Twitter上で話題になりましたが、2019年4月10日にSCP財団のコミックアンソロジー、SCP財団コミックアンソロジー 怪、SCP財団コミックアンソロジー 奇がKADOKAWA 電撃コミックスEXから発売されます。
この記事では気になる収録作品の一覧とその内容、漫画化した作者の方をまとめてみました。作者の方による告知ツイートも紹介しています。
※2019/03/30、SCP-903-JP、SCP-818-JPがComicWalkerにて先行公開されたので、リンクを追記しました。
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書籍情報
SCP財団コミックアンソロジー 怪
原作 SCP財団
定価: 842円(本体780円+税)
発売日:2019年04月10日 判型:A5判 商品形態:コミック ページ数:144 ISBN:9784049125085
SCP財団コミックアンソロジー 奇
原作 SCP財団
定価: 842円(本体780円+税)
発売日:2019年04月10日 判型:A5判 商品形態:コミック ページ数:128 ISBN:9784049125092
紹介文
ようこそ、SCP財団へ――。怪しく怖ろしい存在をお伝えしましょう。
インターネット上で話題の怪奇創作サイト「SCP財団」のアンソロジー。都市伝説より奇妙で、怪しい存在をオムニバス形式で紹介。今のサブカルチャーホラー文化の先端を、目にできます。
本アンソロジーはSCP Foundation、SCP財団を原作とし、CC BY-SA 3.0に準拠しています。
SCP財団の作品がコミックアンソロジーとして出版されるのは初のことと思われます。このアンソロジーの企画・収録作品の選考はKADOKAWAによるもので、SCP-JPスタッフの方は関わっていません。ライセンス表記に関しては、KADOKAWAの担当者からスタッフの方に問い合わせがあり、スタッフの方によりライセンス表記に問題がないことが確認されています(SCPに関するアンソロジーの書籍が発売されるらしい)。
SCP財団コミックアンソロジー 怪・奇 収録作品
SCP財団コミックアンソロジー 怪
カバーイラスト
SCP-106 – オールドマン
イラスト:ナカノショウテン
プロローグ
漫画:レルシー
SCP-049 – ペスト医師
漫画:是人
SCP-300 – “瓶詰めの世界”
漫画:パーシモン
SCP-818-JP – えらいねぇ〜
漫画:Garakuta
SCP-2480 – 未完の儀式
漫画:亜能二無
SCP-3998 – ウィッカー・ウィッチは生きている
漫画:眞田居間
SCP-076 – “アベル”・機動部隊Ω-7事件記録
漫画:松(A・TYPEcorp.)
SCP-3213 – 失せな、カール
漫画:ヨースケ
SCP-166 – 年頃のサキュバス
漫画:ネーム/みちよん・制作/イルヒ
SCP-191 – サイボーグの少女
漫画:鳴蚊嶋五連・速水
エピローグ
漫画:レルシー
SCP財団コミックアンソロジー 奇
カバーイラスト
SCP-1782 – 白紙
イラスト:ナカノショウテン
プロローグ
漫画:レルシー
SCP-040-JP – ねこですよろしくおねがいします
漫画:タダノなつ
SCP-903-JP – Mr.コジロウ feat.愉快なダンサー
漫画:R-one
SCP-168 – 暗闇嫌いな計算機
漫画:Garakuta
SCP-239 – ちいさな魔女
漫画:ネーム/みちよん・制作/からくり武者
SCP-020-JP – 翼人
漫画:パーシモン
SCP-120-JP – 世界で1番の宝石
漫画:天宮昇華
SCP-1045-JP – お眼鏡にはかなわない
漫画:レルシー
SCP-918-JP – それは誰かが見果てた夢
漫画:宵待愛理
エピローグ
漫画:レルシー
それでは簡単に作品を紹介していきます。SCP財団をご存じでない方は以下をご覧下さい。
SCP財団のサイトでは、『財団という名の秘密裏かつ世界規模で活動を行っている組織が、世界の正常性を維持するために異常な物品、存在、現象等のオブジェクトを封じ抑え込む活動を行っている』という共通の世界観・設定の基で創作された作品を投稿・閲覧することができるサイトです。
財団の任務は異常なオブジェクトの確保(Secure)、収容(Contain)、保護(Protect)の3要素からなります。異常なオブジェクトがあればそれを確保し、一般社会から隔離して収容し、その異常が科学的に解明されるまで失われないように保護します。
SCP財団の各作品は、財団職員によって作成された報告書という形式で書かれています。この報告書は異常な物品、存在、現象(SCPオブジェクトと呼称)の封じ込め方法を示すために作成された文章で、基本的には、オブジェクトのアイテム番号、オブジェクトの収容難度・危険性を表すオブジェクトクラス、オブジェクトの収容方法を記した特別収容プロトコル、SCPオブジェクトの説明から構成されています。
「SCP」という言葉は特別収容プロトコル(Special Containment Procedures )の略称です。この報告書及びSCPオブジェクトが「SCP」と呼称されます。出典:SCP財団とは
SCP財団コミックアンソロジー 怪 作品紹介
SCP-106 – オールドマン
こちらのSCPは、その恐ろしい画像や内容が多くの読者を震え上がらせてきた危険度の非常に高いオブジェクトです。オブジェクトクラスはKeterとなっています。
SCP-106 – オールドマンは、人間を、特に若者を狩ることを好む老人の姿に見える人型実体です。その狩りは人間の内臓や筋肉、腱を傷つけ動けなくさせ、ポケットディメンションに引きずり込み、内部で犠牲者を弄ぶという恐ろしいものとなっています。
さらにSCP-106は身体的損傷を受けないため、物理的抑制が不可能で、あらゆる個体を通り抜けることができ、触れた固体を腐食させる能力を有します。またSCP-106はポケットディメンションと呼ばれる、ホールと部屋で構成された異空間に出入りすることができます。
その能力故にSCP-106は、たびたび財団の収容施設から逃げ出して収容違反を起こしています(収容違反とは収容状態が破られることを意味するSCP財団で頻出する言葉です)。
アンソロジーのイラストはナカノショウテンさんです。
SCP-049 – ペスト医師
SCP-049 – Plague Doctor
原著者 djkaktusとGabriel Jadeの共著
翻訳者 wired990
http://www.scp-wiki.net/scp-049
http://ja.scp-wiki.net/scp-049
作成年:2009
ペストマスクでおなじみのSCPです。SCP-049は人気キャラで画像検索すると多くのイラストが出てきます。オブジェクトクラスは3段階中2番目のEuclidです。
SCP-049はその名の通り中世のペスト医師の姿をした人型の実体。SCP-049の画像は不気味で危険そうな雰囲気がありますが、その予感通り異常な行動原理と能力を持っています。
その行動原理とは「悪疫 Pestilence」の撲滅です。悪疫とは悪性の流行病のことなのでこれだけ聞くとおかしなところはありません。問題はその「悪疫 Pestilence」が何なのかSCP-049にしかわからない点と、その治療方法にあります。
SCP-049は「悪疫」に冒されていると見なした人物を治療のために殺害し、死体に手術を行い蘇生させます。SCP-049は直接皮膚接触することによって生命体の全ての生物学的機能を停止させる能力を有し、黒い医師用バッグの中に入っている道具で荒削りな手術を行います。
蘇生された死体は記憶・精神機能を持たず基本的な運動能力および応答メカニズムのみを有し、SCP-049の指示で極めて攻撃的になります。
SCP-049のいう「悪疫」とは一体何なのでしょうか……?
漫画は是人さんです。
SCP-300 – “瓶詰めの世界”
原著者 Aelanna
http://www.scp-wiki.net/scp-300
http://ja.scp-wiki.net/scp-300
こちらのSCPは、aw教授が関与したオブジェクトです。aw教授関連のSCPは、SCP-300を含め3作品のみとなっており、あまり知られていないシリーズです。
aw教授はSCP-1408 – ヴィクトリア期の記憶書き換え装置によると、正しくはA.W█████教授で、19世紀のイギリスの人物のようです。aw教授関連のオブジェクトには大文字のWとAが組み合わさった文字が印されています。
SCP-300は華美な装飾が施された、アンティークな香水型のガラス瓶(SCP-300-1)と、その中に入っている約2.4ccの未知の琥珀色の液体(SCP-300-2)。オブジェクトクラスはSafe。
SCP-300-2の雫は、光学顕微鏡で観察すると、ビクトリア朝時代(1837年~1901年)のイングランドの田園、もしくは森林の風景の動画が表示されるという異常性があります。
SCP-300は1863/██/█にイギリスの[編集済]にある連続住宅の屋根裏から[編集済]と一緒に回収されたと、変則物体の安全保障、封じ込め、保護を目的とした王立協会のエージェントにより記録されています。
幻想的なSCPですが、風景を映すだけではなさそうです。
漫画はGarakutaさんです。
SCP-818-JP – えらいねぇ〜
http://ja.scp-wiki.net/scp-818-jp
こちらは日本支部のSCPで、老夫婦に見える人型実体が登場します。オブジェクトクラスはKeter。その異常性とは、老夫婦に見える人型実体が影響を受けた人物をいろいろ「えらいねぇ〜」と褒めてくれるというもの。あまり害がないように見えますが、徐々にねじ曲がった本性が明らかになります。
SCP-818-JP自体は、佐賀県█山に存在する50平方メートルの空き地内で発生する異常現象で、敷地内で人間が現代の日本国内で一般的に善いとされる行為をするとこの人型実体が出現します。
こちらのSCPは過去記事でも紹介しています。詳しい内容は過去記事をご覧下さい。
http://scpnote.com/archives/scp-818-jp.html
漫画はパーシモンさんです。
SCP-818-JPはComicWalkerにて先行公開されています。
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SCP-2480 – 未完の儀式
著者:Metaphysician
こちらのSCPは要注意団体、サーキック・カルト関連のSCPです。こちらは当サイト管理人の最推しのSCPのひとつで、アンソロジーに入っているのを知ったときは興奮しました。
サーキック・カルトは要注意団体の中でも屈指の危険性を持つ教団で、この教団の活動により世界が終焉を迎える可能性があると考えられている恐ろしい集団です。財団とサーキック・カルトの戦いはSCP-2480から始まりました。
財団は世界が終わりを迎えるシナリオをいくつか想定しており、それらはK-クラスシナリオと呼ばれるのですが、サーキック・カルトはXK-クラス世界終焉シナリオの可能性を含むSK-クラス支配シフトシナリオを引き起こす恐れがあるとされています。
SCP-2480はマサチューセッツ州にある、沿岸の深い森に覆われた町、███████に存在する次元的な異常です。その異常の中心はオカルトに傾倒していた億万長者の実業家、故コルネリウス・P・ボドフェル3世の邸宅で、内部に空間異常を有していました。
財団はSCP-2480の収容および研究のためボドフェル邸に隣接してサイト-13を構築しSCP-2480を収容しました。しかしある時サイト-13からの連絡が途絶し、調査に赴いた財団エージェントも行方不明になります。財団の機動部隊が派遣されましたが、様々な異常現象が続発し、ついにはエージェントが怪死。一体何が起きたのか――というところから話が続きます。
こちらも過去記事で詳しく紹介しています。
http://scpnote.com/archives/4053199.html
サーキック・カルト関連の過去記事はこちらです。
http://scpnote.com/archives/5572693.html
http://scpnote.com/archives/sarkic-cults-glossary.html
漫画は亜能二無さんです。
SCP-3998 – ウィッカー・ウィッチは生きている
原著者 Fantem
http://ja.scp-wiki.net/scp-3998
こちらのSCPは、スチュアート・ヘイワード博士とエージェント・サラ・クロウリーの物語が描かれた連作作品であるPitch Haven(ピッチヘイブン)シリーズのひとつです。しかしながら、SCP-3998はピッチヘイブンとの関連性が少ないためピッチヘイブンを知らなくとも楽しむことができます。
SCP-3998は17世紀後半に死亡し、案山子の形状に仕立て上げられた人間の死体。死体の脚部は欠如しており、広範な第四度熱傷に覆われています。
SCP-3998の異常性は毎晩、午後11:00から翌日の午前4:00 まで、発火して炎に包まれるというもの。この際、最も近くにいた、ある条件を満たす人物の胃の中に大量の沸騰したエタノールが出現します。条件を満たす人物とは恋愛関係にあった相手を殺害、または肉体的に虐待した人物で、その肉体は爆発的に炎上し肉体が二分されて死亡します。
財団の集めた資料からは、17世紀のセイラム居住者であるキャンディス・ヘイズと”クローヴィス”という謎の存在との物語が垣間見えてきます……。
Pitch Havenシリーズは現在、紹介記事を作成しています。公開した記事はこちらです。
http://scpnote.com/archives/pitch-haven-scp-2746.html
http://scpnote.com/archives/pitch-haven-scp-1913.html
http://scpnote.com/archives/pitch-haven-scp-1903.html
漫画は眞田居間さんです。
SCP-076 – “アベル”・機動部隊Ω-7事件記録
原著者 Kain Pathos Crow
http://www.scp-wiki.net/scp-076
http://ja.scp-wiki.net/scp-076
こちらのSCPも人気のキャラクターです。SCP-076は内部に石棺を有する立方体の石(SCP-076-1)と人型実体(SCP-076-2)から構成されているのですが、SCP-076といえば人型実体を指すことが多いです。この人型実体は無類の強さを誇り、殺害されるまでひたすら人を殺戮するという危険な存在です。
SCP-076-2は20代後半の痩せたセム人男性の見た目をした、灰色の目とオリーブ色の肌、黒髪を持つ人型実体。全身に多くの不可解で魔術的な刺青(大部分は嫌らしい目つきで睨む悪魔のような顔の形)が刻まれています。SCP-076-2はSCP-076-1に入っている間は死んでいますが、時折目を覚まし蘇生します。SCP-076-2はSCP-076-1から出て人間を探し始め、出会う人間すべてを殺戮します。
超人的な身体・戦闘能力からSCP-076-2の無力化は困難を極めます。さらに”空間の小さな穴”を通じてブレード状の武器を実体化させるという能力も有しています。もし殺害できたとしてもSCP-076-2の石棺の中で6時間から25年かけて再生します。その危険性と収容の困難さからオブジェクトクラスはKeterに指定されています。度々収容違反をしては武装した財団エージェントと交戦し多大な人的被害が発生しています。
過去にはSCP-076-2を戦闘員とするプロジェクトが計画され、彼を中心とした機動部隊Ω-7″パンドラの箱”が結成されました。コミカライズでは機動部隊Ω-7事件記録も含めて描かれるようですね。
漫画は松(A・TYPEcorp.)さんです。この方はニコニコ静画で『SCPをざっくり紹介』を連載されています。
SCP-3213 – 失せな、カール
原著者 Doctor Cimmerian
http://ja.scp-wiki.net/scp-3213
こちらのSCPは、今までの怖いオブジェクトとは異なり笑えるSCPとなっています。SCP-3213はカール・プロッサーという名の44歳の人間男性で、この男性が鰭脚類(アシカやアザラシの仲間)に属する生物の視線上にいると、それらの動物は知性を持ち、なぜかこの男性に対してのみ直接的な罵声を浴びせ、攻撃を加えてきます。
このカールという男性、雨の降ってる夜に鰭脚類に何かやらかしたようですが、一体何をしたのでしょうか……。
ちなみにこのSCPのタイトルは変更後のもので、元々は非常に長いタイトルでした。変更前のタイトルはこちらです。
それは暗い嵐の夜のことだった。雨はまるで滝のような勢いで降っていた — 氷のように冷たい砂を吹き散らしてゆく激烈な突風によって差し挿まれる、時折の合間を除いては(と言うのもこの場面はアラスカが舞台だからである)
SCP-3213はテーマに沿ったSCPを24時間以内に作るコンテスト、72時間ジャムコンテスト3日目のエントリー作品でした。そのテーマは”It was a dark and stormy night…” (「それは暗い嵐の夜のこと……」)。
この文章は「英文学史上最悪の冒頭文」と評されるイギリス人小説家、エドワード・ブルワー=リットン – Wikipediaの著作“ポール・クリフォード”の冒頭で、スヌーピーが書く小説の書き出しはこの文章のパロディです。
漫画はヨースケさんです。
SCP-166 – 年頃のサキュバス
原著者 DrClef
http://www.scp-wiki.net/scp-166
http://ja.scp-wiki.net/scp-166
こちらのSCPでは、オブジェクトの悲しい過去が描かれています。
SCP-166は標準的な身長とスレンダーな体格を持つ10代後半の人間の女性のように見える人型実体です。一般的な人間と比べると髪の毛の成長が早く、タバコの煙やエアロゾルと言った大気中の粒子に対するアレルギーを持ち、皮膚が圧迫などにきわめて弱いという特徴があります。
SCP-166を視界に入れた男性は、100%例外なく即座にSCP-166に対する性的な欲求を示します。そのうちおよそ70%は、SCP-166がいなくなると衝動も消えますが、残りの30%の被験者は強迫観念に取り付かれ、SCP-166に接近するため暴力的な行為に訴えようとします。
SCP-166の男性に対する影響力は本人に少なからぬストレスを与えるため、男性とSCP-166が接触することは厳しく制限されているます。
詳しくは過去記事をご覧下さい。
http://scpnote.com/archives/6190400.html
SCP-191 – サイボーグの少女
こちらのSCPは、その名の通り肉体を一部機械化された█歳ほどの人間の少女です。SCP報告書にはSCP-191の画像がありますが、閲覧注意です。
SCP-191は█████████のラボから発見され、故█████ █████████博士によるいくつかの実験的手術の被験者であったと推測されます。この博士は████████████の一員であると疑われています。
以下はその改造の一部です。
- 複雑な送受信システムに置き換えられた目と耳。入出力は映像と音声のみならず、広範囲な電磁放射照準、低周波ラジオから高エネルギーガンマ線まで可能。
- 右前腕に移植されたUSB、イーサネット、IEEE1394、およびDIN-8ピン、7つの未知のフォーマットの入出力デバイス。
- 脳に移植された24コアプロセッサ配列。本質的には外部インターフェースを用いずにコンピューターのデータを書き、読み取る事が可能となっている。
これらの改造によりSCP-191は会話が不能。運動技能には酷いダメージがあり、露出している組織は傷つきやすく、感染症に感染しやすくなっています。
SCP財団コミックアンソロジー 奇 作品紹介
SCP-1782 – 白紙
原著者 Faminepulse
http://ja.scp-wiki.net/scp-1782
こちらのSCPは、神聖科学シリーズの作品です。初見では意味のわからない難解な作品ですが関連するTale(SCPの記事に基づくSCPの二次創作的な作品)、子と母の特別な絆を読むとおぼろげながら内容を推測できます。
SCP-1782はウクライナのキエフに位置する廃墟の団地の中にある42または45平方メートルと測定される部屋。部屋の入口のアーチ型の門の上にはセルビア・クロアチア語で「jedna deväť osem d (1 9 8 d)1」と刻まれています。
SCP-1782の内部は3日おきにAM03:12に外観が変化します。変化は瞬時に起こり、典型的に家庭にある物が備えられた台所、寝室そしてリビングまたは何もない空間が現れます。また時折知性的な存在と思しきものや動物を現れます。
SCP-1782は入室する被験者に有害な効果をもたらさないように見えます。テスト被験者はどのような場合でも部屋の内部から穴への恐怖心を抱いて戻ってきます。
イラストはナカノショウテンさんです。
SCP-040-JP – ねこですよろしくおねがいします
こちらのSCPは、SCP-JPで知名度・評価ともに高いオブジェクトです。ねこですよろしくおねがいしますのイラスト・フレーズでもおなじみです。SCP財団でしばしば登場する”ミーム災害”という異常性を有しています。
例えば、流行語やネットスラングもミームであり、既にある言葉または新語がネットを含むメディアや日常会話を通じて人々の間に広がっていきます。これらのミームは通常は知ったとしても異常は発生しませんが、ミームが異常を引き起こす場合、それはミーム災害と呼ばれます。
SCP-040-JPは██県の旧██村に放置されていた井戸小屋。この小屋の中を人間が覗き込むと、激しく動揺し、「ねこが居た」と報告します。この”ねこが居る”という観念がミーム災害です。
曝露した対象は、全てのイエネコに対する認識が歪められ認識するネコの姿が異常な姿に変化し、ねこが暗闇に居るように感じ常にその視線を気にする様になります。そしてこの「”ねこ”が居る」という観念は曝露した対象が発話・文章・映像・絵画などで他者に積極的に伝えることで拡散していきます。
曝露者が書いたネコの姿はSCP-040-JP報告書にイラストとして書かれています。
漫画はタダノなつさんです。この方は『ゆくゆくふたり』の作者です。
https://twitter.com/MmmS268/status/1114865982311256064
SCP-903-JP – Mr.コジロウ feat.愉快なダンサー
http://ja.scp-wiki.net/scp-903-jp
こちらのSCPはSCP-3213 – 失せな、カールのような笑えるSCPです。最初に目に入る画像がすでに面白いですが、話のオチも面白いです。こちらのSCPの異常性は、認識することで異常が発生するという、SCP財団によく登場する認識災害のオブジェクトです。ちなみにミーム災害は認識災害の一部です。
SCP-903-JPは首関節が通常の個体よりも柔軟なメスのホンドタヌキ。SCP-903-JPが土下座の姿勢を取ると、その姿を見た生物は踊ることは素晴らしい、という観念が植え付けられ、多くの場合その場で踊り始めてしまいます。
影響を受けた生物(SCP-903-JP-1と指定)はSCP-903-JPを「Mr.コジロウ」と称します。SCP-903-JP-1は睡眠中や食事中以外は基本的に踊りを踊っています。現在、SCP-903-JP-1は125個体が収容されています。
漫画はR-oneさんです。この方は『あんアンドロどろ』をコミックリュウにて連載中です。
SCP-903-JPはComicWalkerにて先行公開されています。
『SCP財団コミックアンソロジー 奇』出張版 無料漫画詳細 – 無料コミック ComicWalker
SCP-168 – 暗闇嫌いな計算機
こちらのSCPは、知性を持つグラフ電卓 – Wikipediaです。視覚及び聴覚も有しており、メッセージを表示して意思疎通が可能です。SCP-168との会話が面白いです。計算機として使えますが割り算は難しいようです。
SCP-168は、199█年に廃校となった██████小学校の校舎を撤去中、机の上に置き忘れられているところを発見されました。”エリック”という名前が、取り外し可能なケースの内側に彫られています。
漫画はSCP-300 – “瓶詰めの世界”と同じくGarakutaさんです。
SCP-020-JP – 翼人
こちらのSCPは、SCP-JPの要注意団体、日本生類創研が関わったとみられるオブジェクトです。
SCP-020-JPは両腕が鳥類の翼状になっている人間の少女に酷似した人型実体です。知能は4歳程度で、発声器官、知能に異常は見られないものの言語は発しません。翼の翼開張は3.0mで翼の骨は柔軟かつ軽量で通常の鳥類と同様の構造を持っていますが、飛翔することはできません。
SCP-020-JPは██県████山中で、衰弱しカラスに襲われているところをキャンプに来ていた████大学生グループによって保護されました。
SCP-818-JP – えらいねぇ〜と同じパーシモンさんです。
SCP-239 – ちいさな魔女
原著者 danteson
http://www.scp-wiki.net/scp-239
http://ja.scp-wiki.net/scp-239
こちらのSCPは、現実改変能力を持つ見た目は8歳の少女です。
このSCP-239に関しては、その能力を制限する手段としてSCP-239自身が魔女であると言い聞かせています。この手段によりSCP-239は事前承認済みの『呪文』のリストの能力以外は行使できないと信じています。
████████ █, 20██以降は、医療的手段で誘発した昏睡状態に置かれています。
財団の博士で、他のSCPにも登場する人物であるクレフ博士はSCP-239を終了することを提案しています。実はクレフ博士は、財団に雇用される前は、要注意団体である世界オカルト連合(人間性を保つために異常なオブジェクトの破壊を進める連合組織)のエージェントであり、99体の現実改変者を終了させています。
SCP-239に関連するTale、事件239-B クレフ-コンドラキではクレフ博士がSCP-239の終了を行おうとして、他のSCPにも登場する人物であるコンドラキ博士と戦っています。
漫画はネーム:みちよん、制作:からくり武者さんです。みちよんさんはSCP-166 – 年頃のサキュバスのネームも担当しています。
SCP-120-JP – 世界で1番の宝石
こちらのSCPは、オブジェクトと少女の交流が描かれています。厄介な異常性を持ち、収容違反を繰り返したSCPですが、アイリという名の少女により収容を維持できるようになりました。
SCP-120-JPは全長約15cmのクモガイの貝殻。知性を有しており、SCP-120-JPの価値を非常に高価(個人差はあるがおおむね10億円以上)なものだと認める人間が存在しないか、価値を認める人間に長時間観察されていない場合、開口部からSCP-120-JP-1を放ちます。
SCP-120-JP-1は、高さ約8m全幅約30mほどの5対10本の脚(うち1対2本はハサミが付属)を持った、黒褐色の巨大なクモかカニのような見た目の実体。SCP-120-JP-1は非常に暴力的な行動を取り周囲の物品や生物を破壊します。
SCP-120-JPはSCP-120-JP-2(後述)から回収されました。SCP-120-JP-2は、20██年生まれの女性です。この女性は異常性のない人間ですが、現在唯一、SCP-120-JPとの円滑な意思疎通を図れるため、特別収容プロトコルに組み込まれました。
漫画は天宮昇華さんです。
SCP-1045-JP -お眼鏡にはかなわない
こちらのSCPは、SCP財団にいくつか存在するフォーマットスクリューのSCPです。
SCP-1045-JPは一見するとユーモラスな異常に見えますが、以外な展開をみせます。
SCP-1045-JPは度数1.7のフレームが黒い眼鏡です。SCP-1045-JPは、影響範囲に存在する日本語及び初歩的な英語の文章の記された物体や電子データの文章を改変してしまうという異常性を有しています。どのように改変するかというと、影響範囲に入ると瞬時に文章の約9割に赤の斜体による校閲・添削や青の斜体による称賛のコメントが追加されます。
SCP-1045-JPやこのSCPに影響された文章の書かれた物体や電子データ(SCP-1045-JP-aと指定)から一定の半径が異常の影響範囲です。
漫画はプロローグとエピローグを担当されたレルシーさんです。
SCP-918-JP – それは誰かが見果てた夢
こちらのSCPは、書籍系のオブジェクトで少し切ない内容になっています。
SCP-918-JPは、”それは誰かが見た見果てた夢”と表紙に刻印された計測不能な枚数のページで構成された書籍です。
その異常性とはある個人の情報と、その個人が過去実現を諦めた願望の情報が自動的に書き込まれるというもの。後述する事例を除けば、SCP-918-JP内に記述された情報が消滅する事はありません。
さらに不定期に自らを一度放棄されてから1年以上経過した”願望”または”夢”であると主張する1体の生物実体(以下、SCP-918-JP-A)がSCP-918-JPから半径2m以内に出現します。SCP-918-JP-Aは自らの願望または夢に相応する特技を1つ所持しています。
願望または夢を抱いていない人物はSCP-918-JPの言語を知覚することや接触する事が可能であり、SCP-918-JP-Aはこのような人物に対して非常に友好的であるため、SCP-918-JP-Aに対する実験やインタビューは上記の条件に該当する人物でのみ行われています。
インタビュー記録によりSCP-918-JP-Aは”自分という願望または夢を誰かに抱いてもらう”という目的を持っている事が明らかになっています。SCP-918-JP-Aの目的が達成された場合、SCP-918-JP-Aは消滅し、SCP-918-JPに記述されていた該当する情報も消滅します。
漫画は宵待愛理さんです。
おわりに
SCP財団コミックアンソロジー 怪、SCP財団コミックアンソロジー 奇の収録作品を紹介しました。2019年4月10日に発売されますが予約可能です。
また3月30日発売の電撃G’sコミック5月号に『SCP財団アンソロジー』怪からSCP-049「ペスト医師」、奇からSCP-239「ちいさな魔女」が掲載されるそうです。
SCP財団とは
About The SCP Foundation
原著者 Aelanna
http://www.scp-wiki.net/about-the-scp-foundation
http://ja.scp-wiki.net/about-the-scp-foundation
作成年:2014
オブジェクトクラス
Object Classes
原著者 Aelanna
http://www.scp-wiki.net/object-classes
http://ja.scp-wiki.net/object-classes
作成年:2014
本記事の内容は紹介した各収録作品、『SCP財団とは』、『オブジェクトクラス』に基づきます。本記事はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承3.0ライセンスに従います。
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