SCP-3096を読んだのですが、一読ではよくわからなかったため、読み直してまとめてみました。初めて読んだときはドラえもんのライオン仮面を思い出しました。
SCP-3096とは
SCP-3096はS極が未塗装でN極は赤色の棒磁石(6×1×0.5cm)です。オブジェクトクラスはKeter。
またエージェント グレームなる人物を保護する必要があり、このエージェントは如何なる代償を払っても危害から保護されなければいけないことになっています。
SCP-3096に対する説明には具体的な性質が書かれておらず
- タイムライン
- インタビューログ3096-アルファ
- 補遺3096-アレフ: 図説
を参照するようになっています。
エージェントグレームに対するインタビューによると、SCP-3096は時間軸上の未来の時点にあるSCP-3096と引きつく性質を持ちます。さらに過去と未来のSCP-3096が引きつくと、因果律に結び目ができ、因果分岐線がループするようになります。その結果、宇宙にある物体の全ての原子が何度も過去に移動し続け、無限量の物体とエネルギーが宇宙に満ちることになります。
これを防ぐためには、過去のSCP-3096の時間の進み方を減速させ、逆に未来のSCP-3096の時間の進み方を加速させる必要があるようです。はっきりと明言されてはいませんが、図説から過去と未来の因果分岐線の距離を広くすることでSCP-3096同士が引きつくことを防いでいるようです。
エージェントグレームは「未知の使い捨て異常物体」を使用して過去(10年前)に戻りSCP-3096を回収したようです。
時間軸上の位置を絶えず変化させている因果律ループを通して、SCP-3096について自身が持っている情報を全て財団に提供しています。
と書かれていることから、現在の日時から10年4か月前に開始し、6か月後に終了するループが刻一刻とその時刻を変えながら進行しているようです。
ループ進行の謎
なぜループが進行するのでしょうか?それは本文中では明らかにされていませんでしたが、ディスカッションページの作者コメントで以下のように説明されていました。
「未知の使い捨て異常物体」は、実は使い捨てではなく、エージェント グレームはそれを財団に隠していた。
- エージェント グレームは6年1週間前にEPTF発生装置の一つを収容エリアから盗み出し、タイムマシンを使って自分が生まれる前に遡る(6年前 — 彼の失踪理由)。
- 次にEPTF発生装置を使って、自分が誕生する際の時間枠を操作し、各ループごとに少しだけ後のほうにずらす。結果エージェント グレームはずらした時間だけ若返ることになり年を取らない。
- 最後に、未来へと移動し、タイムマシンを必要としている時間の財団にそれを渡す(現在から5ヶ月後)。
タイムラインの10年4ヶ月前と10年1ヶ月前の間にある空白期間はループ修正のためでした。
タイムマシンを秘匿した理由
タイムマシンの情報を財団に隠していた理由が分からなかったのですが、「私は、これを機能させるためには、財団にそれが何であるかを正確には把握させない必要があると思います。」という作者コメントから、パラドックスの発生を防ぐためだと考えられそうです。
おそらくループのなかで初めてタイムマシンを使用し過去に戻った際、財団にはそのタイムマシンに関する情報がまだなかったのではないでしょうか。歴史の改変が起こるのを防ぐためにタイムマシンに関する情報を財団に詳しく開示しなかったのだと思います。
内容的にはこんな感じでしょうか。タイムパラドックスなSCPでした。
by CannedBread
www.scp-wiki.net/scp-3096
ja.scp-wiki.net/scp-3096
翻訳者 C-Dives
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