SCP-5000 – どうして?内容整理と考察

SCP紹介&内容整理
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2020年2月8日にTanhony氏による作品、SCP-5000– どうして?がSCP-5000コンテストの最優秀作品に選ばれました。記念すべきSCP-5000スロットを賭けたSCP-5000コンテストのテーマはミステリーでしたが、テーマ通りの謎に満ちた作品がSCP-5000となりました。

今回はこのSCP-5000の内容整理と考察をしてみます。非常に長いため内容は大丈夫という方は考察からご覧下さい。

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SCP-5000とは

概要

SCP-5000は機能性の無いパワードスーツ。オブジェクトクラスはSafe。内部回路図ではSCP財団が設計した“絶対的除外ハーネス”とされている。SCP-5000はかつては装着者を保護し、有益な影響を及ぼすための異常な機能を多数搭載していたと考えられているが、過去に損傷した結果、現在では基本的なファイル保存のみが可能となっている。回収当時のSCP-5000に収められていた記録については、アーカイブ5000-1を参照。

SCP-5000は機能を失ったパワードスーツでした。1000番台のSCPは、ビッグフット機械仕掛けの神大ウツボ標準空間の外側に位置する森ときて、今回は一体どんなSCPオブジェクトが登場するのかと思っていましたが、SCP-5000は今までと比べると平凡なオブジェクトでした。

パワードスーツとは、SF小説や映画に登場する、人体に装着される衣服型の装置で、装着者の運動能力を大幅に強化したり、装着者を衝撃から守る等の機能を有することが一般的です。しかしこのSCP-5000は過去の損傷によりその機能を失っており、現在は基本的なファイル保存ができるのみのようです。また、SCP-5000には記録されたファイルが収められていました。

この記録の内容を読んでいくことがSCP-5000の主な話の流れになります。では、次にこのSCPの特別収容プロトコルを見てみます。

特別収容プロトコル: SCP-5000は起動していない状態でサイト-22の標準的な保管ロッカーに収容されます。SCP-5000から回収された全てのファイルと情報は安全なサーバーに保存され、アーカイブ部門の要請に応じてバックアップが閲覧可能になります。

現在はロッカーに収容され、記録はサーバーに保存されている模様です。次は入手経緯を見てみます。

SCP-5000は2020/04/12、サイト-62CにあるSCP-579の収容チャンバーに閃光を伴って出現し、内部には財団職員ピエトロ・ウィルソンと遺伝的に一致する死体が入っていた。死因は高所からの転落に続く地面との衝突によるものと思われる鈍的外傷と断定された。

ピエトロ・ウィルソンは現在除外サイト-06(現実の変化やその他の時間的再構築事象の後も情報を保持し続けるために設計された一連の施設の1つ。)に勤務しており、記憶補強セラピーによって、SCP-5000の知識やそのアーカイブで詳述されている出来事の記憶を持っていないと証明されている。

SCP-5000はサイト-62CにあるSCP-579の収容チャンバーに現れたとあります。その内部からは財団職員ピエトロ・ウィルソンと遺伝的に一致する死体が発見されています。しかし奇妙なことに、このピエトロ・ウィルソンという財団職員は現在、除外サイト-062に勤務しており、さらに、SCP-5000の知識やそのアーカイブで詳述されている出来事の記憶を持っていないと証明されています。

これは一体どういうことでしょうか……。

SCP-579とは、[データ削除済]というメタタイトルのSCPですが、このSCPはタイトル通り、報告書の説明自体が[データ削除済]で詳しいことは何も分からないKeterクラスのオブジェクトです。

報告書によれば、SCP-579は度重なる収容失敗とサイト消失の果てにようやく収容できたと見られるオブジェクトです。SCP-579について報告書を読んでも分かることは少なく、サイト-62Cに電磁石により活動を永久に停止させられた状態で収容されており、異常発生時の行動としてアクション10-Israfil-A及びBが定められていることぐらいしか分かりません。

SCP-579は対象への言及や記述により異常が発生する情報災害のメタタグが付けられており一説によると自身についての情報が一定以上蓄積された対象を消失させるという異常性を持っているとされ、サイト消失もそれに伴い発生したと考えられています。

除外サイト-06は「SCP-3936 – 職務に忠実であれ」に登場するThaumielの施設で、SCP-3936の報告書によると潜在的CK-クラス:世界再構築シナリオの影響から効果的に免れることのできる財団サイトと説明されています。

世界再構築シナリオとは、過去の歴史や物理法則が変化することにより、今あるこの世界が異なる世界へと変化するK-クラスシナリオです。

ただし、SCP-3936の報告書内に登場するのは除外サイト-01で、現在は稼働していないと報告書に書かれていいるため、除外サイト-06はSCP-3936に登場する除外サイト-01とは別の、おそらくは新たに作られた除外サイトのようです。

SCP-5000の特別収容プロトコルと説明は以上です。それではSCP-5000に残されていた、除外サイト-06に務める財団職員ピエトロ・ウィルソンの記録を読んでいきます。

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内容整理

SCP-5000には日誌エントリーが含まれていました。

日誌エントリー1~4をまとめると次のようになります

2020/01/02、ピエトロ・ウィルソンの勤める除外サイト-06に適切な身分証明等を携えた機動部隊ゼータ-19(“ロンリー・オンリー”)だと称する一団が訪れ、食堂に集めた全職員を次々と射殺し始めたため、彼は除外ハーネスのある場所まで逃げ、これを装着して身を隠して生き延びた。

除外ハーネスには見えるという事実を周りが認識できなくなる知覚フィルターが備えられており、この機能でピエトロは難を逃れた。

機動部隊は何も奪うことなく、ただ職員を殺害していった。それは全員の頭部に余分に1発ずつ撃ち込むほどの念の入れようだった。

ピエトロは砂漠を何時間も歩き、避難場所となるセーフハウスにたどり着き、そのシステムをオンラインにしようとする。除外ハーネスには装着者の身体機能を維持する機能もあった。

ここまでが日記の最初の部分ですが、その内容は機動部隊が財団職員を殺害するという通常では考えられない異常なものでした。ピエトロが装着した除外ハーネスがSCP-5000であるようです。

それでは、続きを見てみます。次はオンラインになったシステムを通じて手に入れたファイルの内容のようです。

ダウンロードされたファイル 0001-1

以下はO5評議会の総意によって作成されたメッセージです。

現時点で私たちの存在を知らない方々へ: 私たちはSCP財団という組織を代表しています。私たちのかつての使命は、異常な事物、実体、その他様々な現象の収容と研究を中心に展開されていました。この使命は過去100年以上にわたって私たちの組織の焦点でした。

やむを得ない事情により、この方針は変更されました。私たちの新たな使命は人類の根絶です。

今後の意思疎通は行われません。

O5評議会による衝撃的なメッセージです。人類の正常性を維持する組織であり、公には知られてはならないはずの財団が、自らの存在を明かし、あろうことか人類の根絶を目指すとはっきり宣言しています。いったいどうして財団はこんなことを宣言したのでしょうか?

編纂ファイル 0001-1

このメッセージを受け、ピエトロが編集したのがこちらの編纂ファイル 0001-1のようです。

ファイルによると、財団は全世界への発表を終えた直後に、人類への攻撃を開始したとあります。その手段は収容しているアノマリーを利用したものでした。解放への対応は、可能な限り迅速に行われたが、それでも被害が発生しているようです。

ピエトロは財団ネットワークにアクセスしてニュースを追うことで事態をある程度把握できるため、その様子を全て書き残そうと考えたようです。

以下がその様子です。それぞれ青字で説明します。

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-096

SCP-096の顔の画像がソーシャルメディアネットワークに流布された。画像が削除される前に、死傷者は既に数百人に及んでいた。私が知る限り、この事件はまだ続いている。

こちらは顔を見た人物を必ず殺害する人型オブジェクト、SCP-096 – シャイガイです。写真や映像で顔を見たものも殺害するため、SNSに流布された画像により死傷者が出ています。

SCP-169

一連の核爆弾がSCP-169の背中の内側と上で爆破され、奴は眠ったまま若干身じろぎした。その結果、地震と津波が発生し、世界各地で相当数の沿岸集落が壊滅している。

SCP-169 – リヴァイアサンは南太平洋で眠りについていると考えられてい体長2,000kmから8,000kmと推定されている巨大生物ですが、核爆弾で刺激され地震と津波を発生させたようです。

SCP-662

24時間の間に、“デーズ氏”と一致する外見の人物が数ヶ国の首脳の近くに出現し、その場ですぐ入手できる任意の道具を使って暗殺し、速やかに姿を消した。何故この攻撃が1日目だけで終わったかは分からない。

SCP-662 – 執事のハンドベルは、命じたことを遂行するデーズと名乗る執事を呼び出すことができる小さな銀製のハンドベルです。デーズ氏は元の報告書では、Dクラス職員を暗殺しています。

SCP-610

SCP-610のサンプルが、財団の潜入エージェントによってニューヨークやデリーを始めとする数多くの大都市で散布された。対象地域の全ての市民は、そして財団エージェント自身も、SCP-610に速やかに感染する。更なるSCP-610の拡散は、世界オカルト連合と壊れた神の教会の連携で食い止められている。

SCP-610 – にくにくしいものは要注意団体、サーキックカルトに関連するオブジェクトです。SCP-610に“感染”した有機体は肉体が大きく化し傷跡のような組織で体が覆われ、、感染を広げようと非感染者を襲います。

そんなものが数多くの大都市で散布されたとなると大きな被害が出たことでしょう。人間性を守り人類の生存を維持するために異常存在を破壊する要注意団体、世界オカルト連合とサーキックカルトと敵対している壊れた神の教会によりさらなる拡散は食い止められています。

SCP-682

解放。

説明不要なほど有名なSCP-682 – 不死身の爬虫類は、すべての生命に対し憎悪を示す、巨大な爬虫類のような生物です。極度に高い力、スピード、驚異的な再生力を持ち度々収容違反をして多大な人的被害をもたらす恐るべきSCPです。

通常の財団の姿からはとても考えられない、人類に対する凶行の数々が記録されていました。ピエトロも

何故こんな事が起きているのか理解できない。

と述べていますが、全く同感です。

ダウンロードされたファイル 0001-2

こちらは水を飲んでいる間にダウンロードできたニュース映像です。

<記録開始>

(レポーターのマリア・ヘンダーソンがGOC避難テントの中で話している。画面に流れているテロップによると、彼女はスウェーデンのトロサ郊外にいる。彼女の背後で、患者たちが全身防護服を着た医師たちから治療を受けている様子が見える。マリア自身は手術用マスクを着用し、僅かに引き上げてマイクに声が通るようにしている – 私に言わせてもらえば、あれではマスクを付けている意味が全く無い。)

マリア・ヘンダーソン: – 世界オカルト連合が既に宣言したように、まだ避難を終えていない住民の皆さんは、何であれ利用できる物資を使って屋内に立て籠もることを推奨します。

(患者を治療していた医師の1人が急に立ち上がり、ベッドの横に立っている兵士を見る。)

医師: 死亡者が発生! イレイザーを準備しろ!

(マリア・ヘンダーソンは素早くテントから、同様の施設が立ち並ぶ野原へと出る。大きな駆動音が背後のテントから聞こえ、数回の閃光が見える。濃い煙がテント上部の隙間から漏れ出す。)

マリア・ヘンダーソン: まだ、えー、汚染されている地域にいる皆さんは、周囲の人々を注意深く観察することを推奨します。もし友人や家族が、えー、いえ、失礼しました、友人や家族がはっきりと、えー、ミントのような香りを発し始めた場合は速やかに隔離 –

(映像途絶。私は後ほど、この瞬間に全世界のテレビ放送が停止したと知った。インターネットも。世界はたった数秒で盲目にされた。)

<記録終了>

ニュース映像はスウェーデンのトロサ郊外の避難テントからの取材映像でした。GOC、世界オカルト連合がアノマリーから市民を守ろうとしていることが分かります。世界オカルト連合は本来は表の世界には登場しない組織ですが、非常事態のため、公に姿を現しているようです。

患者たちが全身防護服を着た医師たちから治療を受けているとあるので、SCP-610感染者の治療かも知れませんが、SCP-610感染者は治療されず焼却されるため、どうもSCP-610ではないようです。

ミントのような香りは絶対に死体に接触させてはいけないスライム、SCP-447 – 緑のスライムの特徴であり、SCP-447を死体に接触させた結果、何らかの有害な異常性が発生して感染症と化した可能性もあります。

映像は途中で停止しますが、全世界のテレビ放送が停止しインターネットも使用不可となったようです。財団がこれを行った疑いが強いですね。

日誌エントリ 0001-5

この日誌エントリは以下のような内容でした。

除外ハーネスはもとより、セーフハウスの物資があればピエトロはおそらくここで何年も生きていける。しかし、外の世界で何が起きているか全く分からないままでは 耐えられないと語る。彼は子供の頃は病弱であり、シャーロック・ホームズやら何やらの探偵物語にのめり込み、いつも色々な物事を探り出したがっていた。

当時の彼は、鉢植えを荒らしていたのが野良猫だと調査したが、父にその猫が殺され良い結果には終わらなかった。それでも彼は除外ハーネスを頼りに事の真相を知るため、最も近場にあるマトモな財団施設サイト-19に向かうことにした。

記録ファイル 0001-1

こちらはシェルターを出た数日後、財団職員と遭遇し、奇妙な行動を目撃した時の記録です。

<記録開始>

(遠くの空き地に財団の兵士の一団が見える – 合計9人が一列に並んでいる。10人目の女性兵士は指揮官で、列の前を行ったり来たりしている。制服と記章は機動部隊イプシロン-6(“村のアホ”)と同じように見える。数秒後、指揮官は手を一度打ち合わせ、列に向かって踏み出す。)

指揮官: (列の最初の兵士に) これより検査を行う。

兵士#1: 無論です。

(指揮官はナイフを取り出し、兵士の肩を突き刺す。兵士は反応しない。)

指揮官: (ナイフを抜く) 傷を手当てしておけ。

(兵士は頷く。指揮官は同じように、並んだ兵士の肩を1人ずつ突き刺していくが、8人目になるまで反応は無い。8人目の兵士ははっきりと顔をしかめる。)

兵士#8: ぐあっ!

指揮官: (叫び声) 生存者を発見!

(指揮官と他全ての兵士が速やかに銃を向け、兵士#8を射殺する。彼は地面に倒れる。指揮官は9人目の兵士の下へ移動し、肩を突き刺す – 彼は目に見える反応を示さない。)

指揮官: よし、クリア。移動する。

(MTF イプシロン-6は荷物をまとめ、兵士#8の死体を放置したままエリアを去る。私は後ほど、死体から武器や基本的な医療用品を回収し、可能な限りで埋葬した。)

<記録終了>

ピエトロはさっぱり訳が分からないとコメント。またしても同感です。遭遇した機動部隊はどういうわけか仲間を傷つけます。刺されて無反応なのも変ですが、反応した者を殺害し、そのまま捨て去っていくのも意味が分かりません……。

記録ファイル 0001-2

こちらは 古いラジオから聞こえた奇妙な放送の記録です。

<記録開始>

(音声のみ、声は男性で、私と同じくらいの年齢だと思う。)

声: 七。五。私の声が聞こえるか? 君の瞼の間の穴の中に光り輝く穴がある。私は今までヴェルサイユに行ったことが無い。私は愛されたい。九。私は今君の後ろに立っている。五。私は私たち二人で、今君の後ろに立っている。女神が海中の都を食べる。九。床に穴があってその中で答えが待っている。七。見よ、君は孵化している。君は孵化している!

(メッセージがループする。)

<記録終了>

ピエトロがラジオを裏返し、修理できないほど破損しているのに気付くと、メッセージは止まった。ピエトロは私は正気だろうか?とコメント。

何でしょう?何かの暗号でしょうか……。

日誌エントリ 0001-6

ここも要約します。

サイト-19が乗り物があれば比較的近くにあるが、車やら何やらを運転するのは、自身は気付かれないにしても、車両はそうはいかないため危険であった。

森の中の行軍はハーネスの保護があっても、何かとバッタリ出くわした時に避けるのが難しく楽ではない。移動中、彼はどうしてサイト-19を目指しているのかと自問する。

何か達成する望みがあるか? 危険を逃れて可能な限り長く生き延びたければ、財団職員から距離を置くのが最適であって、毒蛇の巣に飛び込むなど馬鹿げていると。

それでも彼は答えを求めていた。その後でくたばることになるとしても。

徒歩での移動は決して楽ではないようですが、目的地に向かっています。記録には画像が添付され、キャプションには写真を記録可能なことに気付いた様子が書かれています。これもスーツの機能だったようです。

編纂ファイル 0001-2

こちらはそのまま引用します。ピエトロはサイト-19に到着しました。

サイト-19に到着。保安状況はボロボロで、殆どのアノマリーは暫く前に逃がされたため、侵入するのはかなり簡単だった。自分の仕事に向かう研究者たちを避けなければいけないので、まだ神経を使う。彼らは未だに同僚らしく会話し、どうすれば最大効率で人間を殺せるか議論している — まるでずっと同じ事をやってきたように。

しかし、彼らの目は… 何かが欠けているように思える。生気が無い。あの目を見ると、彼らを人間と考えることなどできない。生きているとさえ思えない。説明するのは難しいが、背筋がゾッと冷えた。

上級スタッフから盗んだ資格情報で財団データベースにアクセスし、宣戦布告直前に何があったかの大まかな時系列をまとめることができたようだ。何を意味するかは分からないが、これが始まりだと思う。

サイト-19に収容されていたアノマリーはほとんど解放されていました。保安状況が悪くピエトロは簡単に侵入できたようです。研究者たちは生気の無い目をしており、最大効率で人間を殺せるか議論しています。財団職員は皆通常とは異なる様子。

ピエトロは上級スタッフから盗んだ資格情報で財団データベースにアクセスして以下の記録を得ました。

日付出来事
2019/12/16O5が“PNEUMA”というプロジェクトを上級スタッフの特殊機密に指定する。どうやら、これはKALEIDOSCOPEと同じような大規模記憶処理プロジェクトで、専ら人間の集合的無意識、心理空間、何と呼ぼうと勝手だがそういう方面を重視していたようだ。その心理空間をマッピングするにあたり、何らかの重大な発見があったらしい – 編集済にされているせいで、それが何なのかは分からない。典型的だ。
2019/12/17O5評議会で投票が行われ、全会一致で可決される。倫理委員会も同意する。編集済にされてやがるせいで、何に関する投票かは分からない。
2019/12/19一連の指示(勿論、編集済の指示)が全ての上級スタッフとサイト管理官に送付される。自殺と辞職の波が財団全体に広がる — 辞職した職員にはチャールズ・ギアーズ管理官が含まれている。
2019/12/22多数のファイルが、それらの資料を部下のスタッフに配布すべしという指示と共に、まだ残っている上級スタッフとサイト管理官に送付される。ファイルには“心を固めよ”というメッセージが付随している。資料が配布されると、自殺と辞職は即座に停止する。
2019/12/25財団サイト内外の通信は完全に遮断。人間アノマリーや人間への共感性を示すアノマリーの殆どは、翌週を通して各サイトのスタッフに終了される。情報はチャールズ・ギアーズ博士に暗殺部隊が差し向けられたことを示唆しているが、成功したかどうかは記されていない。
2020/01/02機動部隊が全ての除外サイトに派遣され、全ての職員を処刑する。任務が完了した直後、財団は人類に宣戦布告する。

まとめると、“PNEUMA”(プネウマ)というプロジェクトで、人間の集合的無意識をマッピングしたところ何らかの重大な発見がなされ、その発見に基づきO5評議会で投票が行われたようです。それは、全会一致で可決され、倫理委員会も同意したようです。

その後何らかの指示が全ての上級スタッフとサイト管理官に送付され、自殺と辞職の波が財団全体に広がります。 辞職した職員にはチャールズ・ギアーズ管理官が含まれていました。

その後、“心を固めよ”というメッセージが付随している多数のファイルが、それらの資料を部下のスタッフに配布すべしという指示と共に、まだ残っている上級スタッフとサイト管理官に送付され、資料が配布されると、自殺と辞職は即座に停止します。

2019/12/25に財団サイト内外の通信は完全に遮断。人間アノマリーや人間への共感性を示すアノマリーの殆どは、翌週を通して各サイトのスタッフに終了され、チャールズ・ギアーズ博士に暗殺部隊が差し向けられますが、成功したかどうかは不明。

2020/01/02 機動部隊が全ての除外サイトに派遣され、全ての職員を処刑した直後、財団は人類に宣戦布告しました。

こうしてみると“心を固めよ”というメッセージが付随している多数のファイルが引き金となり、上級スタッフとサイト管理官、機動部隊の何かが変化して財団は人類に宣戦布告したようです。しかし、具体的なことは編集済で疑問は解消されません。

ピエトロはO5評議会は何かのミームエージェントを送って、全職員を自分たちの意思に従わせたのかと推測しますが、どうしてO5評議会が人類を殲滅したがるかは説明できず「分からない。ただ分からない。」と述べています。

同時にピエトロは上級権限で財団データベースにアクセスしたことで、財団が積極的に利用しているアノマリーについても更なる情報を得ました。ニュースが流れていない現在、財団自らの記録以外で堅実な情報を得るのは困難ですが、それらでさえいまだに隅々まで編集済になっており、ピエトロは苛立ちます。

ともかくピエトロは全部を表にまとめました。

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-1370

テレビ放送は一時的に復旧した。全てのチャンネルはSCP-1370のプロパガンダ演説で、自分が今後どういう風に世界を征服するかをとりとめもなく話し続けている。これはまぁそれほど悪い事じゃない。

SCP-1370 – 困らせルボット知性を有する者と戦おうとする自我を持った人工物ですが、何かを傷つけるような能力はなく至って無害です。魔王のような台詞で話すという特徴があります。財団は何をしたかったのでしょうか?

SCP-1048

財団がどうやって奴を捕獲したか分からないが、ヘリコプターからの映像は、1048が作ったクマの大群がパリの町を駆け抜ける姿を映している。映像が鮮明じゃないからはっきりとは言い切れない、しかし遠くでは巨大な赤いテディベアが高層ビルの隣を歩いているように見える。

SCP-1048 – ビルダー・ベアは一件無害に見える、非常に危険なテディベアで、物や人体を用いて自身に似た攻撃的な存在を作り出します。逃亡していましたが、財団はこれを捕獲してパリを襲わせたようです。

SCP-1290

SCP-1290-1とSCP-1290-2は本来の位置から動かされ、ガンジル(大西洋の中にある要塞都市。世界終焉シナリオが発生した場合、生存した人類を収容するように設計されている。)という安全なGOC施設に発射体を打ち込むための原始的な射出システムとして運用されている。ファイルから100%の確信は持てないが、1290は財団がガンジルに押し入るために使っている、率直に言ってえげつない数のアノマリーの1つに過ぎないらしい。ミサイルを発射すればそれで済む気もするが、もう財団は一人残らずイカレているので話は通じそうにない。

SCP-1290 – 未完成テレポーターはその名の通り長距離テレポーテーションが可能な電子装置でSCP-1290-1からSCP-1290-2へと物体を送りますが、地球軸に対して進行方向と速度を保持するため、SCP-1290-2から物体が高速で飛び出し非常に危険です。

SCP-1440

SCP-1440は機動部隊ニュー-22(“ロケットメン”)によってあちらこちらの難民キャンプに移送され、その異常な影響力で逃亡した人々のコミュニティを急速に荒廃させている。奇妙な話だが、ファイルに含まれるこれらの出来事の記述を見る限り、SCP-1440に割り当てられた財団職員は影響を全く受けていないように思える。

SCP-1440 – どこでもない地からの老人は、人間や人工物の付近に留まるとやがて破滅的な出来事が発生し人間や人工物を破壊する、民族・年齢ともに不明の男性です。機動部隊により難民キャンプに移送され周囲を荒廃させています。なぜかSCP-1440に割り当てられた財団職員は影響を受けてない模様です。

SCP-1678

財団は意図的にSCP-1678の収容を放棄し、職員を近隣から退去させた。他のアノマリーが引き起こした混乱でロンドンからの避難が不可能になると、英国オカルト部の役員は地下のSCP-1678へ避難するよう市民に指示した。裏ロンドンが収容最大人数に達すると、財団は前以て仕掛けた核爆弾を起爆した。

SCP-1678 – 裏ロンドンはロンドン市街の地下1kmの場所に存在するロンドン市街を反転させた実物大の建造物群です。内部では異常な実体群が活動していますが、そこに市民を誘導して核を使用しており、すさまじい被害が予想されます。

財団の攻撃はますます激しくなっています。

ピエトロはさらに情報を集めるつもりのようですが、なぜか次のファイルは[ファイル削除済]となっており、日誌エントリ 0001-7が記録されます。

日誌エントリ 0001-7

前回のエントリから約3ヶ月後、ピエトロは記憶が完全に欠けていた。彼は何度か荒っぽい騒ぎに巻き込まれたらしく、身に覚えのない傷跡が数ヶ所あり、こめかみに包帯を巻いている。除外ハーネスは損傷していないようで、何によって傷付けられたかは不明。

サイト-19は消え去った – いや、まだ多分あそこにあると思うとピエトロは述べる。彼は国を横切る道半ばで、理由は言えない模様。ピエトロはしかし、奇妙だ。目的があるように感じるのに、それが何なのかは100%定かではない。行くべき場所だけが分かっている。と述べる。

彼は手にブリーフケースを持っているが何が入っているか、なかなか思い出せない。彼が理解しているのは、それが丸くないことと、それをSCP-579まで持って行かなければならないことだけだ。

ここに来てピエトロ自身にも記憶がなくなるという奇妙なことが起きました。どういうわけかブリーフケースに丸くないものを入れて、SCP-579に向かっています。この丸くないものは反ミームオブジェクト、SCP-055 – [正体不明]です。

反ミームによりいつ、どこで、誰が、どうして収容したかは不明で「~ではない」という形でしか説明できないオブジェクトです。丸くはないと言うことは判明しています。

SCP-579は冒頭で触れた[データ削除済]のことです。謎のオブジェクトを持ち、謎のオブジェクトの元へ向かっています。どういうことでしょうか……。

日誌エントリ 0001-8

次のファイルは[ファイル削除済]で、次に読めるのはこのエントリです。要約は以下の通り。

SCP-579へはどこかで入手した手元の文書記録を見て進んでいる。通り過ぎた死体は恐らく4桁でもっと多い可能性がある。暫く前、物資を得るために侵入した家で幼い少年の死体を見つけ、埋葬しようと近寄ったところ小さな青白い蠕虫が数百匹も溢れ出した。そのどれもが少年と同じ顔で笑っているのを目撃したピエトロは人々を埋葬するのをやめた。

ピエトロは大量の死体を目撃しており、財団による人類への攻撃の苛烈さが窺えます。解放されたアノマリーの影響により変化したと思われる少年の死体とも遭遇しています。

編纂ファイル 0001-3

再度[ファイル削除済]をはさみ、次に読めるのはこのファイルです。

ピエトロは辛くなった時、ブリーフケースを開けていたそうです。彼は、”次に気が付くと、私は先ほど居たはずの場所から何マイルも離れていて、心の中は激励のメッセージを受けたように温まっている”と述べています。

SCP-055の反ミームの影響か、ケースを開くと一時的に記憶を失うようです。

ピエトロは道すがらエージェントの死体を発見し、ノートパソコンを回収。財団データベースへの一時的アクセスが可能になりました。今回もピエトロは財団の動きを表にまとめています。

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-2000

財団は意図的にイエローストーンを噴火させ、SCP-2000を消し飛ばした。今のところ、マナによる慈善財団が展開したアノマリーのおかげで、環境への影響は不条理なほど遅延されているが、灰のせいで呼吸できなくなるのも時間の問題だ。

SCP-2000 – 機械仕掛けの神は世界が滅びを迎えた際に再び文明を蘇らせることが可能な財団の秘密兵器とも言えるSCPですが、財団自らイエローストーンを噴火させSCP-2000を破壊しています。これでSCP-2000は使えなくなってしまいました……。

イエローストーンの噴火はWikipedia:イエローストーン国立公園#今後予想される噴火によれば、火山から半径1000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死すると考えられている、場合によっては世界が滅亡するほどの未曾有の大災害ですが、異常存在を人道支援に用いる要注意団体、マナによる慈善財団のアノマリーで大きく緩和されているようです。

SCP-2200

どういう訳か、財団はSCP-2200-1を大量生産できたらしく、それらの剣は難民たちの手に渡っている。斬り殺された全てのSCP-2200-1被害者によって、SCP-2200-3は溢れかえっている – まだ生きているSCP-2200-4の山が、死んだSCP-2200-4の山の下に閉じ込められている。

SCP-2200 – ソウルベルグはSCP-2200-1と指定された剣で、この剣を持った人物は手と剣が接合し(SCP-2200-2と指定)、この剣で殺害された人物は、50平方kmのとある土地SCP-2200-3と指定で異常な銀系合金(SCP-2200-4と指定)から成る実体として出現します。この実体は不老でSCP-2200-3内ではまず死ぬことはないものの、そこから出ると生命活動を停止します。SCP-2200-2はこの異常性を把握しているため、対象が死なずにすむよう他者を殺害します。

財団のばらまいたSCP-2200-1により大量のSCP-2200-4がSCP-2200-3に出現しているようです……。

SCP-2241

終了されなかった数少ない人間アノマリーの1体。SCP-2241は最大規模の難民キャンプを破壊し、生存者たちをもっと小さなグループに留め続けるための生物兵器として使われているようだ。どうやって財団があの少年をここまで忠実に訓練したか不明だが、本人が喜んでいるかどうかは疑わしい。SCP-2241に関する最後の情報は、ガンジル包囲戦の支援に派遣されたというものだ。財団はそこで苦戦しているらしい。

SCP-2241 – Cameron The Crusaderは未翻訳の作品。SCP-2241はキャメロンという名前の、ヒーローが好きな潜在的現実改変者である7歳の男児で、手を触れずに物を動かす念動力を持っています。財団は、財団自身を正義のために戦うヒーロー組織であるとSCP-2241に信じさせており、身がそこでヒーローとして働いていると思い込ませることで彼を収容している。

財団はSCP-2241に人々を襲わせているようですね……。

SCP-2466

SCP-2466は、カリフォルニア州█████████出身の生存者の社会性を破綻させ、敵対的な行動を強制するために連続使用されていた。効果はあったようだが、4020回使った後、SCP-2466はクラッシュして機能しなくなった。その時点で█████████住民は生き残っていなかったのだと思う。

SCP-2466 – ドラゴンを倒して街を救おうは同名のゲームアプリが入ったGalaxy S5スマートフォン。ゲームはメガリザードンXとポケモンの戦闘システムで戦うというもので、メガリザードンXが技を出すと、カリフォルニア州█████████の10-12名の住民が技に応じた一定の行動(ダンスを踊って放火する、自身に火を付け人に向かって突進する)を行うというはた迷惑な異常性があります。

影響される住民により人々を混乱させる回りくどい攻撃手段ですが、効果はあったようです。

SCP-2639

SCP-2639は生存者コミュニティや財団に敵対する組織の施設に派遣され、そこにいる全員を皆殺しにするよう指示を受けていた。収容違反して世界を滅ぼそうとしている怪物と戦っていると聞かされていたらしい。彼らが嘘に気付いたのは明らかだ。6度目に派遣された頃から、あらゆる行動を拒絶している。良い事だ。

SCP-2639 – ビデオゲーム・バイオレンスは現実の世界に展開される1立方キロメートルの空間で内部には、異常な兵器と防護服を装備した3体のヒト型実体(SCP-2639-A)が出現します。この実体が空間内で戦うと、展開された空間内の人々や物体を破壊することが可能ですが、実体達は財団に人間とは戦わないという条件で協力しています。

財団は彼らを欺き人間への攻撃に利用していたものの、実体たちはそれに気づき行動を拒絶している模様です。

財団の人類への攻撃は留まることを知らず、最後の希望となり得るSCP-2000も破壊されてしまいました。絶望的な状況です。

日誌エントリ 0001-9

ピエトロはGOC兵士の一団に遭遇し、姿を隠して共に焚火を囲んだ。彼らはただ彷徨っているだけのようであった。姿を見せて579に辿り着く助力を求めようともピエトロは考えたが、リスクを考慮して姿は見せず、彼らの接続を通してGOCのデータベースにアクセスして情報を手に入れた。

ピエトロはGOC、世界オカルト連合の兵士の一団と出くわし、GOCのデータベースから情報を取得しました。

ダウンロードされたファイル 0001-3

説明: ガンジル内部の尋問施設から送られたインタビューログ。私が把握している限り、捕獲された財団職員が尋問中に口を利いたのはこれが最初だ。尋問者はモリソン指揮官なる人物で、ロードス博士という科学者が同席している。尋問対象の男は機動部隊オメガ-2(“秘密の守り手”)の隊員、サミュエル・ロス。映像は無く、音声のみ。ファイルが破損しているのか、最初からそういう形式の記録だったのかは分からない。

こちらのファイルはガンジル内部の尋問施設から送られた音声のみのインタビューログです。ガンジルは編纂ファイル 0001-2の財団によるアノマリーを使用した攻撃の説明中に出てきた大西洋の中にある要塞都市で、世界終焉シナリオが発生した場合、生存した人類を収容するように設計されています。

GOCの尋問者はモリソン指揮官なる人物で、ロードス博士という科学者が同席し、財団の機動部隊、オメガ-2(“秘密の守り手”)の隊員、サミュエル・ロスを聴取しています。

それによるとサミュエル・ロスはガンジルの内部に忍び込もうとしたところを捕まったようです。ロードス博士は安全のためにサミュエルの体内には何もインプラント(埋め込み)されてなく、精神エージェントや認識災害も帯びていないことを確認します。

モリソン指揮官はまず初めに、なぜ会話に応じているのかと尋ねます。指揮官によれば、 財団職員たちは自分たち以外とは誰とも何も話そうとしなかったようです。

ピエトロも同様のことをこのファイルの冒頭で述べていました。

するとサミュエルはモリソン指揮官とは会ったことがあると述べ、指揮官はサミュエルにおそらく見覚えが無いが、サミュエルは彼を覚えているこの状況を少しおかしく思い、口を開いたのだと語っています。

サミュエルとその仲間は難民に紛れて町に潜入しようとして見つかった時に、群衆に向かって無差別に発砲し何の理由も無く人々が殺害されたことをモリソン指揮官は非難しますが、サミュエルはそれを笑います。

サミュエルはちょっと偽善的だと思ったと言い以下のように語ります。

君たちは情報を手に入れれば役立つと思ってるかのように俺を尋問するが、俺からして見ると、君たちには実際に何かできるような時間の余裕は無い。何度アベルをけしかけたところで、クロウ教授のエウロパはそう遠からずこの街を真っ二つに引き裂くだろう。なのに君たちはまだ何か打つ手があるかのように振る舞う。それはイカレているとは思わないか?

ちょっと脱線しますが、GOCはガンジル防衛のためにSCP-076 – “アベル”に財団職員を襲わせていたようです。GOCは財団からアベルを奪取したのでしょうか?

クロウ教授のエウロパというのは、人事キャラのクロウ教授が手と移動手段の代わりとして乗り込んで操作している、2対の腕が付いた直径1.35mの二足歩行型巨大球体装置、SCP-244-ARC(メタタイトル、エッグウォーカー)のことを指しているようです。

この装置は様々なSCPを利用して作られており、最高時速643.74キロで移動でき、約4500キロ以上の重さを持ち上げられ、さらに色々と異常な能力を有しています。

サミュエルは人類が滅びるのは時間の問題だと考えているようですね……。救いがないのに希望があると信じていることを偽善だと思っているようです。インタビューは続きます。

モリソン指揮官はしびれを切らし、強化尋問を始めるぞと脅しますが、サミュエルは笑って”好きにすればいい。痛みを感じるはずが無いと一度気付けば、怖ろしい物はもう何も無い。“と意味ありげに答えます。

モリソン指揮官がその意味を問うと、サミュエルは言ってほしくは無いだろう、君には話さないとなかなか話をせず、本気か?と言います。ここからは続きを引用します。

モリソン指揮官: さっさと吐け、ロス。お前がぐずぐず引き延ばすと、こちらも不愉快な手段を取らざるを得ない。

サミュエル・ロス: 分かった。 [不明瞭]

(沈黙。)

モリソン指揮官: …よく聞き取れなかったな。

ロードス博士: 声量を上げろ。これ以上マイクのゲインは上げられん。

サミュエル・ロス: [情報検閲済]

(モリソン指揮官とロードス博士が大声で叫んでいるのが聞こえる。湿り気のある亀裂音と、吹き荒ぶ風の音も聞こえる。叫び声は時間と共に甲高くなっていき、録音の残りを通して継続する。)

サミュエル・ロス: 君たちが自分自身に何をしたか見てみろ。聞きたくないだろうと言ったよな? だから忠告を聞くべきだと言うんだ。なのに君たちは酷く知りたがった。俺は君たちをとても気に入っていたから親切であろうとした。俺たちは君たちにとても親切なんだ。俺たちが光の中で戦うことによって、君たちは暗闇で死ぬことができる。

(沈黙。)

サミュエル・ロス: …忌まわしい。

<記録終了>

サミュエルが何かを話すと、モリソン指揮官とロードス博士に異変が起き、彼らは大声で叫びはじめます。サミュエルのその後の発言から考えると、サミュエルはこうなることを予期していたために、あえて答えようとしなかった模様です(結局答えているのでとても本心で言っているうには思えませんが……)。

彼は自分たちはとても親切なんだと言い、”俺たちが光の中で戦うことによって、君たちは暗闇で死ぬことができる”と意味ありげに述べ、最後に”忌まわしい”と呟きます。どこかで聞いたようなセリフです。

ピエトロの結びの文章によれば、この直後に何らかの緊急事態がガンジル内部で勃発したらしく、街は最終的に内外の両方から破壊された模様です。ファイルは詳細に言及していないとありますが、ピエトロはGOCはもう終わりかもしれないとコメントしています。

財団に代わり人類を救い得る組織であった世界オカルト連合も再起不能となったようです。もう人類に希望はないのでしょうか……。

続きは[ファイル削除済]のため、次は日誌エントリ 0001-10です。

日誌エントリ 0001-10

ピエトロは、GOCが敗北したことで希望を失い先へ向かうのが困難になりつつあった。ガンジルを陥落させた財団は、改めて他のあらゆる人々に完全な注意を向けた模様。ハーネスが生命維持を行うこともあり、ピエトロは財団が拡散しようとしているウィルスを避けるために飲み食いをやめていた。

ここに至るまでに、想像できる限り全ての州で死体を見て、幾つかの死体は歩き回っていた。

ブリーフケースを開けてスキップするのも、進行度は少し遅くなり、気分は少し落ち込んでいる。以前に元気づけてくれたのが何であるにせよ、ピエトロの心は無感動になってきており、どうして579に向かっているのかと自問している。

世界がますます危機的状況になるなかで、ピエトロも絶望的な状況により精神をすり減らしています。そんな中、ここで再び財団の様子がまとめられています。

編纂ファイル 0001-4

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-3078

壊れた神の教会は一部の地域でインターネットを復旧、運営できたようだ – ただし、財団はほぼ全ての利用可能な媒体を通して3078のコピーを数千枚アップロードし、速やかにそれを叩き潰した。だからインターネットはまたダウンしている。

SCP-3078 – 認識災害クソ投稿は自己複製を行う認識災害を伴う電子画像で、視認すると笑いたいという激しい衝動に駆られ、空気を吐き出し続け窒息死するという非常に危険なSCPです。この画像は1つにつき1アカウントがSNS等に生成され、1時間ごとに最低1つの画像を投稿するため放置すれば見たら死ぬ画像がネット上にあふれかえることになります。

SCP-3179

壊れた神の教会が様々な物を再建しようとし始めた後、収容下から解放された。壊れた神の教会では3179がMekhaneか否かを巡る内戦が発生し、そのせいで人々を援助する能力はかなり損なわれている。しかも、3179は可能な限り大量のターミネーターもどきを生成しているから、愉快な事態になっている。

SCP-3179 – 子孫は姿を変え、成長することが可能な様々なサイズの液体金属生物で、小型の自律した飛行ドローンや機動部隊員を模したオートマトンといった様々な実体を実体(SCP-3179-1と指定)を作りだせます。高い知能を持ち、自身を壊れた神の教会の信奉する神性、MEKHANEであると考えているようですが、人間に対しては敵対的です。

壊れた神の教会も活動が抑えられてしまったようですね……。

SCP-3199

SCP-3199の卵は今やありとあらゆる場所に空中投下されている。何が起きているかは想像が付くはずだ。

SCP-3199(メタタイトル、誤れる人類)はKeterクラスに指定された人間や動物を捕食する体長、平均2.9 m、体重780 kgの知性を持つ型生物です。人を襲うだけでも危険ですが、たちが悪いことに、SCP-3199は本能的に利用可能な空間を埋め尽くすまで産卵を行うため、LK-クラス生物種変換シナリオをもたらす危険性が指摘されていました。

SCP-3199の卵がばらまかれた……。財団は人類だけではなく、地上の動物もすべて滅ぼすつもりなのでしょうか……?

情勢はただひたすらに悪化の度合いを深めています。次は日誌エントリです。

日誌エントリ 0001-11

ピエトロはまだ579に向かって進んでいるが、モチベーションが失われ、少し歩みが遅くなったようだ。最近、彼は幾つかの奇妙な物を目撃した。最初は “瞬き像”(ブリンカー)、これは財団製と見られる機動部隊の制服姿の兵士の彫刻で、空っぽの眼窩、カマキリか何かのように刃物状に彫られた腕を持ち、視線を逸らすと素早く動き人間を切り裂く。

ピエトロに対しては実際の居場所を知覚できないようだが、誰かが居ることは推測しており、手当たり次第に攻撃されれば命はないため、警戒して進まなければならない。

2番目に目撃した物は地面から雲に届くほどの身長の背伸びしている人間のように見え、浮かんだまま前進していた。それは周りの空間が、お粗末なフォトショップ加工のように、身体に沿って引き延ばされており、顎が直角に開いていた。また、黒い空間の裂け目が、翼のように身体の周囲に存在した。

財団職員もそこに居て、彼らは銃やロケットでそれを撃ち戦っていた。全てが始まる前にどうにか抜け出せた奴らだったのかもしれない。

そこから離れた。私は579に辿り着く必要がある。何かをする必要がある。何でも構わない。

ピエトロはまだ579に向かっていますが、途中、奇妙な物を目撃していました。そのひとつ“瞬き像”は、彫刻であり視線を逸らすと攻撃するという性質から、SCP財団の起源とも言えるSCP、SCP-173 – 彫刻 – オリジナルを彷彿とさせます。財団がSCP-173を基にして作り出したのかもしれません。

もうひとつの空間ごと引き延ばされた人型オブジェクトが何のSCPであるかは不明です。本家のディスカッションにはSCP-3555(未翻訳)が似ていると書かれていましたが、SCP-3555は約8メートルの長さしかないので違うようです。

財団職員が戦っているのはなぜでしょうか……。

日誌エントリ 0001-12

今日は女の子が死ぬのを見た。助けられたはずだった。助けなかった。

私はクズだ。

ピエトロは579に向かうという自身の目的を優先したのか、それとも自身の命を助けるためか、少女を見殺しにしたようです……。次は編纂ファイル 0001-4です。

編纂ファイル 0001-4

関連アノマリー財団が取った行動
SCP-4290

SCP-914で増強したSCP-008のサンプルを使って、財団はSCP-4290の死骸を蘇生させ、解き放った。蛇の手の怪獣使いたちが迎撃したが、ファイルは戦闘の結果を明らかにしていない。放浪者の図書館はこの宇宙から切り離されたと聞いていたが、彼らは居残ったらしい。馬鹿な奴らだ。

SCP-4290 – 飢えたる子は過去約1万年にわたり奇跡論式封印が施されていたクラスI終末論的実体です。財団は入力したものを変化させ出力する機械、SCP-914 – ぜんまい仕掛けにより感染するとゾンビのような状態となるプリオンの複合体、SCP-008 – ゾンビ病を変化させSCP-4290の死骸を蘇生したと書かれています。

蛇の手の怪獣使(Kaijumancers)が迎撃したようですが、その結果は不明です。蛇の手は異常な存在の実在を認め、その使用を厭わない要注意団体です。怪獣使いは既存記事にはその存在が書かれていないようですが、怪獣の登場するWar On All Frontsハブの関連作品、蛇の手によると見られる記録、The Kaiju Sea(未翻訳)では、数千以上の怪獣が支配する別世界の地球が出てきますので、蛇の手にはこの怪獣を操れるものがいたのかも知れません。

SCP-4666

財団は時間異常を利用して、事実上あらゆる場所をクリスマスに – ああ、やってられるか。

SCP-4666 – 冬至祭の男ユールマンは12月21-22日の夜から1月1-2日の夜にかけての期間内に活動する非常に危険な全裸の人型実体で、極度に痩せ衰えた容貌の、非常に背が高い(2m~2.3m)ヨーロッパ系の高齢男性と描写されます。

SCP-4666は、8歳未満の子供が少なくとも1人いる家族の家を標的にし、多くは子供一人を除く家族を拷問の末に全員殺害し、子供を拉致します。15%のケースでは、家族や子供に何もせず人間幼児の遺体で粗雑に作られた玩具をその家の子供に残すという胸糞極まりないSCPです。

財団は悪質なことに時間異常を利用して常にSCP-4666を活動させるつもりのようです。

こんなのどうせ誰も読まない。

絶望のためでしょうか、ピエトロは記録することを放棄しました……。次は記録ファイル 0001-3です。

記録ファイル 0001-3

こちらはピエトロと首にルビーの首飾りが掛かっている10代の少女との会話です。彼女は、放棄された宝石店の内部で焚火をしていました。

ルビーの首飾りはSCP-963 – 不死の首飾りのことで、この首飾りに触れた人物には財団の人事キャラで、トラブルメイカーでもあるブライト博士の人格が宿ります。

この少女にはSCP-963によりブライト博士が宿っているようです。

ここでの要点をまとめると次のようになります。

上級スタッフであったブライト博士は誰よりも先に計画を聞かされたはずだが、それを思い出せない。ブライト博士はおそらく2番目のファイルに問題があったと言う。その中身は卵、木々、宗教的なものからなる沢山の画像だけだった。きっと何かが符号化されていたとブライト博士。しかし、SCP-963の影響からか、ブライト博士は効果を受けなかった

ピエトロはミームエージェントではないかと疑うが、ミームエージェントの感じはなく、何かを強制されるというより、むしろ、何かから解放されるような感覚だったとブライト博士は答えた。

結局ブライト博士にも何が起きているかわからないらしい。ブライト博士はSCP-1437 – ここではないどこかに続く穴に向かい、SCP-963を投げ込むつもりでいた。

せめて探してる物が見つかると良いな。と言い残しブライト博士は去っていった。

ブライト博士との会話でした。

ここに出てきたSCP-1437は██████砂漠に位置する3m×3mの大きさの底なしの穴で、並行宇宙へのアクセスポイントと考えられており、穴からは平行世界からきたと思われる物体が定期的に飛び出してきます。ブライト博士は平行世界へ行くつもりのようです。

次のファイルは削除済みで、日誌エントリに続きます。

日誌エントリ 0001-13

ピエトロは、私はSCP-579が存在するはずのサイト-62Cに到着した。見る限り、警備員は不在で、全ての保安体制は解除されていた。ここは暫く前から放棄されているらしい。

ピエトロは手にブリーフケースを持ち入場する。

日誌エントリ 0001-14

サイト-62Cに近付いた瞬間、誰かが後頭部に銃を押し付けているような感覚に襲われた。俗に言う闘争・逃走反応だろう。

SCP-579の正体は知らないが、それが私を見ているのは分かる。

ピエトロは遂にSCP-579が存在するであろうサイト-62Cに到着し、侵入を試みます。しかし、次の記録ファイル 0001-4の映像では、サイト-62Cの廊下にはナイフで傷付けられたような損傷と両腕が刃物になった兵士の像、先ほどの“瞬き像”(ブリンカー)が映し出されています。放棄されていたように見えましたが、内部にはブリンカーがいました。

日誌エントリ 0001-15

やはり、ブリンカーどもはピエトロが此処にいるのを察しており、目の前のあらゆる物を斬り付けている。

ピエトロは片脚を切りつけられた。奴らは私を追跡していないが、同じ場所を目指している。先に到着しなければならない。奴らを見つめ続けなければならない。

日誌エントリ 0001-16

やったやった (やった (やった)) やったぞ、やった!やった私はやったぞ。!!

遂にピエトロは目的地であるSCP-579の元に辿り着きました。しかしそこに待ち受けていたものは非情な現実でした。

日誌エントリ 0001-17によれば、ピエトロはSCP-579を監視するための機器で満ちた観察室にいて、SCP-579はすぐ足元の真下に通じる穴の中にありました。ピエトロはどういうわけか、SCP-579本体の場所を感じ取れるようです。ピエトロを襲ったブリンカーはドアの反対側に締め出されている模様です。

エントリによればピエトロはブリーフケースをSCP-579に接触させる必要があるようですが、穴に投げ込んでもSCP-579には届きそうにないとピエトロは気付いていました。接触させる唯一の手段は、ピエトロ自身が穴に飛び込み、落下しながらブリーフケースを投げ付けるしかないようです。しかし、この穴はかなり深いため、ブリーフケースを投げつけたピエトロは確実に命を落としてしまいます。ブリーフケースを投げるのが人生最後の行動となります。

そうしている間にも強化ドアを斬り付ける音が聞こえ、数分後にはブリンカーが部屋に侵入してきます。

ピエトロは不公平だと感じつつ、以下のように記録を残しています。

今まで生きてきてようやく悟った、私は探偵になれるような人間じゃない。私はただの殺人被害者だ。他人の物語のために死ぬ奴だ。そして人類全体が私と同じ立場にいる。 誰が犯人かも犯行手段も分かっているが… それらは明白だった。誰もがそれを知っている、初めから手渡された情報だ。何故なのかが分からない。結局、私は何一つ突き止められなかった。

ピエトロは自身が探偵のように謎を解決できず、ただの殺人被害者のように何も分からず死んでいくだけであると悟り、覚悟を決めたようです。

最後にピエトロは以下のように記録を残しています。

どうしてこんな事が起きている? どうして財団は人々を殺している? どうしてこんな事が起きている? どうしてO5は皆にファイルを送った? どうしてこんな事が起きている? どうしてガンジルは陥落した? どうしてこんな事が起きている? どうして私は世界を旅してこのブリーフケースを運んで来た? どうしてこんな事が起きている?!

どうして私は此処にいる? どうして私はこんな事をしている? どうして… どうして私は死のうとしている? 理由はあるのか?

もし万が一これを読む者がいるなら、どうか、どうか頼む、探り出してくれ。これを私に説明してくれ。誰か… 誰でもいい。分からないんだ。私には分からない…

奴らが押し入ろうとしている。足から先に落ちる。

ピエトロは今までの謎の数々を並べ、どうか頼む、探り出してくれ。これを私に説明してくれ。と嘆願し穴にその身を投じます。この記録の下には真っ黒なSCP-579の画像があります。そして……

日誌エントリ 0001-18

ああ … そういう事だったのか。

生命反応が消失しました

……ピエトロは答えを得、死亡しました……。

こうして、SCP-5000は幕引きとなりました。結局何も分からないままの読者を残して。

 

これで本当に終わりでしょうか?いえ、実はこのSCP-5000には隠された文章がありました。しかし、隠された文章を読む前に、確認しておきたいことがあります。

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最後に何が起きたか?

ピエトロがその命と引き換えにSCP-055をSCP-579に接触させた結果、何かが起こり記事冒頭のように2020/04/12にSCP-5000と共にピエトロの死体が、サイト-62CにあるSCP-579の収容チャンバーに閃光を伴って出現しました。

ピエトロの死因は高所からの転落によるものと推定されており、これはピエトロが最後に穴に飛び込み、生命反応が消失したことと一致します。

また、時間の流れを確認すると最初の日誌エントリ 0001-1の日付は2020/01/02で、ピエトロの死体が出現したのが2020/04/12です。除外サイト-06を逃げ出してからSCP-579に到着するまでの時間としては、日誌エントリ 0001-7では前回から約3カ月経ったとあり、徒歩による移動時間を含めれば、妥当なように見えます。

ピエトロはSCP-055をSCP-579に接触させることで、財団が人類に宣戦布告した世界を、異常な存在を収容する通常の財団がある本来の世界へと戻した、あるいは、平行宇宙の別の財団世界に転移したように見えます。

なぜこのようなことが起きたのでしょうか?

SCP-055とSCP-579の関係

実はSCP-055とSCP-579を組み合わせることで、世界を救ったと考えられる作品がありました。それは、SCP-2998 – 異常放送、2485 MHzです。

この作品は時系列に沿ってリンク先にある改訂された文章を読む形式となっており、7番目の文書に間接的にSCP-055とSCP-579が出てきます。

作中、異星人により財団が掌握され、人類存亡の危機が迫るのですが、生き延びたRAISA管理官であるマリア・ジョーンズは報告書の脚注を利用して、生き残った職員と文章による会話を試みます。

すると、サイト-62Cにいた生き残りから返事があり、マリア・ジョーンズは職員にいくつか指示を出します。

指示の内容は”タウミエルアルファ-2″にアクセスして「丸い穴に四角い釘をはめ込むことは出来ない」という文章を探し、それらの単語をハイライトさせてctrl-alt-enterを押すというもの。実行すると何らかのメッセージが表示されるようで、彼女はメッセージを読むようにと職員に伝えます。

“タウミエルアルファ-2″が何なのかは書かれていませんが「丸い穴に四角い釘をはめ込むことは出来ない」という文章はSCP-001、ロジェの提言に出てくる文章であるので、”タウミエルアルファ-2″はロジェの提言のことを指していると思われます。ロジェの提言のSCP-001はタウミエルのオブジェクトです。

この文章が書かれた表の同じ行にはSCP-579、SCP-055が書かれています。

表示されたメッセージの具体的な中身は書かれていないため不明ですが、職員とのやりとりによると、サイト-62Cに移されていたSCP-055を手に入れ、「釘を孔にはめ込む」ことで世界を救えるようです。

マリア・ジョーンズによれば、これは「理論上の非常事態計画」であり、SCP-579、SCP-055の「両方とも62Cに一緒に保管されてる」と述べています。生き残りの職員はそのメッセージに従い、「釘を孔にはめ込む」すなわちSCP-055とSCP-579を接触させたと考えられます。

その結果、世界に何らかの変化が起こり、SCP-2998の最後の文書では、SCP-2998の研究が最初の段階に戻ったかのような記述に変化します。

SCP-2998の最初の文書ではSCP-2998にはまだ解読されていない更なる情報が含まれていると書かれており、リンクを辿る度にSCP-2998(2485 MHzの電波)の研究が進んでいくのですが、SCP-579とSCP-055を使用した後のSCP-2998の最後の文書では、SCP-2998内に含まれる情報の解明は進んでおらず、三ヶ月以内に進展する可能性があるという表現に変化しています。

これは、時間が戻ったのか、あるいは過去の歴史が変化して、危機的状況が発生しなかった歴史に変わったのではないかと思われます。しかし時間が戻ったと判断できるような日付などの記述はないため、時間が戻った訳ではなく、過去の歴史が変化したのだと考えられます。

おそらくSCP-579をSCP-055と接触させると、SCP-579とSCP-055を使用するに至る歴史がなかったことになり、さらに同じ歴史を繰り返し、再びSCP-579をSCP-055が接触せぬように過去が改変されるのだと思われます。

SCP-2998の最後の文書には、初版にはなかったSCP-2998と接触するとパラノイアや記憶喪失などの異常が現れるという記述が新たに登場します。報告書に書かれた記述である以上、変化後の歴史ではSCP-2998による記憶障害の発生が確認されたということになります。

最初の歴史では、SCP-2998によりもたらされる視覚情報を研究した結果、危機的状況に陥りますが、視覚情報で記憶障害が発生すると研究で明らかになったのであれば、それ以上研究は進まず、再び危機的状況に陥ることはなくなります。

同じような過去改変がSCP-5000の世界でも起こったのではないでしょうか?

SCP-579とSCP-055を接触させた結果、PNEUMAプロジェクトや財団が人類根絶を宣言し、行動に移したという歴史が消え去り、ピエトロがSCP-579に辿り着くのに必要だったSCP-5000の開発も同じ歴史を辿らぬようなかったことになったということです。それが記事冒頭の状況です。

これによりピエトロが死んだこともなかったことになったと考えられます。

ここで、歴史がなかったことになったなら、なぜSCP-5000とピエトロの死体が消えなかったのかという疑問が起こります。これは原理は不明ですが過去改変後もSCP-2998の過去の文書が消えずに残っているのと同様に、SCP-579とSCP-055を接触させたピエトロ(の死体)とSCP-5000も消えずに残ったのだと思われます。

まとめるとピエトロがSCP-579とSCP-055を接触させた結果、過去改変が起こり世界は元通りになったというのがSCP-5000の結末だったのです。

それでは、ここからは隠し文章を見ていきます。

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隠し文章

ディスカッションの恐らくネタバレ要素を含む小ネタによると、この最後の画像にはデータを他のデータに埋め込むステガノグラフィー技術が施されており、Online Steganography tool (embed/hide secret messages or images within a host-image)等を利用すると隠し文章が確認できます。

ディスカッションには隠し文章とその翻訳がありました。

My hands shake as I hold the document. “This is confirmed?”
書類を持つ手が震える。「これは確証されたのか?」
He nods. “We got the report from PNEUMA staff yesterday. It’s everyone.”
彼は頷く。「昨日PNEUMAのスタッフから報告を受けた。全員だ」
“Even us?”
「我々も?」
“Even us, Tejani. To think I’d find myself agreeing with that damn lizard…”
「我々もだよ、テジャニ。まさか私があの忌々しいトカゲに同意する日が来ようとは…」
“What do we do?”
「これからどうする?」
“You know what we have to do. We’ll have to disseminate a cure, I think, among personnel before we get things underway. It’ll try to stop us otherwise.”
「何をすべきかは分かり切っている。本格的に着手する前に、まずは職員たちに治療法を広めなければならないだろうな。さもないとこいつは我々を止めようと試みるだろう」
“God help us, One.”
「神よ我らを救い給え、ワン」
“Don’t be like that, Tejani. That’s IT talking.”
「やめてくれ、テジャニ。それは奴が言わせているんだ」

この文章は、テジャニという人物とワンという人物の会話のようです。

このテジャニという人物は、SCP-5000の作者であるTanhony氏の作品、タンホニーの提言SCP-4263に登場する倫理委員会のオドンゴ・テジャニ委員長で、ワンはO5-1であると思われます。

PNEUMAプロジェクトのスタッフから、O5-1、テジャニ委員長に何らかの報告がなされたことに対する会話のようです。PNEUMAプロジェクトの成果は、人類全員が関係し、忌々しいトカゲに同意することになる事実をもたらしたらしく、その対処のためにはまず職員に治療を行う必要がある模様です(ここで言及されている忌々しいトカゲとはSCP-682 – 不死身の爬虫類のようです)。

さらに対処により奴(IT、それと呼ばれる何者かが我々すなわち財団を止めようとするとO5-1は推測しています。また「神よ我らを救い給え、ワン」というテジャニ委員長の返事もそれにより言わされていることのようです。

職員への治療法とは時系列的には2019/12/19に財団職員になされた一連の指示、または2019/12/22に送信された多数のファイルが何か関係がありそうです。

このPNEUMAプロジェクトの成果が何であるかがSCP-5000の謎を解く手がかりになりそうですが、PNEUMAプロジェクトを考える前にもうひとつの隠し文章を見てみます。

もうひとつの隠し文章は記事の最後に[[size 0px]]で書かれており、SCP記事の下の方にある+ OptionsからPage sourceを開くと読むことが可能です。会話文のようなので色分けしています。

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もうひとつの隠し文章

You said invaded, right? Might be one of the last times that happens.
侵略されていると言ったか? ありふれた終末の1コマかもしれないと。

Right.
そうだ。

Don’t say that. It must be worse for you. That’s what everyone says after they find out something they don’t like.
言うな。君はもっと辛い思いをしているに違いない。それは好きじゃない物を見出した後に誰もが口にする言葉だ。

Jesus Christ.
なんて事だろう。

It’s not something that can be hashed out in a few hours, man. Can you be quiet for a minute? Of course I can’t. No, not yet. The feeling of being invaded.
とても数時間で語り尽くせるような事じゃない。少しだけ静かにしてくれないか? 勿論私は無理だ。ダメだ、まだだ。侵略されているという感覚。

Why not?
それで構わないんじゃないか?

Don’t say that!
Don’t even talk about it.
それを言うな!
あれに言及さえしてはいけない。

We should have left well enough alone.
私たちは現状で良しとするしかないんだ。

I keep thinking, like, it would be better to end it all. Not with what we found. How long are they going to take? But it’s not like that. Everything I am. You know what they’ll say.
私は考え続けている — 全て終わらせた方が、私たちが発見したモノと縁を切る方が良いんじゃないか。彼らはどれだけ長い時間をかけるつもりだろうか? しかし、あれはそういう感じのモノじゃない。私の全てだ。彼らが何と言うか君にも分かるだろう。

It is me.
It’s over.
It’ll take time.
これが私だ。
もう終わったんだ。
時間がかかるだろう。

You’re germophobic, right?
君は潔癖症なんだね?

Did you get a reply? We shouldn’t have looked. You too. I doubt anyone’s going to be talking about anything else anymore.
返答を受け取ったか? 私たちは見るべきじゃなかったんだ。君もだよ。この先誰かが他の物事を話題にするかどうか疑問だ。

I feel sick.
気分が悪い。

以上で隠し文章は終わりです。これは一体誰と誰の会話でしょうか?可能性のひとつは先ほどの隠し文章に登場したO5-1とテジャニです。先ほどの隠し文章の最後、

「神よ我らを救い給え、ワン」
「やめてくれ、テジャニ。それは奴が言わせているんだ」

の続きかも知れません。もしそうなら、会話の内容的に青字はテジャニ、赤字はO5-1ということになります。それに言わされていることは侵略されているということかとテジャニが尋ね、O5-1がそうだと肯定していると解釈できそうです。

テジャニはそれを言うなと答え、君はもっと辛い思いをしているに違いない。と言います。財団のトップの一人であるO5-1の方がより心理的にダメージを負っているということでしょうか。それは好きじゃない物を見出した後に誰もが口にする言葉だ。とは諦めの言葉かも知れません。

Jesus Christ.はキリストのことですが、クソっというような怒りや失望を意味する間投詞としても使用されます。

とても数時間で語り尽くせるような事じゃない。少しだけ静かにしてくれないか? 勿論私は無理だ。ダメだ、まだだ。侵略されている(being invaded)という感覚。

テジャニは動揺を隠せない様子です。ここのinvadeには侵略するという意味だけではなく <病気などが> <体・体の部位など> を冒す, 襲うという意味もあります。

ひとつ前の隠し文章の治療法という言葉や最後に出てくる気分が悪い(I feel sick)のsick(病気)と併せると冒されているというニュアンスがありそうです。

それで構わないんじゃないか?これは諦めの言葉でしょうか。

私たちが発見したモノと縁を切る方が良いんじゃないか。

これはPNEUMAプロジェクトの成果のことを言っていると思われます。その成果を手放した方が良いのではないかと言っているように思えます。

彼らはどれだけ長い時間をかけるつもりだろうか? ここは良くわかりませんがプロジェクトの成果を生かすには長い時間を要すると言うことかもしれません。彼らはおそらくプロジェクトの主導者たちだと思われます。

しかし、あれはそういう感じのモノじゃない。私の全てだ。プロジェクトで発見したモノが、ヒトにとってのすべてではないか?ということでしょうか。

彼らが何と言うか君にも分かるだろう。ここはどういう意味でしょうか……。これが私だ。もう終わったんだ。時間がかかるだろう。

「終わった」とあるので先ほどの治療法が行われた後と解釈できます。治療後の自分が私なのだと言い聞かせているような台詞に感じられます。

やはり何か時間がかかることがあるようです。

君は潔癖症なんだね?治療法の結果、何か汚れたものが消えたということでしょうか。

返答を受け取ったか? 私たちは見るべきじゃなかったんだ。君もだよ。

返答が何か判りませんが、プロジェクトの成果を見るべきではなかったということを言いたいのだと思われます。この先誰かが他の物事を話題にするかどうか疑問だ。治療後は他の問題が消え失せる

反語表現なので誰も他の物事を話題にしないということですね。いろいろな問題が消え失せるということかもしれません。

気分が悪い。

治療法はブライト博士によればそれは何かから解放されるような感覚であったらしいので、ここでの気分が悪いは治療法のことではなく真実を知ったことが原因のようです。

これで、一通り読み終わりました。

ここまでをまとめると、PNEUMAプロジェクトの結果、人類全員が関係し、忌々しいトカゲに同意することになる事実が発見され、財団職員には何らかの治療が施されました。そして財団は人類の根絶を開始。SCP-5000を着用して難を逃れたピエトロは、SCP-055を手に入れ、それをSCP-579と接触させます。結果、人類の根絶を開始したという過去が改変され、なかったことになり、世界が救われたというのが、SCP-5000のあらすじです。

一通り見てきましたが結局のところ、ほとんど謎は解決していません。そこでここからは考察に入ります。まずはPNEUMAプロジェクトで何が判明したかを考えてみます。

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考察

PNEUMAプロジェクトとは

記事によると、PNEUMAプロジェクトとはKALEIDOSCOPEと同じような大規模記憶処理プロジェクトで、人間の集合的無意識あるいは心理空間をマッピングする過程で何かが分かったようです。

ここで出てくるKALEIDOSCOPEとは、SCP-5000の作者であるTanhony氏の作品であるSCP-4156 – Last Bastion(現在未翻訳)に出てくるシステムで、集団に対してまとめて記憶処理を行うことができるようです。

「人間の集合的無意識あるいは心理空間をマッピング」(地図化)するとは、人類共通の無意識の心理空間を探るということだと考えられます。

集合的無意識はスイスの精神科医・心理学者、カール・グスタフ・ユングが提唱した概念で、人類全員が共通に有しているとされる無意識の一領域のことです。これは個人個人が異なる環境下で獲得していく無意識とは異なり、個人の経験を越えた先天的なものです。

太陽を神として崇拝したり(太陽神 – Wikipedia)、大地の豊穣を母なる神が司る(地母神 – Wikipedia)といったことは、歴史的に世界各地で見られますが、遠く離れた地域の神話であるにも関わらず、似たようなストーリーの神話があるのはこれが原因ではないかと言われます。

人類共通の無意識の心理空間を探るマッピングの途中で、治療法が必要な何かに冒されているのを発見したのがPNEUMAプロジェクトであるようです。

ところでPNEUMAという言葉は本来は一体何を意味する言葉なのでしょうか?

PNEUMA(プネウマ)とは

pneuma(プネウマ)は古代ギリシア語で、息吹、風、空気を意味し、宗教・哲学的には精神や霊を表す言葉です。プネウマはこれが一般的な意味ですが、サーキックカルトでお馴染み(?)のグノーシス主義ではさらに別の意味があります。おそらくSCP-5000はグノーシス主義がモチーフとなった作品だと考えられます。

人間が持つとされる真の神である至高神に由来する霊的な本質、それが霊(プネウマ)です。PNEUMAプロジェクトとはこの人間の霊的な本質であるプネウマ、あるいはそれに類する人間の本質を探すプロジェクトであると推測されます。

もし全人類共通の人間の本質があるのであれば、人類共通の無意識の心理空間を探れば、それが見つかるかもしれません。

PNEUMAプロジェクトを進めた結果、財団は全人類共通の人間の本質を発見したと考えられます。

しかし、どうしてそれが人類根絶に繋がるのでしょうか?

それを説明するにはグノーシス主義について説明する必要があります。ここからはグノーシス主義の説明になります。

グノーシス主義とは、3世紀から4世紀にかけて地中海世界で勢力を持った宗教・思想です。、この世界が不完全で死や不幸、苦悩や悲嘆で溢れているのは、この世界が悪の存在であるためだとグノーシス主義では考えます。それゆえ、この世界や人間を創り出した「造物主」(ヤルダバオート)を不完全な偽の神であると考えます。しかし、人間には、真の神である至高神に由来する要素がただひとつだけあるとされます。それが霊(プネウマ)です。

グノーシス主義では人間は肉体(サルクス)と心魂(プシュケー)と霊(プネウマ)から成り立つと考えます。肉体と心魂はヤルダバオートが創造したもので、霊だけが、至高神に由来します。

グノーシス主義には様々な宗派があり、神話の内容にも差異があるのですが、ここからはSCP-5000と関係があると思われるグノーシス主義の神話を紹介します。

ヨハネのアポクリュフォン

キリスト教グノーシス派の歴史的資料のひとつに『ヨハネのアポクリュフォン』という文書があります。これは復活したイエスが使途ヨハネに黙示を与えるという形式で書かれたグノーシス主義の神話です(ちなみに先ほど出てきた集合的無意識の考えで知られるユングはこの文書の研究でも知られています)。

ここでは、『ヨハネのアポクリュフォン』の中からヤルダバオートと人間が創造された際に起きた出来事を紹介します。

「造物主」(ヤルダバオート)は至高神のアイオーン(神性)のひとつであるソフィアの過ちから生まれました。わかりやすく表現するならアイオーンは神のような存在です。至高神から流出することで「思考」や「第一の認識」といったアイオーンが現れます。

ソフィアは至高神やアイオーンと同様に、自分の中から自分の彫像を出現させたいと欲します。しかし、至高神やアイオーンは互いに請願と同意の上で新たなアイオーンを出現させましたが、ソフィアは同意や承認を得ることなく、自分でこれを承認しました。結果、不完全かつ醜悪な姿の存在が現れ、それは蛇とライオンの姿に変化します。ソフィアはそれを他のアイオーンに見つからぬよう至高神やアイオーンのいる光の領域(プレーローマ)の外に投げ捨てヤルダバオートと名付けます。

ヤルダバオートはソフィアの力を引き継いでおり、自分が生まれた場所から離れると別の場所で自分のためにこの世界を創造します。ヤルダバオートは12人の天使(黄道十二宮に相当)や、世界を支配する6体のアルコーン(ヤルダバオートは第一のアルコーンであるためアルコーンは合計7体)などを創造し、「自分こそが神であり、他に神はいない」と宣言します。

一方ソフィアはその様子を見て、自身が光を失ったことに気付きます。これはヤルダバオートが彼女から力を盗んでいたためでした。ソフィアは泣いて悔い改め祈ります。すると光の領域はその祈りを聞き、聖霊を彼女に注ぎソフィアは力を取り戻します。しかしそれは完全ではなく元に戻るにはヤルダバオートから力を取り戻す必要があります。

すると、光の領域から「人間と人間の子が存在する」という声が聞こえます。

ヤルダバオートはそれを、母であるソフィアの声と思い、その配下であるアルコーンと共に最初の人間(アダム)を創造します。しかし、その人間は動きませんでした(このとき創られたアダムは心魂的実体であり、肉体を持ってはいません)。

同じ頃、ソフィアは、ヤルダバオートを生み出した際に引き渡してしまった自身の力をヤルダバオートから取り戻そうと考え、至高神に願います。至高神は、そのアイオーンのひとつアウトゲネースをアルコーンに偽装して派遣します。アウトゲネースはアダムに霊(プネウマ)を吹き込むよう第一のアルコーン(ヤルダバオート)に助言します。

実はこれはヤルダバオートからソフィアの力を取り戻し、人間に与えるために仕組んだ策でした。第一のアルコーン(ヤルダバオート)がアダムに霊(プネウマ)を吹き込むとアダムは動き出します。

アダムは光り輝きだし、ヤルダバオートを上回る知力を持ちます。するとヤルダバオートとアルコーンはこれに嫉妬して、アダムを死の影の中に連れ込み、土と水と火と風からこしらえもの(肉体)をアダムに着せます。こうして人間は肉体に囚われ死を迎えるようになります。そしてアダムを物質世界の底部に連れて行き楽園(エデンの園)に閉じ込めます。

以降はこの霊を回収しようとする光の領域とそれを阻もうとするヤルダバオートの駆け引きが続いていきます。

このように人間の肉体と心魂はヤルダバオートが創造したもので、霊だけが、至高神に由来します。本来の人間は霊によりヤルダバオートを超えた存在であったのですが、ヤルダバオートにより人間は肉体に囚われ死を迎えるようになったのです。

PNEUMAプロジェクトが発見したもの

ここでSCP-5000に戻ります。SCP-5000の財団世界がグノーシス主義のような世界だとすると、人間の霊的本質は、本来はこの悪の世界であるこの宇宙の遙か上方の帰還すべき善なる光の領域に由来します。そして人類は偽りの神により肉体と死を与えられました。

PNEUMAプロジェクトを進めた結果、財団は全人類共通の人間の本質を発見したと考えられます。それと同時に、ヤルダバオートに相当する何らかの神性実体による改変を人類が受けていることも発見したと考えられます。この何らかの神性実体が、O5-1のいう奴(IT、それだと考えられます。

つまり結論はこうなります。この世界は『それ』が創ったもので、今存在する人類は『それ』により肉体と死を与えられた異常な存在であるということです。

PNEUMAプロジェクトの結果、財団は全人類共通の人間の本質を発見するとともに今存在する人類こそが異常な存在であると気付いたのです。そして、財団は人類を本来の姿に戻すことを決定します。その手段のひとつが治療だと考えられます。

そして、財団は人類根絶を実行に移したのです。しかし、なぜ財団は人類全員を治療せず、人類根絶を実行することにしたのでしょうか?

その答えは先ほどの神話の続きにありました。エデンの園からアダムとエヴァが追放された後、ヤルダバオートはエヴァを襲い2人の息子を産ませアベルとカインと名付けます。以後人間は生殖して増えていくのですが、これはアダムが光の世界へと回収されるのを阻むためのヤルダバオートの策略でした。

生殖により人類の個体数を増やしてアダムに吹き込まれた人間の本質である霊を拡散させようとしたのです。そうして人類はヤルダバオートの奸計とも知らずに個体数を増やし繁栄していきます。

これが事実なら現在の霊(プネウマ)は70億以上に拡散したことになります。もうお分かりかと思いますが、人の数を減らせば財団は人類を本来の姿に戻せるかもしれません。この仮説を財団は検証したと考えられます。そしてそれが確かめられたのです。

ここでいう霊(プネウマ)が本当にグノーシス主義における霊(プネウマ)なのか、それとも類似した何かなのは分かりませんが、人類を異常ではない本来の姿に戻すには人類根絶が必要なのだと思われます。

こうして財団は人類根絶という暴挙を開始したのです。財団にとって守るべきは異常ではない本来の人類だけです。

ここでいう人類根絶は人類を本来の姿に戻すための人減らしをするという意味と最終的には異常な存在である人類は滅び、過去の人類は肉体と魂を捨て去り元の姿に戻ることを意味すると考えられます。そうなればもはや人類は過去の人類とはまったく異なる存在になるでしょう。

財団が人類根絶に利用していたSCP-1440 – どこでもない地からの老人は、財団職員に影響を与えていないようでした。これは治療後の人間は、既に人間だとは言えなくなったのだと思われます。

本来、グノーシスとは「認識・知識」を意味する古代ギリシャ語です。世界の真実を「知る」ことが救済に繋がるというのがグノーシス主義の考えです。「認識・知識」を得た者は偽の神により創られた悪なる物質世界、肉体と魂という牢獄から解き放たれ、至高神のいる光の領域(プレーローマ)に帰還し救済されます。

忌むべき世界や人間を創り出した造物主は偽の神ですが、人間には至高神に由来する霊(プネウマ)がありそれ故に、悪の世界から救済され至高神のいる「光」へと戻ることができるのです。

ただし、すべての人間が救済されるわけではありません。内に輝く霊を宿す人間だけが救済されます。

SCP-5000の財団世界では、治療により世界の真実を「知った」者だけが救済されるということです。

そもそもグノーシス主義では造物主が創り出したこの宇宙は忌むべきものであり、帰還すべき光の領域から最も遠い世界です。財団は最終的には人類を本来の姿に戻して光の領域、またはそれに類する高次元に帰還するつもりのように思われます。

隠し文章にあった「彼らはどれだけ長い時間をかけるつもりだろうか?」はこのことを言っているのかもしれません。

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O5評議会の決定とは何か?

SCP-5000の話に戻ります。今まで見てきたように財団はPNEUMAプロジェクトにより、人類の集合的無意識に『それ』というヤルダバオートに相当する何らかの神的実体による改変が及んでいることを発見したと思われます。現在の人類は正常ではなく『それ』によって本来の姿から離れ、肉体と死に囚われた異常な存在であると判明したのです。

そして人類を本来の姿に戻すには治療と人類根絶が必要だとプロジェクトはO5評議会に進言したのでしょう。

O5評議会はこれを受け投票を行い、肉体と死に囚われた異常な人類を根絶し、人類を正常な本来の姿に戻すことを全会一致で決定したのだと思われます。これは財団の理念を踏まえれば当然の決定であり、可決され、倫理委員会も同意します。

倫理委員会が同意したのは一件不可解ですが、人類自体が異常存在であるとするなら、正常である本来の人類に戻すことを優先されると考えたのだと思われます。テジャニの手が震えていたのは人類根絶の計画を知ったことが原因でしょう。

当然ですが人類の根絶を指示された上級職員には動揺が走ります。今までアノマリーから守ろうとしていた人類を滅ぼさなければなりません。これにより、自殺と辞職の波が財団全体に広がったと考えられます。

この事態を受け財団は2番目のファイルで職員を治療します。これにより職員は治療され、躊躇なく人類根絶を実行したのだと思われます。

治療とは何か

財団は人類を本来の姿に戻すことを決定し、その手段のひとつが治療であると述べましたが、結局治療とは何なのでしょう?

治療とは、肉体に由来する生存に必要な生物学的本能から人間を開放することだと思われます。

具体的に作中の描写から説明していきます。生存に必要な生物学的本能のひとつ、それは痛みです。

作中ピエトロは機動部隊に遭遇しますが、機動部隊の隊員はナイフで体を傷つけ治療し、反応したものを殺害しています。これは治療を行った職員は痛みを感じなくなったことを示していると思われます。

GOCに対してサミュエルが言っていた「痛みを感じるはずが無いと一度気付けば、怖ろしい物はもう何も無い」も同じ事を意味していると考えられます。

これは治療により生存に必要な生物学的本能である痛みから開放された結果、痛みを感じなくなったと解釈できます。ただし、肉体の治療をしていることから、これはあくまでも生物学的本能から解放されただけで不死にはなっていないと思われます。

では、ピエトロが財団職員を見て抱いた

彼らの目は… 何かが欠けているように思える。生気が無い。あの目を見ると、彼らを人間と考えることなどできない。生きているとさえ思えない。説明するのは難しいが、背筋がゾッと冷えた。

という感覚は、どう説明できるのでしょうか?

これは治療された職員から生物学的本能に由来する感情や欲求が失われているからだと思われます。人間の三大欲求である食欲、性欲、睡眠欲は種の存続に必要な生物学的本能です。また、人間の子供の感情は快・興奮・不快から発達していくものですが(情緒の分化)、快を求め、不快を避けようとするのはそれが生存に都合が良いからです。

人間は複雑な知性を持つため、必ずしもそうだとは言えませんが、生理的欲求が満たされることに人間は喜びや幸せを感じ、安全な場所に安らぎを覚え、危険から身を守るために不安や恐怖を感じ、戦うときは興奮します。

これらの欲求や感情は肉体を維持し、種を存続させるために必要なものです。しかし、『それ』により人間が肉体に囚われたのだとすれば、本来の人間は肉体に由来する生物学的本能やそこから生じる欲求や感情を持っていなかったと考えられます。『それ』により与えられた肉体には欲求や感情もセットされていたということです。

人間は治療をすることで感情や欲求のない本来の人間に近づくのでしょう。治療された財団職員や機動部隊員は、感情や欲求を過去の記憶があるはずなので知識としては知ってはいるものの、もはや体から沸き起こる欲求、喜びや苦しみなどは存在せず、それを実感することは決してないのだと思われます。

これが原因で彼らの目には生気がないのです。彼らは肉体的には生きていますが、彼らには肉体に由来する生の実感がなにもないため、生きているようには見えないのです。

隠し文章との関連

隠し文章のテジャニによると思われる

  • 私たちが発見したモノと縁を切る方が良いんじゃないか。
  • しかし、あれはそういう感じのモノじゃない。私の全てだ。

という言葉の『モノ』は人間の霊(プネウマ)のことで、『あれ』とは治療で失われる肉体に由来する生物学的本能のことだと思われます。『あれ』こそ自分の全てだと言っているのです。だから縁を切るべきだと。O5-1はこれが私だ。もう終わったんだ。と治療後の人間が自分だと答えたようです。君は潔癖症なんだね?これは捨て去ろうとしている肉体のことでしょう。

この先誰かが他の物事を話題にするかどうか疑問だ。は欲求が消えやがて死を超越すれば何も問題はなくなり、何をすることもないということでしょう。

  • 侵略されていると言ったか?
  • 侵略されているという感覚。

隠し文章の冒頭の上記記述は、霊を回収しようとする光の領域や至高神のことではないでしょうか?逆の見方をすれば光の領域による侵略・汚染が起きていると見なせます。それで構わないんじゃないか?とO5-1は答えます。

ところで、ピエトロが遭遇した指揮官は痛みに反応したものを生存者(live one)と呼んでいました。治療された機動部隊員たちは完全ではないものの肉体から開放され、自分たちを肉体に囚われた生きている状態とは見なしていないのだと考えられます。

繰り返しになりますがこの治療は完全に肉体から開放されるわけではないようです。機動部隊員たちはナイフの傷を治療していました。人間が完全に肉体から開放されるのであれば、治療する必要はありません。したがってこれは彼らがいまだに肉体に囚われていることを表していると考えられます。

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SCP-682の正体

ここでSCP-682に注目します。今存在する人類こそが異常な存在だとすると「忌々しいトカゲに同意することになる」という言葉の意味が分かります。

忌々しいトカゲであるSCP-682 – 不死身の爬虫類は高い再生力と知能を持ち、その名の通り死にません。これは肉体と死に囚われていないと解釈できます。SCP-682が肉体と死に囚われていないのであれば生物学的本能に由来する感情や欲求もないと考えられます。

しかしSCP-682は生きる生物すべてを激しく憎んでいると報告書では説明されます。これは正しくは悪なる肉体を持つ生命や人類を、悪であるが故に「忌まわしい」ものとして認識しており、それを殺害することで世界をあるべき姿へと正しているのではないでしょうか?その認識は感情ではなく高い知能による理性的なものだと思われます。

SCP-682は『それ』により本来の姿からほど遠い苦しみに満ちた悪の世界が作られたことを知っており、生命や人類の殺害を一種の正義や善行として行っている可能性があります。SCP-682は生命や人類を本当の悪であると思うが故にはっきりとした理由を語らずただただ殺害しているのでしょう。

財団の宣戦布告に書かれていた今後の意思疎通は行われません。という言葉の理由、治療された財団職員が治療されていない人類に何も語らない理由もこれと同じだと思われます。

振り返ればアノマリーを用いて人類を攻撃していた財団は、SCP-682に対してはただ開放しただけでした。これはSCP-682に同意し、『それ』による悪なる肉体を持つ生命や人類を殺害するSCP-682の行動こそが正しかったと財団が考えていることを表しているのだと思われます。

GOCの記録映像でも、機動部隊員であったサミュエルは「忌まわしい」と呟きますがこれと同じ台詞が、SCP-682の記事中にあるインタビューでもSCP-682からこの言葉が出てきます(ちなみにマイクのゲインを上げる出来事もSCP-682へのインタビュー中に起きています)。これも財団がSCP-682に同意している証拠です。

さらに言えばグノーシス主義のある神話では、エデンの園でエヴァを唆した蛇は真実の教示者であるとされます。SCP-682はイブを唆した蛇なのかも知れません。

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サミュエルの言葉の意味

ここでもう一度サミュエルの言葉の意味を考えてみます。先ほど治療とは生存に必要な痛みや感情、欲求といった生物学的本能から人間を開放することだと述べました。しかし、治療されたであろうサミュエルは「忌まわしい」と呟いています。

これは先ほどのSCP-682と同じく悪なる肉体を持つ生命や人類を、悪であるが故に「忌まわしい」ものとして理性的に認識していると思われます。

サミュエルの受け答えがどこか他人事のような感じであったのは、感情や欲求による行動ではなく知人だったからという気まぐれな理由による遊びに近い行動であるからだと思われます。

最後にGOCのメンバーに異変が起きたのは、おそらく聴覚的な認識災害をサミュエルが口にしたためだと思われます。GOCのメンバーはサミュエルが認識災害を帯びていないことを確認しましたが、音声として放つことは可能だと思われます。

サミュエルは治療されたため、肉体とのつながりが薄い、あるいは治療前の人間とはかけ離れてしまい、結果、自身は認識災害に影響を受けないのだと思われます。インタビューでのサミュエルはGOCのメンバーが彼の認識災害を確実に聞いてくる状況を作るために会話を誘導していたようにも見えます。

彼の任務はガンジルの壊滅であるので、任務を終えて出てきた本音があの「忌まわしい」発言なのでしょう。

サミュエルの言葉にあった、「俺たちが光の中で戦うことによって、君たちは暗闇で死ぬことができる。」という台詞は、SCP財団のポスター風のファンアートに出てくる台詞

We die in the dark so that you may live in the light.
私たちが暗闇の中で死ぬことによって、君たちは光の中で生きることができる。

をもじったものだと思われますが、本来はSCP財団とはに出てくる

人類が健全で正常な世界で生きていけるように、他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。

という財団の理念を端的に示している文章が元になっていると思われます。しかし、「俺たちが光の中で戦うことによって」という言葉はグノーシス主義の考え方で言えば、光は至高神の領域であるため、自分たちが治療により、本来の姿となって悪である肉体に囚われた人類や『それ』と戦うことで、治療されていない人類は暗闇であるこの世界で死ぬことになると解釈できます。

財団職員は財団の理念に従うという理由以上に正義や善行として人類根絶を行っているのだと思われます。

ところで、先ほど『それ』と戦うと書いたのには理由があります。財団が戦っていた雲まで届く空間ごと引き延ばされた謎の人型オブジェクト、これは『それ』そのもの、あるいは天使やアルコーンに相当する『それ』側の存在なのだと思われます。

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人類根絶にアノマリーを用いた理由

そう考えると、これこそが財団が人類根絶にアノマリーを用いた理由かもしれません。人類根絶にアノマリーを用いることで財団は『それ』による介入を誘い、現れた『それ』を倒そうとしていたのではないでしょうか?

それと同時に、SCP-2000を破壊したように『それ』の介入による世界再生の試みを地上をアノマリーで破壊することで阻止しようとしたと思われます。“瞬き像”(ブリンカー)はそのために用意されたのかもしれません。最終的に人間は本来の姿に戻り、死を超越し光の領域に帰還するため、しばらくの間地球が残りさえすれば地上がどうなろうと構わなかったのだと思われます。

では、ここからは残った疑問点を考えます。

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謎のラジオ音声

途中にあった謎のラジオ音声は何だったのでしょうか?SCP-5000のラジオ音声の数字はおそらくSCP-579を指し示す暗号です。

つまり、これは先ほど述べた財団の計画を阻むための『それ』による介入であったと思われます。『それ』はピエトロにSCP-055を運ばせ、SCP-579と接触させることですべてをなかったことにしたのです。

神性実体なら壊れたラジオから音を出すことができてもおかしくありません。また、ピエトロは日誌エントリ 0001-7

前回のエントリから約3ヶ月が経った。私が今まで何をしていたかは神のみぞ知る。

と途中で記憶を失っていることを書いていましたが、これは実は『それ』がピエトロに暗示をかけSCP-055を運ぶ指示を与え、ピエトロからその記憶を消したからと解釈できます。実際に神だけが知っていたのです。ピエトロがSCP-579のありかを感じるのも『それ』の力だと思われます。

そもそもこのラジオ音声自体が暗示を与える認識災害を帯びていた可能性もあります。

ラジオ音声を確認すると

まず「七。五。私の声が聞こえるか?」 についてですが音声に出てくる数字は七と五と九です。したがって使用するのは579です。

そして、七と五に呼びかけているので、私は九ということになります。次に「私は今君の後ろに立っている」こちらは、私は九であるため、君はそれ以外の数字となるので数字の並びは可能性としては79か59です。

「五。私(九)は私たち二人(79か59)で、今君の後ろに立っている。」ということで文頭にある5が呼びかけだと解釈すれば579となります。

「君の瞼の間の穴の中に光り輝く穴がある。」「床に穴があってその中で答えが待っている。」はSCP-579の場所を示していると思われます。床の穴は目を細めると辛うじて見えるとピエトロは述べていました。

「見よ、君は孵化している。君は孵化している!」はSCP-579とSCP-055を接触させると過去改変により財団の行いがなかったことになることを表していると思われます。

私は今までヴェルサイユに行ったことが無い。女神が海中の都を食べる。

ここは良くわかりませんが、ヴェルサイユの語源は“to be turning around”(くるりと回る、回転する)(参考:Versailles – Wiktionary)であるそうなので、世界の歴史が改変され元に戻ることを表しているのかも知れません。

「女神が海中の都を食べる。」はSCP-5000 – アニヲタWiki(仮)によればエドガー・アラン・ポーの詩『海の中の都市(The City in the Sea)』と関連があるのではないかと書かれています。

ラジオ音声を確認しましたが最後に「私は愛されたい。」という言葉の意味を考えます。この言葉は『それ』の正体を仄めかしていると思われます。

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それの正体

私は愛されたい。

こちらは『それ』の願望だと思われます。『それ』は他の神性実体ではなく自身を愛してほしいということです。悪く言えば他の神に嫉妬しているとも言い換えられます。

キリスト教グノーシス主義においては造物主(ヤルダバオート)は旧約聖書の神ヤハウェですが、この神は嫉妬する神として知られています。

聖書にもこう書かれています。

あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを施して、千代に至るであろう。

出エジプト記 20:5-6 

それ』もグノーシス主義におけるヤルダバオートと同じく、嫉妬する神である旧約聖書の神ヤハウェではないでしょうか?「神よ我らを救い給え、ワン」とテジャニは言っていましたが、この神自身がそれを言わせていたということです。

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SCP-5000とは

まとめます。SCP-5000のストーリーはグノーシス主義が根底にあると考えられます。

PNEUMAプロジェクトで人間の本質である霊(プネウマ)が発見され人類が、ヤハウェにより肉体と魂という牢獄に囚われ、死すべき定めを与えられている異常な状態にあることが判明します。人類本来の姿がどういうものかは分かりませんが、治療により肉体に由来する生存に必要な生物学的本能から人間を開放することで、本来の姿に近づくと思われます。

異常な状態から肉体を捨て去り本来の姿に完全に戻るには人類の絶対数を減らす必要があり、そのために財団は人類根絶にアノマリーを用いたと思われます。これはヤハウェの介入を誘う意味があったとも思われます。

ヤハウェは世界を元に戻すためにピエトロを利用し、ピエトロにSCP-055をSCP-579に運ばせこれを接触させたと思われます。ピエトロの自己犠牲により、歴史改変が起き、世界は元に戻りました。

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ピエトロの最後

ピエトロは最後に

ああ … そういう事だったのか。
Oh … so that’s how it is.

と何が起きたかを理解します。これはおそらくヤハウェによるもので、ピエトロにはある種の祝福としてずっと知りたいと願っていた謎の答えが与えられたのではないでしょうか?

ピエトロは最後に自分が探偵ではなく”他人の物語のために死ぬ奴”であると覚悟し、自己犠牲により世界を救います。これはゴルゴタの丘で磔になることで、原罪を贖い救いをもたらしたイエス・キリストの姿と重なります。イエス・キリストは死後、復活しましたが、ピエトロの死後、世界は元に戻り、もう一人のピエトロの生存が確認されました。

こうして世界は元に戻りました。しかし最後に疑問が残ります。はたしてこの世界や神が創造した肉体は本当に悪の存在なのでしょうか。元の姿に戻ることは人間をやめることと同義です。そもそも至高神は本来に善なのでしょうか。人間の本質とは一体何なのでしょうか……。

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おわりに

非常に長くなりましたが、これでSCP-5000の記事は終わりです。財団が宣戦布告を行う衝撃の展開で一気に作品に引き込まれました。まさにSCP-5000を飾るのに相応しい面白い作品でした。最後までお読み頂きありがとうございました!

SCP-5000 – Why?
SCP-579 – [DATA EXPUNGED] 
SCP-682 – Hard-to-Destroy Reptile
SCP-055 – [unknown]
原著者 xthevilecorruptor
http://www.scp-wiki.net/scp-055
http://ja.scp-wiki.net/scp-055
SCP-2200– Soulberg
SCP-2466 – Slay Dragon Save City
原著者 Communism will win
http://www.scp-wiki.net/scp-2466
http://ja.scp-wiki.net/scp-2466

SCP-2639 – Video Game Violence
原著者 The Great Hippo
http://www.scp-wiki.net/scp-2639
http://ja.scp-wiki.net/scp-2639

SCP-3199 – Humans, Refuted
SCP-4666 – The Yule Man
原著者 Hercules Rockefeller
http://www.scp-wiki.net/scp-4666
http://ja.scp-wiki.net/scp-4666
SCP-2998 – Anomalous Transmission, 2485 MHz
原著者 Eskobar
http://www.scp-wiki.net/scp-2998
http://ja.scp-wiki.net/scp-2998

Roget’s Proposal
原著者 Roget
http://www.scp-wiki.net/roget-s-proposal
http://ja.scp-wiki.net/roget-s-proposal

コメント

  1. 興味深い考察です。ありがとうございました。

    • ご覧頂きありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです。

  2. なるほどなー!
    筋が通りますね、すっきりしました
    考察ありがとうございます

    • ありがとうございます!光栄です。

  3. グノーシス主義に対する知識なんてどこで身につけたんだw女神転生以来忘れてたワードですわ、
    Tanhony氏の他作品まで考察を広げて考えると、的を得た素晴らしい考察だと思います!

    • お褒めの言葉、ありがとうございます!
      学生の頃、講義で少しかじりました。まさか役立つ日が来るとは……。

  4. こんにちは。
    アニヲタwikiの「【生きている】異常説」を含む編集をした者です。

    我々の仮説は、「この世界で当たり前のように生きて、当たり前のように肉体の感覚を受け入れていること自体が唾棄すべき異常だった」という点が共通していますね。
    逆に、方向性の異なる点としては「財団の目指した幸福が誰にとってのものか」が挙げられるでしょうか。【生きている】異常説では、殺害された一般人も含めた一人一人の幸福を目指し、グノーシス主義説では、人類という総体の幸福を目指して(個々人の幸福は無視または紛い物だとして)いると表現できるように思います。

    自分はグノーシス主義については詳しくないため(買ったっきり開いていない本が本棚に……)、この分野に「プネウマ」の用語が用いられているとは知りませんでした。
    SCP界隈……というかキリスト教圏オカルト界隈はグノーシス主義大好きですから、なかなかに有り得そうな仮説だと感じます。「私は愛されたい」の言葉なども、宗教的な被崇拝者をどこか感じさせますね。
    むしろ、アラン・ポーの蛆虫の詩なども、ポーはグノーシス主義を下敷きにして執筆したのかもしれません。我々の仮説が、両方ともSCP-5000の正解だったりしたら面白いですね。

    • 思わぬ方からのコメントで驚きました。読んでいただきありがとうございます。

      > 我々の仮説は、「この世界で当たり前のように生きて、当たり前のように肉体の感覚を受け入れていること自体が唾棄すべき異常だった」という点が共通していますね。
      そうですね、生命というあり方自体が異常だったということになりますね。この記事を完成させる前にアニヲタwikiで、「【生きている】異常説」の文字を見た時は、内容が被ったのかと焦りました……。
      エドガー・アラン・ポーの詩との関連についての指摘は目から鱗でした。

      グノーシス主義が背景にある作品は多いですね。サーキック・カルトやPitch Havenの下敷きでもあるので、何か考察の手助けにならないかと思い、最近少しグノーシス主義の本を読んでいました。
      そんな時にSCP-5000を読み、「プネウマ」を見てこの説を思いつきました。

      SCP-5000は色々と考察できるのがいいところですね。

  5. すごい!!
    眼から鱗の考察でした!!カタリ派的なアレで説明するとは・・・
    肉体と精神の話なら、ブライト博士が影響されないのも当然ですね。(もうとっくに分かれてるからww)
    ピエトロは最後に死んだことで肉体と精神が切り離され、
    全てに気づいたとしたら、真相を知ったのがリセットボタン押した後という。
    最初の感想が逆転して、バッドエンドに思えてくるくらい考えさせられました。
    深い考察、ありがとうございます!!