SCP財団では、9周年イベントとしてQのコンテストが開催中であり、冬には「幻想」がテーマとなったSCP-3000-JPコンテストが控えており、また「Luck(運)」がテーマとなったSCP-7000コンテストが現在開催中です。
いろいろと目が離せませんが、それはそれとして今回はクマが関連するSCPを紹介したいと思います。
時に人に襲いかかる猛獣であると同時に、テディベアやクマのプーさんといったマスコット的な愛くるしさを有するというクマの両極端の特徴は、SCP財団でも存分に発揮されています。
クマ関連SCP
SCP-1048 – ビルダー・ベア
SCPのヤバいクマと聞けば、真っ先に思い浮かぶのがこちらのSCP-1048 – ビルダー・ベアです。
愛らしく振る舞うテディベアのSCPですが、危険すぎる裏の顔が明らかになり、読者に恐怖をもたらします。ライセンスの問題から画像差し替えとなりましたが、現在、画像は削除されています。
SCP-1145 – ナガサキ・テディ
こちらもクマの縫いぐるみのSCPですが、見た目の時点ですでに危険な雰囲気が漂います。
SCP-1145は常に2.7ペタベクレルの放射線を放出しており、光に照らされていない場合は最も近くにいる人間に接近して、放射線量を増大させ、対象を死に至らしめるという非常に危険な性質を有しています。
SCP-1055 – バグジー
こちらのSCPは、一見するとクマとはあまり関係なさそうに見えますがそれは表向きで、本来はハイイログマに似た非常に危険な存在を指していました。
本来のSCP-1055は、観察者がSCP-1055に対して抱いた敵対心や恐怖に応じて自身のサイズと敵対心の両方を増加させます。多数の人々に認識された場合、急速に成長し、あらゆる生命体を攻撃するための付属肢や知覚器官を生じさせ、際限なく破壊を繰り広げていくという危険な異常性を備えており、何度も収容違反していました。
財団はどうやって収容したのでしょうか……?
SCP-1313 – 熊について解け
SCP財団では、しばしば奇想天外な『何言ってんだコイツ……』となるオブジェクトが登場しますが、こちらのSCPはその一つです。SCP-1313はクマではなく、とある異常な数学方程式です。こちらの方程式を解くと、その解として1頭の雌のUrsus arctos (ヒグマ) が生成されます。
ジョーク記事にありそうなオブジェクトですが、生成されたヒグマは成体で、「頻繁に激怒」しているため、教育機関等で偶然生成された結果、多数の死傷者が発生するという危険なオブジェクトとなっています。
解は物理的に表現される必要はないため、ただ解に達するまで十分に長く問題を考えた場合も、その方程式を解いている被験者の中、または周囲にクマが出現します。
これだけでもシュールすぎますが、√SCP-1313の解として「生きたハイイログマの平方根」やSCP-13132の解として「掛け合わされた2頭の生きたハイイログマの乗積」が生成されると書かれており、余計に読者を困惑させます。
SCP-2875 – 熊に侵された町
このSCPはクマ自体ではなく、異常現象を指しています。その異常現象とは、ある町の中で50~100頭の成熟したハイイログマ(SCP-2875-A)が3日おきに出現するというものです。
シンプルな異常性ですが、被害は大きく街の住民の数多くがSCP-2875-A個体により殺害されたようです。銃火器や爆発物によって殺害すると、死骸の隣に2頭の新たな個体が出現するため、担当する機動部隊は鎮静スプレーを使用後、鈍器で頭蓋を損傷させて排除しています。
SCP-2295 – パッチワークのハートがあるクマ
こちらはビルダー・ベアとは対極的に臓器を失った人物に治療を行うクマのSCPです。
SCP-2295はパッチワークの縫いぐるみのクマで、臓器を失った人物に対して、ハサミ、白い糸、縫い針等を、自分の口から取り出し、周辺の生地や詰め物を利用してその臓器を模倣したパッチワークの臓器を作り出します。
作り出されたパッチワークの臓器は、負傷した臓器と入れ替わり、正常に機能し始めます。実験を読むとSCP-2295の優しさが感じられます。
SCP-106-JP – 金太郎の再来
こちらのSCPはSCP-1313と同じく、シュールなSCPです。
SCP-106-JPは見た目は一般的な手斧ですが、この手斧を手にした人物は、即座にその場からSCP-106-JPと共に消失し薄暗い森の中へと転移します。この森はどこへ向かっても最終的には中心に土俵がある大きな広場に辿り着き、そこで日本語を話すことが出来る体長3m程のヒグマ(SCP-106-JP-1として指定)から、相撲勝負を持ちかけられます。
調査に向かった財団エージェントは相撲勝負に臨みます。はたして勝負の行方は……?
SCP-456-JP – 死のテディベア
SCP-456-JPもテディベアのSCPです。しかしながら、報告書の画像のテディベアは非異常です。一体どういうことでしょうか?
説明によれば、SCP-456-JPは致死的な認識災害を有しており、直接視認した人間は心臓発作を起こして死亡します。また、一部の人間のみが耐性を持っていると記述されています。しかしこれはダミーオブジェクトであり、本当のSCP-456-JPは別の異常存在であることが判明します。
SCP-1048-JP – 恨み募る熊
こちらのSCPは異常行動を起こす雄のエゾヒグマです。SCP-1048-JPは自身の肉体よりも狭い空間に侵入が可能で、人間に接近すると口腔から体内へ侵入して、およそ60秒ほどで口内から体外に再出現します。
この時侵入された人間は、体内でSCP-1048-JPが動き回る感触を感じるものの、健康被害を与えず、その後まだ侵入を行っていない他の人間の捜索を開始します。
あまり害はなさそうに思えるSCPですが、実験記録を読むとSCP-1048-JPの執念に戦慄します。
SCP-1327-JP – 憂鬱なテディベア
こちらもテディベアのSCPです。自らの意思で動き、コミュニケーションも可能ですが、SCP-1327-JPは重度の鬱病と思われる症状を発しています。それには悲しい理由がありました。
全高30cm、体重3kg、主材質はポリエステルとウレタンで構成されています。SCP-1327-JPは標準的な成人の知能を持ち、既存のあらゆる言語を介してコミュニケーション可能です。また、平均的5才児程度の運動能力を保持しています。
201█/██/██に、六本木において開催されたマーシャル・カーター&ダーク株式会社のオークションで「お子様にピッタリの遊び相手、話し相手にも遊び相手にもなれるテディベア」として出品された所を、財団エージェントにより確保されました。
財団カウンセラーのインタビューを通して、SCP-1327-JPの過去が明らかになります。
SCP-1909-JP – 熊に潜る
こちらのSCPもシュールなSCPです。SCP-1909-JPは異常性を持つヒグマで、体に触れるとメタタイトルの通り体内に潜り込む事が可能となります。SCP-1909-JPの体内はSCP-1909-JPの体毛・血液・筋肉・内臓が混ざり合った空間となっており、体内を泳いで移動する事が可能です。
これだけでも訳が分かりませんが、異常はそれだけに収まらず、体内の空間に存在するクマ科の個体(SCP-1909-JP-2と指定)に触れると、SCP-1909-JP-2体内に潜ることができ、その体内にも別のSCP-1909-JP-2が存在しています。
ここまで来れば予想がつくと思いますが、この別のSCP-1909-JP-2個体にも潜ることができます。入れ子構造で計7つの階層が存在しています。
B7に到達すると……。
SCP-2200-JP – そり立つはでっかいクマさんの
こちらは下ネタ注意のSCPです。SCP-2200-JPはテディベアですが、SCP-2200-JPの股間にはヒトの██が結合されています。
性自認が女性の人物がSCP-2200-JPを視認すると、SCP-2200-JPの██を一切認識することが出来なくなるという異常性を有しています。出所を探るとこのSCP-2200-JPは、ある家族の母親により購入されたものであると判明します。
仕事帰りの父親が自宅で目にしたものとは……
SCP-5270 – Press X to Bear
これまでは物理的実体を有するクマのオブジェクトを紹介してきましたが、このSCP-5270に登場するクマは、それらとは異なり、ピクセルアートで描かれた、携帯ゲーム機のキャラクターとして登場します。
SCP-5270は、“ニンフレンドーゲームベアアドバイス”というブランド名のゲームボーイアドバンスに類似する設計の携帯ゲーム機です。電源を入れると、SCP-5270は擬人化されたクマのピクセルアート(SCP-5270-1と指定)を表示します。
SCP-5270-1には会話能力があり、SCP-5270のマイクに向かって述べられた質問や声明に反応します。SCP-5270-1は、非常に社交的であり、子供っぽい振舞いを見せ、概してカジュアルな話し方をします。しばしばSCP-5270を使って意思疎通する研究者たちに助言を提供します。
インタビューによればSCP-5270-1は人々を助けるように設計された存在でしたが、作成者に放棄されたことで、寂しさに襲われ、時折泣いているアニメーションが表示されていました。
SCP-5270-1を担当する財団のサミュエル・グレンスターン研究員は、そんなSCP-5270-1のためにある行動を起こします。
尛熋-CN⚠2801
こちらのSCPに登場するクマは非常に恐ろしい印象を与えるクマとなっています。ホラー要素満載のため閲覧注意です。読む時間帯によって内容が変化するギミックなど多くの仕掛けが施されています。ちなみにメタタイトルは小熊という意味のようです。
SCP-CN-2801は情報災害/精神災害性を備える異常現象ですが、発現メカニズムや具体的な性質は[プロトコルロック]されていて不明となっています。SCP-CN-2801の発生範囲は地球全域に及び、日没から日出までの時間帯、光の乏しい密閉/半密閉空間に現れる可能性があります。
その犠牲者は皆現場から消失しています。
SCP-CN-2801は顕現時、物陰に不活性状態として出現します。ソレはしばしば「巨大かつ普通ではない影」と表現され、遭遇者に強烈かつ非合理的な不安と恐怖をもたらします。この時、遭遇者の多くは好奇心に駆られ、観察のため近づいたり、光源で照らしたりして、オブジェクトを物陰の外へ延伸させます。ひとたびSCP-CN-2801が延伸されると、遭遇者はその影響から二度と脱せなくなります。
物陰に潜み、遭遇者に強烈かつ非合理的な不安と恐怖をもたらすとともに、遭遇者を消失させる存在がSCP-CN-2801と指定されている模様です。肝心のクマはSCP-CN-2801顕現時に姿を見せています。恐ろしいクマの正体とは……。
おわりに
クマ関連SCPを紹介してきました。同じクマでもかなり方向性が異なっていましたね。最後までお読み頂きありがとうございました!
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