反ミームとループのミステリー SCP-4107 – 死者 紹介&考察

SCP紹介&内容整理
この記事は約28分で読めます。

SCP-4000の作者、PeppersGhost氏による謎に満ちた作品、SCP-4107 – 死者を紹介・考察します。

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SCP-4107とは

SCP-4107とは、ある1人のアメリカ人女性と見られる死体の集合。オブジェクトクラスはEuclid。

SCP-4107実例は20世紀初頭からアメリカ合衆国本土の各地で断続的に発見されており、全てが同一の創傷、遺伝構造、死亡時の年齢を共有している。法医学調査が成功した場合は、死亡時の状況も同一であることが判明する。2019年1月現在、311体のSCP-4107実例が確証されている。

同一女性の死体が繰り返し出現するという異常現象が起きているようです。死体の状況はほぼ同じであると判明しています。

現在までのところ、研究者たちは最初の死がいつ発生したのか、あるいは起源となる事象がそもそも発生したか否かを確認できていない。SCP-4107の既知の最古の記録は1902年のアラバマ州検視官による報告であり、犠牲者はジェーン・ドゥ(身元不明女性)として扱われている。

死体の起源は不明で、1902年に初めて発見されています。

SCP-4107に関連する事件で殺人容疑者が発見されたことは一度もない。どの死亡事件についても信頼できる目撃者の証言が無く、死亡する以前のどの時点であれ犠牲者を目撃した人物は存在しない。SCP-4107の身元は不明。

容疑者や目撃者はおらず、生前の犠牲者の目撃情報すらない模様です。

SCP-4107は以下のような傷を負っている。

  • 左前腕の内側に沿って鋸歯状の刃物で行われた切開創傷。創傷は長さ8.9 cmで、尺骨と並行しており、深さは尺骨そのものに達している。露出した骨の表面に引っかき傷が見える。引っかき傷は切開に用いられた刃物と一致せず、人間の指爪によるものだと考えられる。
  • 全ての自然な歯は強引に除去されているが、数ヶ所の歯根がまだ顎に残っており、恐らく抜歯中に折れたものと思われる。周囲の歯肉は下顎・上顎から鋸歯状の刃物の縁で削り落とされている。
  • 脱落歯および歯の欠片の緩やかな集合体が、口と食道の中に発見される。歯はSCP-4107と遺伝的に一致しており、幼少期の犠牲者に生えていたと見做しても妥当な、一貫した年齢のものである。
  • 2本の平行な切開創傷が各手指・足指の爪の根元に存在する。角皮は切開創傷に沿って引き剥がされ、爪は根元から引き抜かれている。
  • 頭髪の大部分は背中の上部に縫い止められており、首と頭部が後ろに沿った姿勢で固定されている。縫い方に識別可能なパターンは見られない。

かなり凄惨な現場です。自分で行うことが不可能な傷がいくつか見られますね。第三者の関与が疑われますが、容疑者の情報はないというミステリアスな状況です。不可解なのは口と食道の中に幼少期の犠牲者に生えていたとみなせる歯が見つかっていることです。

ここの記述にある”一貫した年齢”の意味がわかりにくいですが、原文だとconsistent(首尾一貫した、矛盾のない)となっているので、歯の年齢が幼少期の犠牲者に生えていたと見なせるものだったという意味のようです。

全ての傷は生存中に負わされたと考えられ、死因は失血と断定されている。全ての事例で、大部分の傷を負わされてから死亡するまでの間に、犠牲者が服を着替えたことを示す証拠があり、足跡や食べかけの食事など、死亡する前の犠牲者の行動の痕跡も時折近くから発見される。

全ての傷は生存中に負わされたと恐ろしいことが書かれています。死因は失血死とありますが、どういうわけか傷を負わされてから服を着替えています。不可能とは言えませんが、およそ常人に出来るとは考えられない行動です。これで、SCP-4107の説明はほぼ終わりですが、最後に意味ありげな記述がでてきます。

SCP-4107には、ある特定の行動と関連付けて説明できないという副次的な異常性がある。この効果は意思疎通媒体、SCP-4107の説明に用いられた専門語、言外の含意とサブテキストを通した迂回の試みに関係なく持続する。この結果として、問題の行動の具体的性質はSCP-4107文書と概念的に両立せず、このファイルをはじめ、他のどのような記録上においても明示できない。

SCP-4107割当の職員は、上記の文章に欠けている特定の情報を基に、前述の行動を類推することを推奨されている。

SCP-4107には、”ある特定の行動”と関連付けて説明できないという副次的な異常性があり、意思疎通媒体、SCP-4107の説明に用いられた専門語、言外の含意とサブテキストを通した迂回の試みに関係なく持続するそうです。

ぱっと見だと理解しにくいですが、上記の文章を文字通り解釈すれば、SCP-4107の副次的な異常性とは、SCP-4107に関する“ある特定の行動”が、どんな手段であれ、説明できないということになります。

意思疎通に用いられるあらゆる媒体による説明はできないと書かれています。文章やイラスト、会話などでは伝達できないのでしょう。それ以外の直接記述しないで伝達する方法としては、専門語や婉曲や比喩による説明や、別の文書を参照する形式によって説明するというような手段が考えられますが、それでも“ある特定の行動”に関する情報を明示することができないようです。

つまりSCP-4107は財団お馴染みの情報の伝達や認識が阻害される異常性、反ミーム性を帯びていると言えます。

そのためにSCP-4107割当の職員は、上記の文章に欠けている特定の情報を基に、前述の行動を類推することを推奨されています。否定による説明のみが可能なオブジェクトSCP-055のように何らかの方法で類推する必要がある訳です。

“ある特定の行動”とは一体何なのでしょうか?

“ある特定の行動”とは何か?

“ある特定の行動”を考える前に、何かヒントがないか探してみます。まずは記事に付けられたメタタグを確認してみます。SCP-4107のメタタグはこのようになっています。

メタ ループ euclid scp 人間型 反ミーム 死体

euclid scp 人間型 死体というメタタグはオブジェクトそのものを表しているので問題ないでしょう。反ミームは、”ある特定の行動”を明示できない性質を表し、メタはその影響が読者の読んでいるSCP報告書に及んでいることを示していると思われます。ここまでは分かり易いですが、問題は最後に残ったループのタグです。

ループタグが付けられるということは同じ現象が繰り返し起きていることになります。SCP-4107は何らかの現象がループしており、その結果として死体が繰り返し発見されると考えられます。

うーん……、まだよく分かりません……。仕方がないので本家のディスカッションを見てみましょう。

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本家のディスカッション

とりあえず、関係ありそうなコメントを見ていきます。

まずは作者であるPeppersGhost氏のコメントのうち、関係のありそうな部分を見てみます。翻訳は青字です。

Did a large procession wave their torches
As my head fell in the basket
And was everybody dancing on the casket?

大行列は自らの松明を揺らしたのか
私の首がかごの中に落ちたその時
そして皆は棺桶の上で踊っていたのか?

I do have a concrete explanation in mind, but I think the piece works best if you come to your own conclusions.

私の頭の中には、明確な解説が確かにありますが、ピースは自分自身の結論に達するのに非常に役立つと思います。

Adapted from a self-deleted JamCon skip by OthellotheCatOthellotheCat.
Part of Draft Swap, where authors exchange unfinished drafts and breathe new life into them.

OthellotheCatOthellotheCatが自主削除したジャムコンスキップを翻案しました。
著者達が未完成の下書きを交換して、新しい命を吹き込む「下書き交換」の一環です。

上の3行は洋楽の歌詞でした。この文章はYouTubeのミュージックビデオへのリンクとなっています。洋楽のタイトルは『Dead』。死体というタイトルです。歌っているのはSteve Burnsという方のようですが、これはカバー曲で元の曲はThey Might Be Giantsが歌っているそうです。

死をイメージさせる歌詞になっていますが歌詞の意味はこれだけだとよく分かりませんね……。

他のコメントを見てみます。

Thanks to everyone who has expressed interest in the mystery here! It wasn’t originally intended to be a puzzlebox, but folks seem to have gotten really invested in trying to figure out what backstory I had in mind, so it seems only right to offer at least a little closure. Since the article’s been out for more than a month, now seems like a good time for an update.

この謎に興味を示した皆さん、ありがとう!これは元々は秘密箱にするつもりではなかったのですが、皆さんは本当に、私の頭の中のバックストーリーが何か理解しようとすることに費やしているようなので、少なくとも多少は結論を提供することが正しいようですね。記事が出てから1月以上過ぎたので、今は更新するには良い時期のように思えます。

Before I get into the details, I’ll reiterate that the point of the article has always been the mystery itself, not the solution that may be behind it, so I can’t promise you’ll be satisfied if you’re after concrete answers.

詳細に入る前に、この記事の要点は常に謎そのものであり、その背後にあるかも知れない答えではないことを繰り返しておきます。従って、具体的な答えの後、満足できるでしょうとお約束することはできません。

Spoilers(?)

ネタバレ(?)

At least one of the theories posted on this thread has correctly guessed the general explanation I had in mind. I don’t think anyone’s given an all-inclusive answer that accounts for all the little details (such as the injuries), but honestly those details are even more obtuse and a lot less important than the question of whodunnit.

このスレッドに書かれた仮説の少なくとも1つは、私が考えていた解釈の概要を正しく推測しています。すべての細かい部分(あの傷のような)すべてを説明する包括的な答えかが与えられたとは思いませんが、正直に言ってこれらの詳細はもっと鋭いわけではなく、フーダニットの疑問よりあまり重要ではありません。

There’s another layer to this article, too. In the original draft, the corpse was an infohazard which made people come up with numerous different wild backstories for how the woman died. For my version, I wanted to achieve a similar effect in real life, creating a compulsion effect that exists both in and out of universe without ever mentioning it directly. It’s fun to know I’ve succeeded to a degree!

この記事には別のレイヤーもあります。当初の草案では、遺体は女性がどのようにして死んだかについての多くの異なるでたらめなバックストーリーを人々に思いつかせる情報災害でした。私のバージョンでは、現実世界でも同じような効果を実現したいと思い、作中世界の中と外、両方に存在する強制的な効果を直接言及することもなく作りました。かなり成功したと知るのは楽しいですね!

Not necessarily hints, but some stray thoughts:

ヒントであるとは必ずしも言えませんが、いくつかの迷える考えを。

  • The body was mutilated, so one would normally expect the photograph to show it lying in a pool of blood.
  • There is at least one tag that I chose not to list in order to keep the mystery open-ended.
  • The end of the article mentions one specific action, but there’s more than one way to look at it.
  • The aforementioned compulsion effect is mostly an easter egg and isn’t necessarily tied into the mystery.
  • 死体は切断されていたので、通常なら写真は死体が血の海に横たわっているように見えると思うでしょう。
  • 答を限定されない謎とするためにリストに選ばなかったタグが少なくとも1つはあります。
  • 記事の最後では、ある特定の行動について触れていますが、それを考える方法は複数あります。
  • 前述の強制的な効果はほとんどイースターエッグであり、必ずしもその謎に結びついているわけではありません。

どうやら他の方のコメントにかなり近い答えがあったようですね。作者によると傷の解釈よりもフーダニット、誰がやったか?ということがこの作品では重要になるようです。フーダニットとはWho done it?の略で、誰がやったか?という謎を解き明かすことに主眼を置く推理小説を指す言葉です。

また、強制的な効果はその謎と結びついてはいないそうです。イースターエッグとはソフトウェアに付属する隠し要素を指す言葉です。

イースターエッグとは – IT用語辞典 e-Words

この死体は誰に殺害されたのでしょうか?

とりあえず、他の方の解釈を読んでみます。

TheMightyMcB氏の解釈

I have no fucking clue what we can’t talk about. Gimme time to think on it.

話すことができない手がかりなんてマジで持ってないぞ。考える時間をくれ。

Theory 1: There was only one murder, and the bodies keep appearing.

仮説 1: 殺人はただ一度だけで、死体が出現し続けている。

Theory 2: The murders happen to different people and something changes the bodies into the same person postmortem (maybe has something to do with the baby teeth)

仮説 2: 殺人は別の人々に起き、何かが死体を同じ人物の死亡後に変化させる(おそらく乳歯と何か関係がある)。

仮説が二つ提示されました。これだけではまだよくわかりませんね。次の方の解釈を見てみます。

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SnarkElemental氏の解釈

I’ve got some ideas. The article has the ‘loop’ tag, so it’s probably a single killing that perpetuates itself, not a phenomenon that occurs for multiple people in isolated instances. The concept that it can’t be associated with is suicide, which was fairly easy to pick up on after reading the old draft. It also fits with the loop. She’s able to repeatedly kill herself, but some instance of her remains, which will later be killed by the next instance, etc. I assume that’s because two of her are there at any given time, one younger and one older.

いくつか思いついたことがある。この記事にはループのタグがある。従ってこれは恐らくそれ自体が存続するひとつの殺人であり、孤立した事例で多数の人々に発生する現象ではない。基本的な考えは自殺と関連付けられないというもので、以前の草稿を読んだあとなら、かなり簡単に気づく。これはまた、ループにも合致している。彼女は繰り返し自殺可能だが、いくつかの実例は残り、次の実例やその他によって後に殺されるだろう。所定の時刻に2人の彼女、一人はいくらか若く、もうひとりはいくらか年を重ねているものがいたためだと私は推測する。

The other thing I noticed but couldn’t interpret about the article itself is that her injuries relate to each other. She’s been cut to the bone and scratched internally by fingernails, and her fingernails have been ripped out. She has fragmented child’s teeth in her throat, and messily removed adult teeth in her mouth. I don’t know what the hair means. I also think that the fact she’s named ‘Jane Doe’ is relevant to whatever happened. She’s not an interesting or accomplished person.

記事自体についてもう1つ気づいたものの、理解できなかったのは、彼女のケガがお互いに関係していることだ。彼女は骨を切られ、手の爪で内部を引っ掻かれ、手の爪がちぎられた。彼女は喉の中の子供の歯をばらばらにして、口内の永久歯を乱雑に取り除いていた。髪が何を意味するかはわからない。また、彼女が「ジェーン・ドウ 」という名が付けられたという事実は、一体何が起こったかに関係していると思う。彼女は注意する人物もしくは疑いのない人物ではない。

As for the song ‘Dead’, I prefer the original They Might Be Giants version over the cover PeppersGhost linked. But aside from that, here are the lines from that song which may be relevant. I feel like there’s something obvious I’m missing, like I’m so close.

“死体”に関しては、PeppersGhostがリンクしたカバーよりもオリジナルのThey Might Be Giantsバージョンの方が好みだ。しかしそれとは別に、関係のありそうなこの曲からの情報がある。明らかに見落としている何かがある気がするし、かなり近づいているようだ。

“Did a large procession wave their torches as my head fell in the basket, and was everybody dancing on the casket?”
How many instances of her are there at once? Many corpses have been discovered, but when she dies is there a ‘large procession’?

“大行列は自らの松明を揺らしたのか、私の首がかごの中に落ちたその時、そして皆は棺桶の上で踊っていたのか?”
何体彼女の実例が同時に存在するのか?多くの死体が発見されたが、彼女が死ぬとき”大行列”が存在するのか?

“Now it’s over, I’m dead and I haven’t done anything that I want, or I’m still alive and there’s nothing I want to do.”
This is where the title of the song, and the article, is mentioned. I think in this case, it’s not or, but and.

“今や、すべては終わり、私は死んでやりたいことは何もできなかった、それとも私はまだ生きていて、したいことなど何もない”
これが曲のタイトルの部分で、この記事で言及されていた。この場合、もしくは(or)、ではなく、かつ(and)だと思う。

“I returned a bag of groceries accidentally taken off the shelf before the expiration date. I came back as a bag of groceries accidentally taken off the shelf before the date stamped on myself.”
Taken in the context of the article, this could definitely be a hint towards the nature of the loop.

“消費期限前の棚から間違えて取った食料品の袋を返した。私は自分の日付が刻印される前の棚から間違えて取った食料品の袋として戻ってきた。”
記事の文脈から考えると、これは確実にループの性質へのヒントとなり得るだろう。

Lastly, I’ll just leave this speculation about the song here.
最後にこの曲の考察を残しておく。

この方はループのタグから、SCP-4107はそれ自体が存続するひとつの殺人であり、孤立した事例で多数の人々に発生する現象ではない。と推測しています。ここまでは先ほどの、”SCP-4107は何らかの現象がループしており、その結果として死体が繰り返し発見される”という考えと同様です。そして、以前の草稿から”ある特定の行動”とは自殺のことだと推測しています。曲の歌詞からも考察していますが、元の曲も難解なため、あまり具体的な内容はないですね……。次の方の解釈を見てみます。

Generic_Viking氏の解釈

I don’t know what’s going on, but I am very disturbed by it.
何が起きているか分からないが、これにはとても困惑している。

Theories
仮説

I don’t think it’s suicide, because some of the wounds can’t reasonably be self-inflicted, such as the hair being sewn to the back. My mind immediately jumps to violent torture, that may include rape. Removing teeth and nails would prevent her from fighting back, even a little. I think the nature of Jane Doe’s death was so violent that her body keeps reappearing in an effort to force someone, anyone, to solve the mystery and avenge her. Sort of like how a ghost can’t leave until it completes its earthly business.
これは自殺ではないと思う。なぜならば、傷の中には、背中に縫われている髪のように、常識的には自傷できないものがあるからだ。私の心はすぐに強姦を含む可能性もある暴力的な拷問に飛び移る。歯や爪を除去することは、多少なりとも彼女を反撃できなくさせるだろう。ジェーン・ドウの死の性質はあまりにも暴力的であったので、彼女の死体は、誰かに、または、皆に、謎を解かせ、彼女の敵討ちを強制させようとするために、繰り返し再出現し続けていると思う。幽霊がこの世の仕事を終えるまで、死ねないような類いのものだ。

この方は彼女の死は自殺ではないと推測しています。つまり他殺だという意見です。自分の髪を背中に縫いつけることは自力ではできません。また、歯や爪の除去は抵抗させないために行われたのではないかと考えています。最後に死体が出現する理由は”謎を解かせ、彼女の敵討ちを強制させようとするため”だと推測しています。

ついに納得できそうな解釈が出てきました。となると、死体の傷は最初の殺人事件で生じたものということになります。なんとなく形が見えそうですが、なぜ”ある特定の行動”を言及することができないのかはまだよく分かりません。

次の方の解釈を見てみます。

Abettik氏の解釈

This was my first thought as well.
同じくこれは私の最初の考えだ。

+ Thoughts
考え

If the aforementioned action is suicide, then perhaps one of the victims final acts was an antimemetic echo against the concept of suicide. She broadcast the idea, “I didn’t kill myself, someone did this to me! Find them!!” so powerfully that her crime scene keeps showing up over and over again, and also no one is allowed to even infer that it might have been suicide.
上記の行為が自殺であるならば、被害者たちの最後の行為の一つは、自殺という概念に対する反ミーム的な残響であった可能性がある。彼女は「私は自殺したのではなく、誰かが私を殺したのです!見つけて‼」という考えを非常に強力にばらまいたために、彼女の犯罪現場は再三再四、現れ続け、また、それが自殺であったかもしれないと推測することさえ、誰にも許さない。

One more random thought:
思い付いたことをいくつか。

A loose collection of deciduous teeth and teeth fragments can be found inside the mouth and esophagus. The teeth are a genetic match for SCP-4107, and are of a consistent age to have plausibly belonged to the victim during their childhood.
脱落歯および歯の欠片の緩やかな集合体が、口と食道の中に発見される。歯はSCP-4107と遺伝的に一致しており、幼少期の犠牲者に生えていたと見做しても妥当な、一貫した年齢のものである。

Why did the attacker try and put her baby teeth back in her mouth? Where did her attacker even GET her baby teeth? My mother has kept some of my baby teeth in her drawer, so in my mind, the only person who would have access to someone else’s baby teeth would be that person’s parents. That tells me that this wasn’t sexual or a jilted lover or a random act of violence, this was the action of a parent against their child.
なぜ、加害者は乳歯を彼女の口に戻そうとしたのか?どこで加害者は彼女の乳歯を手に入れたのか?私の母は乳歯をずっと引き出しに入れているので、私の頭の中では誰かの乳歯を入手できる唯一の人物は、その人の両親になるだろう。つまり、これは性的なものでも、捨てられた愛人でも、でたらめな暴力行為でもなく、子どもに対する親の行為だったということだ。

“ある特定の行動”を言及することができなくなる理由を説明できる解釈がついに出てきました。確かに自らの死が自殺によるものだというふうに捉えられたくないのであれば、その発想自体を考えられなくさせれば良いのです。

先ほどの解釈と併せると、次のようになります。

あるとき何者かによって酷い傷を負わされ、無残に殺害された女性が謎を解明してほしいがために、死後も自らの死体を何度も出現させている。“ある特定の行動”とは自殺のことで、女性が自らの死を自殺だと判断されたくないと望んだ結果、死体を自殺と関連付けられないという反ミームが生じていた。

ということです。なるほど、これなら筋が通りそうです。TheMightyMcB氏の解釈にあった仮説 1: 殺人はただ一度だけで、死体が出現し続けている。を発展させた解釈です。確かに自殺に関しては言及されていません。

また、この仮説では、死体の出現という異常性は女性の傷とは直接関係していません。女性の傷は最初の殺人事件の時に生じたものであり、死体が繰り返し出現するというループはその後に起きたことです。これは傷の解釈はフーダニットより重要ではないという作者のコメントとも一致するように思えます。誰がこの異常を引き起こしたかというフーダニットが、異常の解明に繫がっていたのです。

言い換えれば、傷は起源となる殺人事件の謎を解く手がかりで、異常解明の手がかりではないということになります。

有力な説がでてきました。他の方の解釈はまだありますが、この説が1番説得力があったのでこの説を中心に改めて考えてみます。

ディスカッションにはSnarkElemental氏の解釈のように女性や他の誰かが繰り返し殺害しているとする説があります。しかし何度も殺人があるなら容疑者や現場の目撃情報があってもおかしくないですが、その情報はないので考えにくいように思われます。

また、他に”ある特定の行動”は殺人ではないかという意見もありましたが、説明には、”殺人容疑者が発見されたことは一度もありません。”と触れられているため、これは違うのではないかと思われます。

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仮説の検証

報告書の説明部分に戻ります。死体について、以下のことが判明していました。1つ1つ検証してみます。

  1. 20世紀初頭からアメリカ合衆国本土の各地で断続的に発見されており、全てが同一の創傷、遺伝構造、死亡時の年齢を共有している。
  2. SCP-4107実例は法医学調査が成功した場合は、死亡時の状況も同一であることが判明する。2019年1月現在、311体のSCP-4107実例が確証されている。
  3. 現在までのところ、研究者たちは最初の死がいつ発生したのか、あるいは起源となる事象がそもそも発生したか否かを確認できていない。SCP-4107の既知の最古の記録は1902年のアラバマ州検視官による報告であり、犠牲者はジェーン・ドゥ(身元不明女性)として扱われている。
  4. SCP-4107に関連する事件で殺人容疑者が発見されたことは一度もない。どの死亡事件についても信頼できる目撃者の証言が無く、死亡する以前のどの時点であれ犠牲者を目撃した人物は存在しない。SCP-4107の身元は不明。

1と2については、死体の女性が殺害された時の姿で出現しているなら、死体は同一人物で死亡時の状況も同じになります。法医学調査が成功した場合とあるのは、死体が現れた場所によっては動物に食べられたり、発見されずに腐敗したりして、法医学調査ができない場合があるために、このただし書きがあると思われます。

3については、起源となった殺人事件が1902年の最初の発見以前に起き、さらに殺人事件として捜査されなかったのであれば説明と矛盾しません。4は死体だけが出現するので当然ながら容疑者・目撃者は存在しません。起源となった殺人事件の段階では容疑者・目撃者がいたかも知れませんが、公式な記録がないので確かめられることはありません。

死体が出現し続けるという現象についてですが、作者のコメントには”答を限定されない謎とするためにリストに選ばなかったタグが少なくとも1つはあります。“というものがありました。この選ばれなかったタグとは何でしょうか?死体が出現し続けるという現象を表すタグがないか、タグリスト – SCP財団を調べたところひとつだけ、近いものがありました。それは自己複製です。このタグは自身を複製するオブジェクトに対して付けられます。確かにこのタグがあると謎の答えとなってしまいます。

また、他にもコメントには“死体は切断されていたので、通常なら写真は死体が血の海に横たわっているように見えると思うでしょう。”というものがありました。これは死体が血の海に横たわっていないのはなぜか?という、謎を解明するためのヒントだと思われます。

その理由は死体は死後の姿を複製しているために、死ぬ前に流れ出た大量の血液までは複製されないからではないでしょうか?死体は服を着替えた形跡があると言うことなので、流れ出た血液は服と共にその場から除去されていたのだと思われます。その後に女性は死亡し、その時の死体が周りの状況を含め出現するのではないでしょうか?足跡や食べかけの食事などは時々発見されているので、死体の周りのものも複製されていると考えられます。

傷については後回しにします。繰り返しになりますが、最後に書かれていた”ある特定の行動”については自殺だと判断されたくないので、自殺と関連付けられないという反ミームが生じていたということだと思われます。

死体の傷

上記の仮説では、死体の傷は最初の殺人事件に関わっていると考えられます。作者のコメントでは、いろいろと解釈される話を作ろうとしたと書いてあり、あまり重要ではないとあるので、もしかすると最初の殺人事件についての明確な答えはないのかも知れませんが、一応考えてみます。

乳歯を誰がどこで入手したかはAbettik氏の女性の親によるものという解釈が比較的無理のない解釈のように思われます。骨の傷・爪の除去・口内の歯・髪の縫い付けが相互に関連しているようには見えないため、何かの儀式や妄想にとりつかれて親が引き起こした殺人だったのではないかと思われます。

ディスカッションで引用された“大掛かりな行列は自らの松明を揺らしたのか、私の首がかごの中に落ちたその時、そして皆は棺桶の上で踊っていたのか?”という歌詞は、元の曲が死体というタイトルであり、またいろいろ解釈可能な曲であることから引用されたのだと思われます。

“大掛かりな行列”は女性の一連の死体達で、“私の首がかごの中に落ちた”は殺人を表し、”皆は棺桶の上で踊っていたのか?”は一体何が起きているのか?ということを表しているように見えます。

謎が解明されるまで死体は増えていくのでしょう。

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おわりに

SCP-4107 – 死者でした。なかなか何が起きているかが判然としないながらも、興味を引きつける作品でした。今回は翻訳が多かったため、もし訳に間違いがあればコメントをお願いします。

最初の殺人事件の謎は解明できませんでしたが、最後までお読み頂きありがとうございました!

 

SCP-4107 – Dead
原著者 PeppersGhost
作成年:2019
SCP-4107 – 死者
作成年:2019

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