SCP-715 – 私であったかもしれない顔 内容整理・考察

SCP紹介&内容整理

SCPの中には、一読しただけでは内容をよく理解できない難解な作品がいくつかあります。たまたま読んだSCP-715 – 私であったかもしれない顔 もそんな読み返し必須な作品でしたので、内容を整理・考察してみました。

SCP-715とは

SCP-715は、1972年にソニーにより製造されたフォトマット風の写真撮影装置 “Take Your Own Photo”のこと。オブジェクトクラスは Safe Keter Safeとなっている。

日本では馴染みがありませんが、フォトマットとは、アメリカのフォトマット社が経営していたドライブスルー形式の写真フィルム現像ショップで、Wikipediaによると最盛期の1980年代には全米の商業施設に4000店以上チェーン展開していたそうです。

特別収容プロトコル

特別収容プロトコルは以下のようになっている。

最初の特別収容プロトコルでは、SCP-715は元々の所在地であるオハイオ州████████の████████シティーモールにおいて収容され、遠隔監視されていた。SCP-715によって出力された画像はモール職員として在駐している財団職員により収集され、これらの画像はさらなる調査のためにサイト81へ返送された。

この特別収容プロトコルはオブジェクトクラス変更と共に廃止され、以下の修正案が採用された。

Keterクラス収容手順修正案:SCP-715はサイト19の厳重に警備された大型アイテム用ロッカーに収容され、SCP-715へのアクセスはレベル715/4以上の特別許可を持つ職員に限定されている。

機密開示レベルに関わらず、職員によるSCP-715内への進入、あるいは起動がまず禁止された。SCP-715内部の調査は、遠隔操作されたドローンによってのみ行われる。

SCP-715-B個体はクラスV認識災害実体であると考えられており、その性質から光学拡張技術を用いなければ正確に識別できない。必要であればあらゆる手段を用いて識別を行い、SCP-715-B個体は即時終了される。

SCP-715-B個体という言葉がここで出てきます。この個体はクラスV認識災害実体であり、光学拡張技術を用いなければ識別できないようですね。さらに発見次第即時終了されることとなっていて、ヤバそうな感じがします。

その後、この特別収容プロトコルはオブジェクトクラス変更と共に廃止され、現在は以下のSafeクラス収容手順修正案が採用されている。

Safeクラス収容手順修正案:SCP-715はサイト81の厳重に警備された保管ロッカーに収容される。その他の収容手順は現在必要とされていない。財団職員は既知のSCP-715-B個体に対するあらゆる接触を制限されている。

サイト81/715に関する情報は、知る必要のある職員にのみ公開される。適切なセキュリティクリアランスを持つ管理者は、このファイルの下部にある当該の情報を閲覧することができる。

ヤバそうだったKeterから一転してSafeになっています。理由が気になりますね……。

説明

SCP-715の説明は以下のようになっている。

SCP-715 はそのデザインや外観に関しては異常性を見せていない。機械の背部には小さな金属タグが付けられているが、著しい摩耗によりタグの文章は不明瞭となっている。

SCP-715は人がメインブースに座り、投入口に必要なトークンを入れるまで起動しない、散発的に起動することが知られており、事前に撮影した写真を改変したと思われる画像を出力する。この活動の誘発要因は今のところ不明だが、調査が続けられている。SCP-715が出力する画像は多くの場合著しく歪んでおり、その理由は現在分かっていない

SCP-715から出てきた人物はSCP-715-Bに指定され、表面上は異常性があるようには見えない。

SCP-715-A個体は現在サイト81/715に収容されている。これらの性質に関する調査は現在承認待ち制限されています。SCP-715-Aは[データ削除済:下記の付与情報を参照]。

SCP-715の異常性は、SCP-715で写真を撮ると、出力した写真が歪むという危険性のなさそうなものでした。報告書の画像は顔に異常が現れています。先ほど出てきたSCP-715-Bは、SCP-715から出てきた人物のことだと判明しました。ということは、これがKeterクラス収容手順修正案にあった即時終了すべきクラスV認識災害実体ということになるのでしょうか?

SCP-715-A個体という言葉も出てきました。この個体が何かは分かりませんが、サイト81/715に収容されているようです。

SCP-715はどうしてKeterに再指定されたのでしょうか?サイト81/715 プロトコルを見てみます。

サイト81/715 プロトコル: [アクセス制限]

=警告: 極秘=
財団サイト81/715 プロトコル
サイト19、サイト81の管理者および監事司令部が作成した取扱基準にしたがって利用されること

以下のプロトコルはサイト81/715および在駐職員の安全とセキュリティを維持するために確立されました。

場所: オハイオ州████████、████████シティモール

セキュリティレベル: デルタ

場所の説明: サイト81/715はオハイオ州████████にある████████シティモールの地下に位置する異次元空間であると考えられています。この空間へは地下三階の南西の壁にある通用口2を通じて進入することが可能です。内部の空間は広く、深い穴を内包する洞窟のような場所になっています。当該空間の内壁は周りの石灰岩を切り開いて作られたもののように見えます。穴の壁は人間の脂肪組織に似た、現在まで詳細不明の生体物質により構成されています。この穴の壁は常に強力な腐食性物質を分泌しており、穴への進入を非常に危険なものとしています。

SCP-715起動の際には、この穴の中からSCP-715-A個体が現れます。これらの個体は概して直近にSCP-715を使用した対象と似ていますが、識別が困難なほど広範囲に及ぶ裂傷、あるいは顔貌の完全な欠損を含む、目立った顔面の異常を有しています。

SCP-715-A個体は支えのために壁の肉組織に手足をめり込ませ、穴の壁をよじ登ろうとします。現在これらの個体は敵対的であると考えられており、サイト81/715に在駐する財団のセキュリティ職員は必要なだけの武力を以ってこれらの個体を速やかに殺害することを許可されています。SCP-715-A個体の性質に関する研究が進行中です。

穴の内部にどれほどのSCP-715-A個体が存在しているのか、今のところ分かっていません。

以下の管理者たちにより認可されています:
ジャック・ブライト,サイト19管理者
カーライル・アクタス,サイト81管理者
O5-2,監事司令部

SCP-715の異常は説明の他にもあったようです。SCP-715が起動すると、オハイオ州████████にある████████シティモールの地下に位置する異次元空間と考えられる穴にSCP-715-A個体が現れます。

この穴の壁は人間の脂肪組織に似た、詳細不明の生体物質により構成され、常に強力な腐食性物質が分泌されている。穴の中のこれらの個体は直近にSCP-715を使用した対象と似ているが、識別が困難なほど広範囲に及ぶ裂傷、あるいは顔貌の完全な欠損を含む、目立った顔面の異常を有しています。出力した写真が歪むことと何か関係があると思われます。

これらの個体は支えのために壁の肉組織に手足をめり込ませ、穴の壁をよじ登ろうとし、敵対的なため殺害されることになっています。財団は、シティモールの地下の空間ごとサイト81/715として収容しているようです。さらに補遺があるようです。

補遺715/A: [アクセス制限]

=警告: 極秘=
SCP-715の再分類に関する説明

SCP-715-B個体の矛盾に初めて我々の注意が向けられたのは、ジェラルド・パットン研究員が自らSCP-715をテストした後のことでした。彼の人事ファイルには、この件の直後にパットン研究員がSCP-2090プロジェクトへの配転要請を辞退した旨が記載されています。そのポジションではSCP-715プロジェクトよりも大きな研究上の裁量が認められており、同様により多い休暇日数とより高い給与等級も保証されていました。この件は異例のこととして言及されましたが(パットン研究員はこれまでに昇進を断ったことはありませんでした)、その他の点は無視されました。

そのしばらく後、サイト81の対現実改変異常定例調査の際に、サイトの全職員に出頭が義務付けられているにもかかわらず、パットン研究員は検査に姿を現しませんでした。この手続きでは大勢の職員が処理されるために、またもやこの件は概して見過ごされました。

サイト81の研究主任であるアガサ・ライツ博士が人事情報についての調査を始めたことで、ようやくそれらの行動が明らかになりました。ライツ博士の初期報告において、SCP-2090プロジェクトへの配転と職員検査はどちらもパットン研究員を現実歪曲を検出する技術の下に曝したであろうことが言及されています。いずれの場合においても、パットン研究員はそのような状況に追い込まれることをどうにか回避しました。

この報告に続いて、ライツ博士はフルマン -ブレーカー異常光学拡張デバイスをパットン研究員の宿舎に別々に取り付けました。映像から集められた情報を解析した後に、我々のSCP-715に対する理解に穴があったことが明らかになりました。

率直に述べると、我々は誤った対象を殺害していたのです。

集められた映像は、局所的な異常効果を除去するフィルターを掛けて視た際に、パットン研究員がサイト81/715の穴の中で我々が見た生物の一体であるように見えることを明らかにしました。これまでにパットン研究員がサイト81/715へアクセスした記録はなく、それどころか(主に以前の管理者が当該エリアに関して機密としていたおかげで)その存在に気付いてすらいませんでした。そのため、SCP-715-A個体がどのようにして我々のセキュリティから逃れることができたのかは不明です。

次に我々は同じデバイスをサイト81/715内のSCP-715-A個体を観察するために使用しました。すると… やはり、彼らは人間だったのです。彼らはみな人でした。彼らは我々が見た時にそう見えたような生き物ではなかったのです。彼らは人間であり、そのことをずっと我々に伝えようとしていましたが、我々には理解することができず彼らを射殺していたのです。

我々は可及的速やかに分類をKeterへ昇格し、その所在を把握していた全てのSCP-715-B個体を集めようとし始めました。我々は首尾よくパットン研究員のように見える生物に対してインタビューを行なうことにも成功しました。このインタビューで得られた情報により、我々は分類の昇格を取消し、SCP-715を金庫の中に閉じ込めました。

現在このプロジェクトは保留中です。我々はこれ以上問題を認めるつもりはなく、-B個体の捜索も行いません。我々はパットン個体の主張の真偽を確かめられていませんが、もし我々が考えるのと同じだけの数の彼らが外界を徘徊しているとしたら、差し当たり彼らをただ放っておく方が正常性を維持する上では望ましいでしょう。少なくとも彼らが何を欲しているのかを理解できるまでは。

-A個体についてですが… より良い手段が考案できるまで、上述のプロトコルは無効であると考えて下さい。我々はサイト81/715から彼らを移動させることは賢明ではないという勧告を受けています。残念なことではありますが、これが我々の現在の計画です。

– サイト81管理補佐 ウェービング

ここにはSCP-715の再分類に関する説明が書いてあります。まとめてみると、次のようになります。

ジェラルド・パットン研究員が自らSCP-715をテストした後、彼に対してSCP-2090プロジェクトへの配転要請がなされた。この配転は出世となるものであったにも関わらず、パットン研究員はこれを辞退する。この件は異例のこととして言及されたが、その他の点は無視された。

そのしばらく後、サイト81の対現実改変異常定例調査の際に、サイト全職員の出頭が義務付けられているにもかかわらず、パットン研究員は検査に姿を現さなかった。この手続きでは大勢の職員が処理されるために、またもやこの件は見過ごされた。

サイト81の研究主任であるアガサ・ライツ博士が人事情報についての調査を始めたことで、ようやくそれらの不審な行動が明らかとなった。ライツ博士の初期報告において、SCP-2090プロジェクトへの配転と職員検査はどちらもパットン研究員を現実歪曲を検出する技術の下に曝したであろうことが言及されている

SCP-2090は以前紹介したことがあります。

SCP-2090 - 潜在的XK ティム・ダンカン ―神格化を阻止せよ―
意外なオチが面白かったSCP-2090 - Potentially XK Tim Duncan(潜在的XK ティム・ダンカン) by djkaktus を紹介します。 本家: 日本語: SCP-2090とは SCP-2090はテ...

SCP-2090は常に監視されており、現実改変の兆候を検知できるカント計数機による測定がなされています。

いずれの場合においても、パットン研究員はそのような状況に追い込まれることをどうにか回避していた。

この報告に続いて、パットン研究員を怪しく思ったであろうライツ博士はフルマン -ブレーカー異常光学拡張デバイスをパットン研究員の宿舎に別々に取り付けた。映像から集められた情報を解析した結果、衝撃の事実が明らかとなる。

局所的な異常効果を除去するフィルターを掛けて視ると、パットン研究員がサイト81/715の穴の中で我々が見た生物の一体であるように見えた、つまりパットン研究員はSCP-715-A個体だったのだ。

これまでにパットン研究員がサイト81/715へアクセスした記録はなく、それどころか、主に以前の管理者が当該エリアに関して機密としていたおかげでその存在に気付いてすらいなかった。そのため、SCP-715-A個体がどのようにして財団のセキュリティから逃れることができたのかは不明となっている。

次に同じデバイスをサイト81/715内のSCP-715-A個体を観察するために使用したところ、彼らが人間であったと判明する。彼らは人間であることを伝えようとしていたが、財団はそれ理解することができず彼らを皆射殺していたのだった。財団なにしてんの……。

つまり、SCP-715は、起動すると被写体となった人物を穴の中に送り、穴の中にいた生物のように見える生体が、被写体の人物の姿でブースから出てくるという、入れ替わりを起こしていたのです。

SCP-715-Aの正体は被写体となった人物で、SCP-715-Bの正体は穴の中にいた生物だった訳です。こうして入れ替わった両者は認識災害により本来の姿が知覚できなくなるため、財団は入れ替わりに気付かなかったのでした。パットン研究員の不審な行動は、自らの正体を隠すためだったのです。

さらにSCP-715-Bは、正確に被写体となった人物に成り済まして生活できていたと考えられます。財団職員ですらパットン研究員の入れ替わりには当初気付いていなかったのですから、被写体となった人物の外見だけでなく、記憶も受け継いでいると考えられます。

SCP-715が現像した写真の顔が歪んでいるのは、写真が改変されていた訳ではなく、入れ替わったSCP-715-Bの本来の姿を写していたと思われます。恐らくSCP-715による現像自体は異常なく動作していたのでしょう。

これが発覚するまでに、相当な数の入れ替わりがあったと推測され、入れ替わった多くの人間が財団により殺害されていたことになります。

この結果を受け、SCP-715は速やかにKeterへ昇格。その所在を把握していた全てのSCP-715-B個体を集め、パットン研究員のように見える生物に対してインタビューを行なうことにも成功した。このインタビューで得られた情報により、財団は分類の昇格を取消し、SCP-715を金庫の中に閉じ込めた。

現在このプロジェクトは保留中で、財団はこれ以上問題を認めるつもりはなく、-B個体の捜索も行っていない。財団はパットン個体の主張の真偽を確かめていないが、もし財団が考えるのと同じだけの数の彼らが外界を徘徊しているとしたら、少なくとも彼らが何を欲しているのかを理解できるまでは、差し当たり彼らをただ放っておく方が正常性を維持する上では望ましいと財団は判断している。

-A個体については、 より良い手段が考案できるまで、上述のプロトコルは無効となり、殺されることはなくなったようだが、サイト81/715に彼らを収容している。

何かおかしいですね。インタビュー結果がなく何が分かったのか不明です。そして、その結果を受けて下されたはずの判断が、オブジェクトクラスをSafeに戻して、-B個体を放置するという財団らしくない措置です。

財団がこの措置を選択した理由を考えてみると、まず、-B個体の目的が把握できていないということから、-B個体は目立って異常な行動はしていないと推測されます。そのため財団は差し迫った脅威ではないと判断した可能性はあります。また-B個体が多数いることから、真実を隠ぺいした上での収容にはかなり手間がかかるとも予想されます。そしてSCP-715は厳重に警備された保管ロッカーに収容されるため、これ以上は-B個体が増加しないと思われます。

これらの理由によりSafeにしたと理屈付けることもできなくはありませんが、依然として-B個体が何らかの行動を起こす可能性はあります。通常では、一定以上の知能のあるオブジェクトは自らの異常特性を隠すことが可能なため、Euclidに分類されるはずですが、Safeなのはちょっと納得し難いです。

まだ文書が残っているので、次の事件715/A報告書: [アクセス制限]を見てみます。

事件715/A報告書: [アクセス制限]

SCP財団
サイト-01
監事司令部

サイト-81
管理者: K.アクタス
管理補佐: J.ウェービング

715/5 機密指定

異常存在の報告
主任研究員: T.ベーカー

対象: SCP-715-B

報告の完全な詳細:

SCP-715-B7 “エージェント デーヴィッド K. フレデリックソン”は、調査によりエージェントがSCP-715-B7個体であると判明した後に財団の拘留下に置かれました。対象の予備調査の間、SCP-715-B7がサイト81/715に向かって低レベルのベータ放射線を不連続に放出していることが発見されました。この放出はランダムに行われているようでしたが、注目すべき点であると見なされました。

サイト80におけるSCP-715-B7の検死の間、放出のエネルギー出力・頻度が共に増加したことが記録されています。その直後、サイト80で停電および収容違反が発生しました。オブジェクトに対する騒動は一切認められていないにも関わらず、サイト81は封鎖されました。サイト80の収容違反後の調査において、SCP-715-B7の死体が消失していることが判明しました。B研究棟への強引な侵入を示唆する証拠はありませんでした。

サイト80の監視ビデオは、SCP-715プロジェクトに関与していた数名の職員がB棟研究室へ入り、SCP-715の死体と共にサイトから逃亡する姿を写していました。下記に添付する画像は現場に残されていたものです。その他の情報はありません。この異常に対する調査が進行中です。

(署名)
T.ベーカー:
レベル4研究員
サイト80/81

(写真の上の文章)
私が聞くための私の耳
私が見るための私の目
私が喋るための私の口

私の顔に触れるな

これはどういうことでしょうか?内容をまとめると次のようになります。

“エージェント デーヴィッド K. フレデリックソン”が、調査によりSCP-715-B7個体であると判明。財団の拘留下に置かれます。予備調査の後、-B7個体がサイト80で検死されていたところに停電および収容違反が発生。SCP-715プロジェクトに関与していた数名の職員がB棟研究室へ入り、SCP-715の死体と共にサイトから逃亡します。現場には写真が残されていました。サイト80の収容違反が起きた際に、なぜかオブジェクトに対する騒動は一切認められていないにも関わらず、サイト81が封鎖されています。

異常存在の収容を行うべき財団の職員は通常であれば、そのような収容違反を起こすはずはないので、SCP-715プロジェクトに関与していた数名の職員もまた-B7個体の仲間であり、-B7を回収して逃亡したと考えられます。つまり、プロジェクトに関与していた数名の職員もまた、SCP-715-Bと入れ替わっていたのです。少し前にSCP-715により相当な数の入れ替わりがあったと推測しましたが、サイト81内部にも紛れ込んでいたようです。

また、補遺の記述から-B個体同士は相互に通信が可能だったことが窺えます。-B7個体はベータ放射線を穴のあるサイト81に向けて不連続に放出しており、放出のエネルギー出力・頻度が共に増加した直後に、収容違反していることから、この放出は他の-B個体に居場所を知らせるための通信手段だったと考えられます。

最後に残された写真の意味を考えてみます。わざわざ文章の書かれた写真を現場に残していることから、この写真は財団へ宛てたメッセージだったと思われます。写真には顔が歪んだ3人の人物と顔の歪んでいない女性が映っており、各人物に対して文章が印字され、上から順に”私が聞くための私の耳 私が見るための私の目 私が喋るための私の口”と書かれています。そして顔の歪んでいない女性のところには”私の顔に触れるな”と書かれています。

人物のところに文章が書かれていることから、それぞれの文章は、その文章が書かれた人物の説明であると考えられます。顔が歪んだ3人の人物は、SCP-715で現像された画像と同じように顔が歪んでいることから、SCP-715-Bと見てよいでしょう。顔が歪んでいない女性のところには”私の顔”と書かれていることから、この女性は”私”を表しているようです。

これらを踏まえて文章を読むと、SCP-715-Bは、”私”が外界を知覚し、話しをするための耳、目、口であるということになります。一言で言い表すならばSCP-715-Bは”私の顔”だということになります。従って”私の顔に触れるな”というのは、SCP-715-Bに手を出すなという警告であると考えられます。

この”私”の正体は推測することしかできませんが、SCP-715-Bという存在の集合意識、あるいはSCP-715-Bを操っている実体ではないかと思われます。穴の中にあった詳細不明の生体物質がその本体なのかもしれません。

上記の事件は、この”私”が”私”の耳、目、口であるSCP-715-B7を回収するために起こしたものであると考えられます。SCP-715-B7は予備調査後に検死と書かれているので、-B7は財団によって殺害されたようです。

Safe指定に戻った理由

この事件及び残された写真のメッセージの意味を考えると、Safe指定に戻った理由が見えてきます。

補遺715/Aの情報から考えると、SCP-715-B7を拘留した上記の事件は、オブジェクトクラスがKeterに指定されていた時に起きたと考えられます。補遺715/Aによると、財団はKeter指定後に、SCP-715-B個体を集め始めています。Keterクラス収容手順修正案では、-B個体は発見次第終了処分されることになっていました。この修正案に則り、-B7個体は財団により終了され検死されたと考えられます。

補遺によれば、その後財団は-B個体の捜索を打ち切りオブジェクトクラスをKeterからSafeに戻しています。この急激な方針転換は、この事件が原因であると考えるのが自然なように思われます。

先ほどこのメッセージは警告ではないかと述べました。これ以上-B個体の捜索と終了を続けるなら、同様な事件を起こすぞと警告している訳です。

既に財団内部にはSCP-715-Bが潜んでいる可能性が高く、新たに-B個体を終了すれば、同様な事件を再度起こす危険性があります。また、財団がどういう組織なのかも当然把握しているでしょうから、財団のことを世間に暴露したり、収容違反を起こしたりする恐れもあります。

従って-B個体の終了を継続することは、この警告を無視することになり、多数のSCP-715-B個体を有する”私”と全面的に争うことになります。財団の力であれば、この争いに勝利できると思われますが、相当な被害を受けることは確実です。

一方で、SCP-715-B個体との入れ替わりがあっても、財団に殺害された被害者を除けば、周囲はそれに気付かず、誰も異常を知ることはありません。またSCP-715-B個体の行動による被害もないので、財団が守るべき世界の正常性は保たれています。SCP-715を保管ロッカーに入れておけばこれ以上SCP-715-B個体が増えることもありません。

つまり、SCP-715-B個体の終了を継続することによる、その時点でのメリットは皆無であり、継続することによるリスクの方がはるかに大きいことになります。この理由により財団は、オブジェクトクラスをSafe指定に戻したと考えられます。

収容できていないじゃないかと思われる方もいらっしゃると思われます。確かに確保・収容・保護が財団の仕事ですが、それはあくまでも人類を異常な存在から守り、正常性を維持するという目的のための手段であり、正常性が維持できるのであれば、正体不明の怪物を収容しないこともありえるということでしょう。

おわりに

SCP-715 –  – 私であったかもしれない顔でした。ちなみにこのSCPではジャック・ブライト博士はサイト19管理者となっています。またカーライル・アクタス,サイト81管理者はこのSCP-715の作者、djkaktusのアバター – Wikipediaのようです。

ところで、このSCPの歪んだ顔の画像から別のSCPを思い浮かべた方もいると思われます。76年シリーズのSCP-1833です。関連するTale、思い出終曲:最後の言葉では、SCP-715に出てくる写真と同じような顔の歪んた写真があります。SCP-715は、1972年に作られたことになっています。76年シリーズのタグはついていませんが何か関連があるのかもしれません。76年シリーズは以前紹介しましたので、興味のある方はご覧ください。

76年の夏に一体何が……。 SCP財団 76年シリーズまとめ
SCPには76年シリーズという作品群があります。このシリーズは主に1976年のカーク・ロンウッド高校や「失神交響楽(Syncope Symphony)」に関連すると思われるSCPで、その多くが不気味なホラー作品となっています。 現在、...

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

 

SCP-715 – My Face That I May Be by djkaktus
http://scp-wiki.net/scp-715
http://ja.scp-wiki.net/scp-715

本記事の内容はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承3.0ライセンスに従います。

コメント