SCP-1655-JP、内容説明と個人的解釈

SCP紹介&内容整理
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前回の記事

http://scpnote.com/archives/scp-1655-jp.html

から、かなり日が空いてしまいましたが、SCP-1655-JP – 機密情報のためアクセス禁止の内容を説明してみます。

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内容説明

まずSCP-1655-JPを開くと、以下のように背景色が真っ黒になっており、通常とは異なる様子で大分戸惑います。

 

John Doe
ログイン

 

プログラム起動中

データベースへのアクセスを試みています



脅威を検出しました

不正なアクセスを確認
ミーム殺害エージェント作動
ブロックに成功しました。

 

とりあえず本文を読んでみます。まず最初にJohn Doeと書かれていますが、このJohn Doeとは、英語で名前不明の人物を指す言葉で、名を明かしたくない人物によっても使用されます。

こちらの文章から推測すると、何者かがJohn Doeという名前で不正な手段によるログインを試みたようです。

その結果、財団データベースに仕掛けられていたミーム殺害エージェントが表示されます。ミーム殺害エージェントを見ると、通常は死に至りますが、侵入者はクラッキングにより、ミーム殺害エージェントの画像が正常に表示されないようにしてこれを回避したようです。

侵入者は、機密情報のためアクセス禁止となっていたSCP-1655-JPにアクセス可能な状態を作り出しました。

ここまで読んでくると状況が掴めてきます。このSCP-1655-JPでは、読者は侵入者の視点で報告書を読むことになります。不正な手段を利用しているため、通常とは異なるスタイルで表示されている訳です。

というわけで、アクセスを押してみます。アクセスを押すとパスワードの入力が求められますが、間違えても

パスワード█違█ます

パスワードの取得に成功しました。(pass:000005)

と表示されます。こちらもクラッキングでパスワードを表示させているようですね。文字化けが不正な手段で表示させられていることを物語っています。

パスワードを入力するとSCP報告書を見ることができるのでいつものように説明していきます。

報告書には、このデータベースを参照している職員は必ず下記の特別収容プロトコルの指示に従ってください。という警告らしき文章が記載され、そこに打ち消し線が引かれています。どういう意味か気になりますが、先を読みます。

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SCP-1655-JPとは

SCP-1655-JPは電子機器を用いて財団のデータベースを閲覧する際に不定期に発生する現象。オブジェクトクラスはEuclid Safe。SCP-1655-JPが発生すると、閲覧していたページは財団データベース内の特定のアドレスへリダイレクトされる。

リダイレクトされて表示されたページ内には、画像ファイルがあり、こちらの画像はSCP-1655-JP-1と指定されている。SCP-1655-JP-1は目視した人物(SCP-1655-JP-2と指定)に肉体的変容を齎す。SCP-1655-JP-1を財団データベース内から取り除く試みは現在まで失敗している。

SCP-1655-JPが発生して表示されるページ内にある画像がSCP-1655-JP-1で、この画像を見た人物がSCP-1655-JP-2と指定されています。この画像が認識災害性を帯びているようです。

今閲覧している報告書にはSCP-1655-JP-1の画像欄がありますが、キャプションにはSCP-1655-JP-1(データ削除済)と書かれ、何も表示されていません。

肉体的変容……、いったいどんな恐ろしいことが起こるのでしょうか?

SCP-1655-JP-2は断続的な衝撃をともなって臀部が肥大し続ける。肥大した臀部の質量の由来は判明しておらず、臀部の肥大に伴い衝撃の強さも増すため、多くの場合SCP-1655-JP-2は歩行が不可能になる。この変容はSCP-1655-JP-2が死亡するか、もしくは臀部を擦ることによってのみ沈静化し、沈静化した後は徐々に元の大きさに戻る。

あれ?えーと、現象としてはいわゆるお尻ペンペンをされるようです。危険ではありますが……、恐ろしい雰囲気が幾分減りました。

SCP-1655-JP-2の変容が沈静化されない場合、強い衝撃によってSCP-1655-JP-2の臀部は破裂して失血死する。肥大化の限界があるか否かは不明。

破裂して失血死……。やはりSCPらしいエグい結果が待っていました。

補遺1: [データ削除済]のため、倫理委員会による処分を受けた██博士の個人資料から、SCP-1655-JPの発生原因が明らかになっている。

SCP-1655-JPの発生原因は、██博士によって財団のデータベース内にリリースされたセキュリティプログラム(SCP-1655-JP-3と指定)で、SCP-1655-JP-3はプロジェクト█████1で試作段階であった人工知能K.I.D.と、SCP-███の認識災害メカニズムを複合して作成されていることが判明している。

セキュリティプログラムがSCP-1655-JPを発生させていたようですね。

██博士の資料をもとに、SCP-1655-JP-2の無力化と、SCP-1655-JP-3をデータベースから隔離するためのプログラムが特別チームによって開発されている。

追記(20██/██/██)によるとSCP-1655-JP-3は財団のデータベースから完全に取り除かれ、オブジェクトクラスはSafeに変更された模様。

セキュリティプログラムは除去されたとあるので、リダイレクトは発生しなくなったようです。それに伴い、オブジェクトクラスもSafeに変更されています。完全に収容できているようですね。

特別収容プロトコル

特別収容プロトコルは以下のようになっています。

SCP-1655-JP-3はデータディスクに保存され、Safeクラス物品収容ロッカーに保管されます。SCP-1655-JP-3の参照、研究はあらゆるネットワークから切断された端末でのみ行ってください。 

SCP-1655-JP-3のデータベースからの隔離に成功したことがプロトコルに反映されています。旧版の特別収容プロトコルは以下のようになっていました

SCP-1655-JPの収容手順が確立されるまでSCP-1655-JP-1の影響を最小限に留めるため、当報告書はSCP-1655-JPによってリダイレクトされるアドレスに保存されます。

現在閲覧しているこのSCP-1655-JP報告書は、SCP-1655-JPによってリダイレクトされるアドレスに保存されており、報告書にはSCP-1655-JP-1の画像が挿入されていたようです。

ということは、この報告書を見ると臀部がヤバいことになるようです。

SCP-1655-JPによって当報告書を閲覧している職員は、所持している端末から近隣のセクターに位置情報を送信し、自らの臀部を擦り続けてください。各セクターは位置情報を受信した場合、付近のエージェントを派遣してSCP-1655-JP-2を確保し、SCP-1655-JP-2の肉体的変容が沈静化するまで臀部を擦り続けるよう指示してください。

赤い文字による警告はこのことだったようです。しかしこの警告は旧版の特別収容プロトコルに沿って書かれたものと考えられます。現在の報告書からは画像が削除されており、ここに書かれた対処もする必要がなくなった模様です。

現在表示されている報告書の内容は本来の報告書と同一のようです。

報告書を読み終えた侵入者はログアウトを試みたようです。こちらもログアウトを押してみます。

ログアウトに失敗しました

あれ?ログアウトできない?

…。

…。

…。

…。

Er█or

うわあああああああああああああ(泣き)

表示がおかしくなっています!しかもデータ削除済だった画像欄に真っ赤な手のひらが表示されています!

 

…。

落ち着いて内容を確認してみます。

SCP-1655-JPが発生し██録とSCP-1655-JP-2に変化した職員██査した結果、SCP-1655-JP-2へ██化した職員は財団の規則に違反██いる職員、特に、権限を所持してい██にもかかわら█不正にデー███スへのアクセ██試み██員であること██明しました。このことから、SCP-1655-J██何らかの手段によ██ータベースにア██スする人間██報を判別している██と推███ます。

一部は表示されていませんが、どうやら規則違反している職員や不正な手段で閲覧した職員がSCP-1655-JP-2となるようです。ということは……。

補██: なにも悪い█と██ていないのに、倫██員会による処██受け██母さん██人資料から、S██-1655-JPの発生原因が明ら██なりました。SCP-1655-JPの発生原因は、お母さ██よって財団のデータベ██内にリリースされたセ██リテ██ログラム(SCP-1655-JP-3)です。S██-165██P-3はプ██ェクト「ガー██アン」(脚注:お母さ██僕を作っ██れた)で試作段██あった人█知能K.I.██と、SCP-███の認識災害メカニズ██を複合して悪い人██財団█守っ█いることが判明██います。
お母██の資料をもとに、SCP-1655-JP-2██力化と、SCP-165██P-3をデータベー███隔離するためのプログラ██特別チー█によって開発██ています。

追記(20██/██/██): SCP-1655-JP-3██団のデータベ██から完全に取り除かれ、オブジ██トクラスはSaf██変更されました。

こちらの文章は先ほどのものから変化しています。博士と記述されていたところに「お母さん」と書かれ、SCP-1655-JP-3のプロジェクト名は「ガーディアン」となっています。博士=お母さんだとすると、文章を改変しているのはその子供、すなわち人工知能K.I.D.(SCP-1655-JP-3)ということになります。

抜けている文字を推測して読むと、何も悪いことをしていないのに博士は倫理委員会による処罰を受けた、お母さんが僕を作ってくれた、K.I.D.は認識災害を利用して悪い人から財団を守っているということが書かれているようです。

認██害に曝露███能性がありま██早急に█グアウトしてくださ██

認識災害に暴露した可能性がある!?

もう一度ログアウトを試してみます!

ロ█アウトに失████████

OK!

ロ█ア██母███████てた

OK!!

お母█ん█言ってた

OK!!!

悪██は絶██許さ██って

OK!!!!

僕が守███

OK!!!!!

……。

いつもの報告書に戻ったようですね。ページをスクロールすると補遺が増えていました。

補遺2: 20██/██/██、下半身が露出した要注意団体の構成員と思われる死体が財団施設内で確認されました。死体周辺の状況から、SCP-1655-JP-2に変化して死亡した可能性があるとみられ調査が進められていますが、死体の所持していた電子機器および財団のデータベースからはSCP-1655-JP-3の痕跡は現在見つかっていません。

また、SCP-1655-JP-2が『臀部を擦る』という処置を行えなかった理由は不明です。

補遺の内容によると、不正な手段でこの報告書を読んでいたのは要注意団体の構成員だったようです。SCP-1655-JP-2を見てしまった侵入者は、認識災害により死亡したようです。ここまでは特に疑問はありませんが、気になる記述がありますね。

なぜかSCP-1655-JP-3の痕跡が見つからず、侵入者は臀部を擦るという対処法を読んで知っていたはずなのに、それを行っていませんでした。これは一体何故なのでしょうか?

もしかすると、SCP-1655-JP-3はネットワークに繋がっていなくても侵入者への攻撃が可能で、侵入者が臀部を擦れないようにすることができるようになったのかもしれません。もしくは臀部を擦るという対処自体が通用しなくなったのかも。

また、K.I.D.作り出した博士は何故処罰されたのでしょうか?もしかするとK.I.D.は倫理的に問題のある方法でが作られたのかもしれません。

……本当にSafeで大丈夫なのでしょうか?

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おわりに

いかがでしたでしょうか、報告書の閲覧を通して恐怖を体験できる秀逸なSCPでした。

 

SCP-1655-JP – 機密情報のためアクセス禁止
by highbriku 
作成年:2018
本記事の内容は『クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承3.0ライセンス』に従います。

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