哨基地で過ごした最後の日に起きたことを順に話していく]

インタビュアー: 続けてください。

[キム管理官は自身の記憶の及ぶ限り最大限オブジェクトに関する知識を説明する。話の間、インタビュアーは再度現れたハエ達を殺すことに気を取られる。これは数分間続く。キム管理官は大声でインタビュアーに向かって叫び、注意を向け直させる。キム管理官は3語の言葉を口にする]

インタビュアー: あり得ない。そんな −− そんなことがあるはずが……

[インタビュアーが死亡する。警備員は部屋に入り、キム管理官を居住室まで引きずっていく。インタビュアーは検死のためサイトの死体安置所まで連れていかれる。拘束には4名の警備員を必要とした]

[再生終了]

インタビューの記録でしたが、明らかにおかしなことになっています。

このインタビューはキム管理官に対して行われたものですが、キム管理官が発した言葉は記録されておらず、キム管理官の様子はすべて[]の中に書かれた地の文で説明されています。

さらにキム管理官は唇の周りの肉が脱落しているとあります。また、インタビューの途中には謎のハエが現れ、最後の方では、キム管理官が3語の言葉を口にすると、インタビュアーが死亡するという不可解な出来事が発生しています。死体は検死のため、死体安置所まで連れていかれますが、死体の拘束に4名も警備員が必要なのでしょうか?

考察

分からないことだらけですが、まず最初にインタビューの内容について考えてみます。

キム管理官のインタビューは何だったのか

まず、このインタビューのタイトルを確認すると、「映像ファイル – 3980/#442」と書かれています。ということはこの記録は実際の言葉を一字一句書き起こしたものではなく、映像ファイルそのものを見た際に、この映像の視聴者が認識するであろう内容が書かれていると思われます。つまり、インタビューの地の文は、「視聴者が認識するであろう内容」であって、現実に起きていることとは異なる幻覚である可能性があると考えられます。ミステリー小説でいうところの「信頼できない語り手」です。

キム管理官のインタビューの様子(発言が記録されていない、前屈みになる、ハエの存在、唇の周りの肉が脱落している)から推測すると、キム管理官は生きていない、すなわち死体なのではないかと考えられます。死体なのであれば、当然発言することはできませんし、 ハエがたかり腐敗で肉も脱落するでしょう。前屈みになるのは体が支えられないためではないかと考えられます。

なぜ財団職員は死体であるキム管理官を生者として認識しているのでしょうか?これはSCP-3980の異常な特性によるものと考えるのが妥当でしょう。SCP-3980のページ下部のタグには、幻覚、精神影響とあるので、財団職員は幻覚によりキム管理官を生きていると認識していると考えられます。従ってサイト-087にて拘留している他のロック前哨基地の元職員も死体だということになります。

インタビュアーについても考えてみます。インタビュアーはキム管理官の3語の言葉を聞いた後に死亡していますが、死んだ後で検死をされたと考えられるにもかかわらず、その原因は報告書内では明かされません。また拘束に4名の警備員が必要であったとも書かれています。これは、先ほどのキム管理官を含む元職員達とは逆の現象が起きていると考えると説明がつきそうです。

つまりインタビュアーは死亡しておらず、生者を死者として認識してしまう異常もSCP-3980により発生していると考えられます。死亡していないのですから死因はありませんし、拘束にも抵抗するでしょう。警備員が4名必要なのも納得できます。ロック前哨基地の地下エリアに生存者はいないと説明にありましたが、インタビュアーと同じく生者を死者として認識してしまう異常により死んだと誤認されているように思われます。

ではこの異常は何がきっかけで引き起こされたのでしょうか?インタビュアーは、キム管理官の3語の言葉を聞いて驚いているので、キム管理官が死体であることに気づいたと思われます。インタビュアーはその直後に死亡したと認識されていることから、キム管理官が死体であることに気付いた、または気付かされたことが、その異常のきっかけだったのではないかと考えられます。3語の言葉自体が引き金になったのか、死体であると認識することが引き金なのかは判断が難しいところです。

たた死体であると認識することがきっかけなのであれば、この映像ファイルを見た職員も同じように、映像の不可解な点からキム管理官が死体であることに気づく可能性があります。キム管理官が死体であることに気づいた職員はインタビュアーと同じく死んだと認識されるはずです。そうなるとこの映像は見たら死ぬ映像というSCPになってしまいますが、そのようなことは書かれていないため、3語の言葉自体がきっかけであるとここでは仮定しておきます。

ちなみに3語の言葉は ”I am dead”(私は死んでいる。)であるように思われます。

ここまでのまとめ

ここまでをまとめると以下のようになります。

  • キム管理官を含む、拘束中のロック前哨基地の元職員達は全員死亡している。
  • 元職員達はSCP-3980の異常性の影響を受けており、彼らを見た者は、幻覚により彼らが生きていると錯覚する。
  • 元職員達から3語の言葉を聞いた者は、彼らが実際は死んでいることに気づくが、自身は幻覚により死体として認識されるようになる。

となるとここで新たな疑問点が浮かびます。元職員達が死体なのであれば、キム管理官をはじめとした元職員達から得られた証言はどこまでが真実なのでしょうか?

あり得るのは、証言がSCP-3980によりもたらされた虚偽の情報である可能性と、元職員が生前知りえた事実に基づいているという可能性の2つではないかと思われます。

証言の真偽

証言の真偽について考えると、「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という点では全職員の意見が一致していますが、誰かやったのかという証言は得られていません。犯人が不明であるのにこの点だけ一致しているというのはどうも怪しいですね。

この証言が”元職員が生前知りえた情報に基づいている”のだとすると、役職の異なるすべての職員が、自分たちのうち1人が破壊工作したと知っていることになります。ありえないとまでは言えませんが、可能性はかなり低そうです。とりあえずこの証言については”SCP-3980によりもたらされた虚偽の情報”なのではないかと仮定しておきます。

それでは、その他の証言も”SCP-3980によりもたらされた虚偽の情報”なのでしょうか?

例えばボンド研究員の「SCP-3980には伝染性がある」という証言は、幻覚がインタビュアーに伝染したと捉えられ、タグにも同じものがついていることから、真実なのではないかと思われます。しかし、もしそうなのであれば、伝染性という真実ではないかと思われる証言をわざわざ伝える必要はないはずです。これらの証言は”元職員が生前知りえた情報に基づいている”のではないでしょうか。

ただしその場合は、大きさの証言などに矛盾がある点が、新たな疑問点となります。しかしこれらについては、研究が途中であること、職員の役職や死亡した日時によって情報に差があってもおかしくないことから、各職員の証言が矛盾することもありえそうです。

従って、これらの証言は”元職員が生前知りえた情報に基づいている”と仮定しておきます。

まとめると以下のようになります。

  • 幻覚から得られる証言は元職員が生前知りえた情報に基づいている。
  • 「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という証言はSCP-3980による操作を受けた、虚偽の情報である。

証言の再検証

幻覚から得られた証言は”元職員が生前知りえた情報に基づいている”前提で再度証言を確認してみます。ただ証言が真実なのかを判断するにはまだ情報が不足しています。そこでSCP-3980のタグ(伝染性 反ミーム 幻覚 感覚 未収容 概念 死体 精神 影響)を使用して検証します。タグガイドによるとSCP作品は該当するタグがあればそのタグを付与することになっています。よってこれらのタグはSCP-3980がなんであるかを示していると考えられます。

  • SCP-3980は自己複製している(ボンド研究員)。または自律行動を行っている (セキュリティ責任者マテウス)。または外部エントロピー性を有している可能性がある (ウォルターズ博士)
  • SCP-3980実例の数は最低で5 (ピーターソン博士)、最大で10000 (オード兵卒) である。
  • SCP-3980には伝染性があり、人から人へと感染する (ボンド研究員)
  • SCP-3980は時空間異常である (クウェスト研究員)

この部分では、SCP-3980の実例は最低5~最大1万、伝染性と外部エントロピー性を有し、自己複製と自律行動を行う時空間異常ということが証言されています。外部エントロピーとは、タグガイドによると”エントロピーを無視する形でエネルギーや物質を生産し、熱力学の第一・第二法則を破るSCP”となっています。しかしSCP-3980には、外部エントロピー、自己複製、自律、時空間のタグがついていません。SCP-3980に付けられたタグが真実であるとすると、これらの特徴は誤認であり、真実とは異なると仮定します。

それ以外の、SCP-3980の実例は最低5~最大1万、伝染性を有するという性質は真実であると仮定します。

  • SCP-3980が活性状態に入るには自発的な人間の操作者/宿主 (D-774)、あるいは協力者 (D-209) が必要である

こちらは否定する根拠がないのでこれも真実だと仮定します。

  • SCP-3980の存在は純粋に形而上的なものであり、潜在的な情報災害性を有する −− SCP-3980の完全な認識はその人物の死を引き起こす (キム管理官)

こちらについてですが、形而上的というのは”形をもっていない、感覚的経験を超えたもの”という意味で、タグにある概念と一致するので真実とします。情報災害性については情報災害のタグはないのでこれは真実ではないとします。

しかしながら反ミームと精神影響のタグがあり、さきほど述べたように死体を生きていると認識する異常があるようなので、反ミームによる精神影響があるのは真実であるとします(ちなみにタグガイドのFAQによると、情報災害のオブジェクトは対象がそれに言及あるいは記述する時に異常な反応を引き起こすもので、SCP-426 – 私はトースターがこれに該当します)。

SCP-3980の完全な認識はその人物の死を引き起こすという部分は、生者を死者と認識する異常のことかもしれませんので、これは判断を保留します。

  • SCP-3980は物理的に収容不可能である。これはその大きさが100ピコメートル以下 (ナラップ指揮官) あるいは16億キロメートル (ラファエット博士) であるためである。

こちらは、実際の形を持たないという意味でとらえて、概念のこととしておきます。

まとめると

SCP-3980の実例は最低5~最大1万。SCP-3980の存在は概念であり、伝染性、反ミーム、精神影響を有する。SCP-3980が活性状態に入るには自発的な人間の操作者/宿主、あるいは協力者 が必要でSCP-3980の完全な認識はその人物の死を引き起こす。

これらを踏まえて、次の仮説を立てました。

SCP-3980についての仮説

SCP-3980は、人を媒介とする伝染性の反ミーム災害を発生させることが可能な概念的存在

この反ミームは感染したものの生と死を反転させる。すなわち死体にこの反ミームが感染すると、非感染者は感染した死体を生きていると認識する。

逆に生者がこれ感染すると、感染者は非感染者からは死んでいると認識される。

感染者だけがこの反ミームの効果を受けず、感染した死体は死体であると認識でき、感染者を見ても死体だとは認識しない。

映像ファイルでいうとキム管理官が反ミームに感染した死体で、インタビュアーが感染者となります。

反ミーム災害に感染した者の姿は、死んだときの状態で固定され、死体の腐敗速度は極めて遅くなる。通常の死体であれば空気中に1年も放置すれば腐敗により、骨だけになるはずですが、2000年に拘束されたキム管理官に対して、2014年に行われたインタビューの際は、唇の周りの肉が落ちて、ハエががたかっています。このことからキム管理官らの肉体は死んだときの姿が保たれているように思われます(幻覚なので実際は骨だけになっている可能性もあります)。

反対に生きている感染者は感染時の姿で固定され、食料や水なしに生存できるようになる。前哨基地の地下から信号が送られ続けているのは、この効果により感染者が死なずに済んでいるからではないかと思われます。

感染者の死体の幻覚と会話をして3語の言葉を聞いた人物は、この反ミーム災害の性質を理解し新たな感染者となる。これは映像ファイルの内容からの推測です。

映像ファイルのインタビュアーはSCP-3980に感染した死体であるキム管理官と話すうちに、キム管理官が生きていないという事実に気付き始め、3語の言葉がきっかけとなり、SCP-3980を理解し、SCP-3980に感染したのではないかと思われます。

インタビュアーはハエが飛んでいることに気付き強く動揺していますが、これは幻覚により意識されていなかったハエが、SCP-3980に感染した死体であるキム管理官と接触・会話したことにより、SCP-3980を理解し始めたことで、ハエが急に意識され動揺したように思われます。

旧ロック前哨基地で何が起きたのか?

これまでの仮説に基づいて考えてみます。まずロック前哨基地についてですが、財団では収容は基本的にサイトで行われるはずですが、SCP-3980では前哨基地が舞台となっています。前哨基地というからには何かのSCPのために用意された軍事施設であると考えられます。

この施設でSCP-3980を確保したと説明にあるため、前哨基地にSCP-3980は収容されようとしていたと考えられます。そしてDクラス職員を使ってその調査・実験が行われたと思われます。

先ほど真実であると仮定した「SCP-3980が活性状態に入るには自発的な人間の操作者/宿主 (D-774)、あるいは協力者 (D-209) が必要である」というDクラス職員の証言は上記の実験を行い、この事実を確認したと思われます。

したがってSCP-3980は通常不活性状態にあり、人間が何らかの関与をすることでSCP-3980は活性化すると考えられます。これはどういうことを意味するのか考えてみると、SCP-3980が人体に乗り移り、SCP-3980が活動できるようになるということかもしれません。SCP-3980実例の数は最低で5、最大で10000という証言は真実と仮定しましたので、SCP-3980は複数の人体を操作できると考えられます。

恐らくこの実験でSCP-3980を活性化したところ、SCP-3980の収容違反が発生。SCP-3980が乗り移った人物達が施設を破壊し、Dクラス職員や研究員、兵卒、果ては管理員までを次々と殺害したのではないでしょうか?そしてSCP-3980が乗り移った人物達は3語の言葉を叫び、反ミームを基地内にばらまいたのではないでしょうか?

結果、殺害された職員達と基地内の生きていた職員達は皆この反ミームに感染します。キム管理官らの遺体は前哨基地の感染した職員からは死体として認識されるため、破壊を受けた前哨基地から外に運び出されます。

大きな被害を受けた前哨基地は救援を求め、近くのサイトから財団職員達がやってきます。サイトから来た非感染者である財団職員は基地内の人員がすべて死亡していると認識し財団にこれを報告します。

また非感染者である財団職員は前哨基地の外でキム管理官らの遺体を発見します。遺体は生きていると認識され、近くのサイトに移送されます。しかし死体が話していることは幻覚ですので、元職員達についての説明通り、SCP-3980による影響を受け、精神機能および記憶に軽度から重度の障害を受けているとみなされたと思われます。その結果、職員達は拘束されます。

財団は前哨基地からの報告、元職員達の証言により、死に至る認識災害汚染が起きていると判断し、ロック前哨基地を破壊し、収容サイトとすることを決定。

前哨基地は空爆され、外部から攻撃を受けた前哨基地の職員は、基地の情報保全のため、ネットワークを遮断し、物理的文章をすべて破壊、SCP-3980関連文章を含むデータとともに地下に避難します。そして他のサイトから地上部隊が基地に派遣され、地下に避難した職員をコンクリートで閉じ込めたのではないかと思われます。

結果的にSCP-3980関連文章は財団には渡らず、真相は不明のままとなります。

ロック前哨基地からの信号は、救難信号であるため、全て無視されます。

そして基地の外にあった感染者の死体は、「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という”SCP-3980によりもたらされた虚偽の情報”に基づき、犯人捜しのために拘束するという形で収容され、財団はわずかに残された情報を、このSCP-3980の報告書にまとめたのではないかと思われます。SCP-3980はこの死体に財団の注意が向くように、この虚偽の情報を死体に証言させているのではないかと思われます。

財団はどこまで、真実をつかんでいるのか?

財団はどこまで、真実をつかんでいるのでしょうか?

特別収容プロトコルにあった”終了の方法は現時点では未定です。”という文章は、元職員達は死者であり、殺害することができないことを暗に仄めかしているように思われます。

財団は事案ロック/3980の後、拘束した職員への調査を行い、その調査の中でインタビュアーと同じように感染が発生。感染者は死者として記録されたでしょうから、映像や死者の発生から財団は真相にたどり着いている可能性があります。

しかし、真相はSCPの報告書には書かれてないため、真相が書かれた文章の閲覧によっても反ミームに感染するという異常があるのかもしれません。

そのため「自分たちのうち1人が行った破壊工作が事案ロック/3980に繋がった」という”SCP-3980によりもたらされた虚偽の情報”を虚偽と知りながらも、元職員達の収容を維持するため、あえて犯人捜しを続けているというふうにも考えられます。

サイト-5とは何だったのか

サイト-5が何だったのかという点については、想像するしかできませんが、前哨基地が救援を求めたサイトがサイト-5だったのではないかと思われます。

ではなぜサイト-5は存在しませんと説明に書かれていたのでしょうか?

その前に一つ確認しておくことがあります。SCP-3980の行方です。前哨基地の地下でしょうか?それともサイト – 087?恐らくは違います。

SCP-3980のタグにはこう書かれています。

伝染性 反ミーム 幻覚 感覚 未収容 概念 死体 精神 影響

つまりSCP-3980は未収容なのです。

前哨基地を脱出したSCP-3980はサイト-5の職員たちに遭遇したと考えられます。この職員の後を追えばサイト-5に入り込むことも可能です。SCP-3980はサイト-5に侵入し、サイト-5の存在自体をなかったように認識させる反ミームを作動させたのではないでしょうか?

SCP-3980の反ミームの性質は、この反ミームに感染したものの生と死を反転させることなのではないかと仮説を立てましたが、この反転という性質がこのサイト-5にも働いたとは考えられないでしょうか?

SCP-3980はサイト-5の中に潜んでいるのかもしれませんね……。

おわりに

いかがでしたでしょうか?SCP-3980でした。SCP-3980自体は短い内容でしたが、今回の記事は1万文字を超えてしまいました💦。この記事はSCP-3980のディスカッションの内容を参考にしました。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

SCP-3980 – Blind Lead the Blind
by Shaggydredlocks
www.scp-wiki.net/scp-3980
ja.scp-wiki.net/scp-3980
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