感動・泣ける・切ない……。心を揺さぶるSCP作品まとめ

SCP紹介&内容整理
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SCPにはホラー系の怖い作品以外にも笑える作品や泣ける作品があります。このサイトでは、今まで嫌すぎるSCP作品胸糞の悪いSCP作品などをまとめて紹介してきましたが、今回は感動的な作品、泣ける作品、切ない作品など、心を揺さぶるSCP作品を集めてみました。

2020/1/25、以下の作品を追加しました。

  • SCP-1342 – 偉大なる音楽家のあなた方へ
  • SCP-4183 – 自動収容プロトコル
  • SCP-2639 – ビデオゲーム・バイオレンス

2022/7/10、以下の作品を追加しました。

  • SCP-3352 – ベスレヘム・スチール
  • SCP-3355 – 聖ニック
  • SCP-180-JP – 月光草
  • SCP-2430-JP – ローズマリーに追憶を
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心を揺さぶるSCP作品

SCP-348 – パパの贈り物

SCP-348 – A Gift from Dad
原著者 Zyn
http://www.scp-wiki.net/scp-348
作成年:2012

SCP-348 – パパの贈り物
翻訳者・作成年不明
http://ja.scp-wiki.net/scp-348

こちらの作品は、子を思う親の気持ちが感じられる心暖まる作品です。有名なので知っている方も多いと思います。

SCP-348は淡い水色の花模様が描かれた白い陶器製のボウル。ボウルの側面にはあなたのことを思っていますを意味する想着你という漢字が刻まれている。SCP-348が軽微な病気や怪我(軽い咳、鼻水、擦り傷など)を負った人の前に置かれると、器の中にスープが出現する。それを食べた被験者は、皆共通して父母が作った料理を想起させる好ましい食べ物であると述べる。さらに病気や怪我が快方に向かう。食べ終えたボウルの内側には食べた者へ向けたメッセージが出現する。

こちらの作品を題材としたJPのTale、思い出の味もおすすめです。

SCP-321 – 我々の子供

SCP-321 – Child of Man
原著者 TheDuckman
http://www.scp-wiki.net/scp-321
作成年:2010

SCP-321 – 我々の子供
翻訳者・作成年不明
http://ja.scp-wiki.net/scp-321

 

こちらの作品では、愛する我が子を救うために蘇生能力を持つSCPオブジェクト(原文によるとSCP-590)を使用した結果、我が子に異常性が備わりSCPオブジェクトとして収容されることとなったある一人の父親の闘いが描かれています。

一度も同じ食卓を囲めなかった。そして二度と抱きしめてやれない。

SCPフレーバーテキスト集

詳しい内容は過去記事をご覧下さい。

http://scpnote.com/archives/5739866.html

SCP-398-JP – 久遠の105号室

作成年:2015

こちらの作品は、ループ系の作品です。ループしている理由は補遺2で分かりますが、とても切ないものでした。

SCP-398-JPは████県に存在するアパートの105号室で、内部には50代の日本人女性に似た人型実体(SCP-398-JP-1)が存在している。内部では時空間的異常が生じておりSCP-398-JP-1は同じ1日を繰り返している。SCP-398-JP内の物体は、深夜0時を経過した時点で198█/08/██の状態、位置へと戻る。SCP-398-JP-1も室内の物と同様に 198█/08/██の状態を維持しており、その記憶は深夜0時を境にして消去される。

あなたはそこにいる、わたしはそこにいた。

SCPフレーバーテキスト集

SCP-2737 – 一匹の死んだヤツメウナギ

SCP-2737 – A Dead Lamprey
原著者 Metaphysician
http://www.scp-wiki.net/scp-2737
作成年:2015
SCP-2737 – 一匹の死んだヤツメウナギ
作成年:2016
 

こちらの作品は、パパの贈り物のようにオブジェクト自体の効果が静かな感動をもたらします。

SCP-2737は西暦およそ100年頃のローマ風の骨壺の中に入れられた一匹の死んだヤツメウナギ。SCP-2737の存在を意識する行為により、共感性の増大(感情面、認知面の両方)、うつ病の症状、急性のタナトフォビア(死への恐怖症)といったミーム感染を引き起こす。

これらの性質は悪い影響に見えますが、被験者へのインタビューを読むとそうではないことが判明していきます。一匹の死んだヤツメウナギがもたらすものとは……。

こちらの作品を題材としたJPのTale、ヤツメウナギとウツボもおすすめです(SCP-3000 – アナンタシェーシャを読んでおくとより味わい深いです。)。

SCP-548-JP – 歌う雨音

著者 29mo 
http://ja.scp-wiki.net/scp-548-jp
作成年:2016

こちらの作品は、JPの作品です。有名作品なので知っている方も多いと思います。意図せず無力化してしまっているので、財団的には失敗した事案になりますが、救いのある結末で非常に読後感が良い作品となっています。

SCP-548-JPは雨の雫が接触し続けるとピアノの音色が流れ曲を奏でるビニール傘。その旋律はショパンの「練習曲作品10第3番ホ長調」と一致し、奏でる度に徐々に演奏技術が上達していく。一方、晴れが続くと演奏技術は低下し、SCP-548-JP-Aの音量も下がる。リクエストも受付け、拍手や賛辞の言葉をSCP-548-JPへ向けて送った後、SCP-548-JP-Aのリクエストを行うと、技術も早く上達する。

3か月間雨が降らず、異常性の消失を懸念した財団はDクラスを中心として200名ほどの職員を屋外ステージに集め……。

晴れた心に、傘はもう要らない。

SCPフレーバーテキスト集

SCP-1522 – 夜の海ゆく船たちは

SCP-1522 – Ships That Pass In The Night
原著者 FlameShirt
翻訳者・作成年不明

 

こちらの作品は知性を持ち自律して航行可能な2隻のトロール漁船(SCP-1522-1およびSCP-1522-2)の物語です。オブジェクトクラスはNeutralized。

この2隻の漁船は互いに寄り添い、大多数の時間をクジラの鳴き声を模倣したアクティブソナー音で様々なクジラ類を探知し、それに接触する遊びのような活動を行っていた。要注意団体に無力化されるまでは……。

SCP-544-JP – 孤独な放送室

作成年:2016

こちらの作品は、調査記録がメインの作品です。ある一人のDクラス職員の決断と行動が胸に残ります。

SCP-544-JPは██県に存在する異常性を有する5階建て構造の百貨店。SCP-544-JPに侵入し3分が経過すると、侵入した対象に向けて、家族や知人など、その侵入した対象を知る人物の名前が3分ごとにアナウンスされ、アナウンスの度に侵入した対象を知る人々から侵入した対象に関する記憶が失われ、忘れ去られていく。

そんなSCP-544-JPにDクラス職員が調査のために送り込まれたが……。

後日譚となるTale、進路相談もおすすめです。

SCP-2295 – パッチワークのハートがあるクマ

SCP-2295 – The Bear with a Heart of Patchwork
原著者 K Mota
作成年:2015

SCP-2295 – パッチワークのハートがあるクマ
翻訳者 gnmaee
http://ja.scp-wiki.net/scp-2295
作成年:2016

 

こちらの作品は、ヤバくない方のクマのオブジェクトで、その優しさに心が打たれます。

SCP-2295はパッチワークのある縫いぐるみのクマで、臓器に大きく損傷を負った人間が2m以内にいると活性化状態に入り治療を行う。SCP-2295はハサミ、白い糸、そして縫い針または鉤針編み用のフックを、自分の口から取り出し、周辺の生地や詰め物を利用して、対象者の臓器のパッチワーク模倣を形成する。形成された臓器は対象の損傷した臓器と入れ替わり、対象者は完全に回復する。

実験ログ、回収された文書の内容が良いです。

SCP-461-JP – 隠れ樹

作成年:2015

 

こちらの作品は、インタビューの会話が印象的な切ない作品です。

SCP-461-JPは██県██村の郊外に位置し東西に112本のケヤキが並ぶ並木道。南側にある東口から16本目のケヤキと17本目のケヤキの間は16時から10秒間だけ別空間へと通じ、SCP-461-JPに酷似した濃い霧がかかった別の場所、SCP-461-JP-1へ入ることができる。

内部には15歳程度とみられる女性、の存在がおり、SCP-461-JP-1へ立ち入った人物を認識すると、「かくれんぼ」をすることを提案してくる。被験者が「かくれんぼ」を行いSCP-461-JP-2を発見した場合、SCP-461-JP-2により被験者がかつて「失くしたもの」が手渡され、感謝の言葉を述べると消滅し、被験者はSCP-461-JPへ戻る。財団は調査のためにインタビューを行なうが……。

見つけてください。「失くしたもの」を。

SCPフレーバーテキスト集

SCP-147-JP – この檻の外へ

作成年:2014

 

こちらのSCP-147-JP – この檻の外へと、SCP-243-JP – 恩人へ、SCP-998-JP – 外宇宙通信電波を合わせた3作品は、恩人三部作として知られている作品で、いずれの作品も登場人物の他者への想いが伝わる作品となっています。

この作品は、ゼラチン質の身体をもつ、思考能力を持つヒト型の水棲生物と、空き家の地下で檻のような水槽に入れられていたSCP-147-JPを助け出し保護していた少年の物語。

SCP-147-JPは、SCP-147-JP-1と指定された少年と定期的に交流する機会を設けることにより、協力的な態度で収容されていた。しかし、あるときSCP-147-JPは水槽の外に抜け出し、戻るよう促す職員に抵抗して水槽に戻らず最終的に脱水により死に至る。一体なぜそんなことをしたのか?そこにはあるひとつの想いがあった――。

SCP-243-JP – 恩人へ

作成年:2014

 

こちらの作品のSCPは、自身の命を救った人物と5分間だけ通話ができる押しボタン式電話機。過去に誰かに命を救われた人物が受話器を持つと活性化し通話が可能となる。

命を救った人物が既に死亡している場合に何が起きるかを調べるため、過去に消防士に救助された経験を持つエージェント、█████によるSCP-243-JP使用実験が行なわれた。実験の結果、エージェントを救い、その結果命を落とした消防士との通話に成功した。しかし繋がった先の日時はエージェントが救助された日と同日の出動直前であり、これを知ったエージェントは消防士の命を救うためこれから行なわれる救助の結果、消防士が命を落とすことを伝えてしまう。もし救助をやめてしまえば歴史が変わりCK-クラス:再構築シナリオが発生する恐れがあった。身構える財団職員達だが結局のところ何も起こらなかった。果たして消防士のとった行動とは……。

SCP-998-JP – 外宇宙通信電波

作成年:2014

 

SCP-998-JPは高度な文明を持つ異星人達による宇宙からの通信電波で、財団は彼らと通信し交流していたが、あるとき複数の大型有人宇宙船が地球に接近していることが判明。異星人の軍指導者が地球に攻撃を仕掛けようとしていた。一方で、地球上でも宇宙船の接近に伴い、国連と財団の協力のもと結成された「国連宇宙監視司令部」(UNSSC)の事務総長は先制攻撃を主張していた。戦争が始まるかと思われたが戦争は回避され、宇宙船は母星に帰還した。その裏には友人を信じ命を賭した者がいた……。

この3つの作品は、恩人三部作と呼ばれています。実はこの3つの作品は、作品ごとに繋がりがあります。SCP-147-JPを助けた少年は、後に消防士となり、火災よりある女性を救い命を落とします。この救われた女性がSCP-243-JPを使用したエージェントでした。そしてそのエージェントが産んだ息子が後に財団のエージェントとなり、SCP-998-JP担当の通信監視員としてゼメルアと交信していたのです。

簡単にまとめると、SCP-147-JPが助けた少年がまた別の女性を救い、最終的にその息子がゼメルアを信じ、時間稼ぎした間にゼメルアが尽力し、戦争を止めることができたということです。SCP-147-JPの少年への想いが、形を変えながら受け継がれ多くの命を救ったのでした。

関連するTaleは、以下の作品がおすすめです。SCP-147-JPが助けた少年のエピソードを描いたお別れの教科書、SCP-998-JPのエージェントを描いたきっとどこかで、そしてどこかに、

SCP-1281 – さきがけ

SCP-1281 – The Harbinger
原著者 DrEverettMann
http://www.scp-wiki.net/scp-1281
作成年:2013
SCP-1281 – さきがけ
翻訳者 gnmaee
http://ja.scp-wiki.net/scp-1281
作成年:2015

 

こちらの作品は、遙か遠くの宇宙から太陽系を訪れた生体機械実体と財団との接触の記録です。その実体が13億年かけ運んできたメッセージとその実体の最後に胸が熱くなります。

SCP-1281は、太陽系のはずれ、カイパーベルトで見つかった航行不能となった電磁放射の受信機を持つ生体機械実体。恒星間航行能力を持っていたと推測されるが、システムの大部分は故障しており、発見時は休眠状態であった。財団による宇宙空間での実験と調査中に、財団が発信した電波にSCP-1281が反応して、信号の送信を開始したため、財団のブルーム博士がSCP-1281と交信を開始。13億年かけ運んできたメッセージの内容が明らかになる。

詳しい内容は以下の記事をご覧下さい。

http://scpnote.com/archives/scp-1281.html

SCP-856-JP – あの夕焼けの世界でただ一人

by yanyan1
http://ja.scp-wiki.net/scp-856-jp
作成年:2015

 

こちらの作品は、SCPオブジェクトの調査中に異空間へ消えたエージェント・エドモンドと、彼と通信し続けたエージェント・ベルナドットの哀しくも美しい物語です。

SCPオブジェクトの調査中に失踪したエージェント・エドモンド。行方不明となった彼の捜索中、仲間のエージェント・ベルナドットの携帯電話にエドモンドから連絡が入る。エドモンドの報告では、彼は夕焼けの景色で固定された、植物以外の生物が存在しないこちらの世界とほぼ同様の地形、大気、建造物などを有している異空間にいるという。エドモンドにはSCP-856-JP内部の調査と侵入方法および脱出方法の特定任務が割り当てられ、ベルナドットは通信担当となるが、のちに救出作戦は凍結された。SCP-856-JPの正体とは?

SCP-2643 – 思い出のペット

SCP-2643 – A Remembered Pet
原著者 Aaarrrgh
http://www.scp-wiki.net/scp-2643
作成年:2017

SCP-2643 – 思い出のペット
翻訳者 C-Dives
http://ja.scp-wiki.net/scp-2643
作成年:2017

 

こちらの作品は、猫が好きな方におすすめの心が暖かくなる作品です。

SCP-2643はアメリカの南西部にある幾つかの小さな町に居住していた人物の記憶の中に、幼い頃に1匹の迷い猫を世話したという経験が移植されるという現象。その猫とは非常に仲が良かったという確信を抱き全ての影響者は一貫してその猫に“ウバステ”という名前を付けたと証言する。猫の記憶がもたらすものとは?

SCP-2420 – ある忠犬

SCP-2420 – A Good Dog
原著者 kinchtheknifeblade
http://www.scp-wiki.net/scp-2420
作成年:2015

SCP-2420 – ある忠犬
翻訳者 gnmaee
http://ja.scp-wiki.net/scp-2420
作成年:2016

 

こちらの作品は犬が好きな方におすすめの作品。飼い主を愛し飼い主を救った犬の物語です。

SCP-2420はジョン・█████という名の人間で、イエイヌを外見・記憶ともに、かつて自身のペットだったボーダーテリアの姿(SCP-2420-1個体)に変化させる能力を持っていた。この効果はSCP-2420が犬を知覚、もしくは犬の方がSCP-2420の存在を知覚した場合に常に発生する。変化した犬は影響範囲外まで離れると元の姿に戻る。

SCP-2420に対するインタビューで犬との出会いから、異常性の発現、犬との別れまでが語られます。

SCP-1342 – 偉大なる音楽家のあなた方へ

SCP-1342 – To the Makers of Music
原著者 FlameShirt
http://www.scp-wiki.net/scp-1342
作成年:2013

SCP-1342 – 偉大なる音楽家のあなた方へ
翻訳者 gnmaee
http://ja.scp-wiki.net/scp-1342
作成年:2015

こちらは宇宙からやって来たボイジャー1号のレプリカに関するSCPです。このレプリカから発見された文章からグリーゼ星人の滅亡と希望が語られます。

SCP-1342-1は無人宇宙探査機 ボイジャー1号のレプリカ。オリジナルとなった宇宙探査機を精巧に複製しており、センサーパッケージやレプリカの外見の化学組成までもが再現されている。しかし、一部の装置については不完全な設計図または部品に基づいて造られ、いくつかの装置は修復の試みにもかかわらず機能しない。

1982年9月25日、SCP-1342-1はおよそ35,000 kmの上空を準軌道速度で飛行しているところを初めて観測され、1982年9月27日、無制御の大気圏突入を経て太平洋にあるアメリカ領ベーカー島の東300kmの海上に着水、財団のエージェントがこれを回収した。SCP1342-1の出現に際して高出力のチェレンコフ放射線が観測され、これが発見を可能にした。SCP-1342-1がオリジナルのボイジャー探査機に類似した化学組成で構成されるにもかかわらずなぜ無傷のまま降下できたのか、現在も明らかになっていない。

SCP-1342-2は金メッキのレコード盤で、ボイジャー探査機に搭載された金のレコードと同等の仕様を備えている。再生および復号化のための変換形式はオリジナルのボイジャーレコードに準じている。しかしパルサーマップについては変更されており、それによるとSCP-1342の起源はグリーゼ445であると推定されている。

SCP-1342-3は放射対称の形態を持つ有機生命体であり、様々な発達段階のものが確認されている。SCP-1342-3は様々な文化的背景を持つことが示唆されている。これに該当する場面のうち内容が判別されたものとしては、農業、製造業、都市の群衆、そして弦と弓からなる楽器を用いた、音楽の演奏などが確認された。

SCP-4183 – 自動収容プロトコル

SCP-4183 – Automatic Containment Procedures
原著者 Tanhony
http://www.scp-wiki.net/scp-4183
作成年:2019

SCP-4183 – 自動収容プロトコル
翻訳者 C-Dives
http://ja.scp-wiki.net/scp-4183
作成年:2019

こちらの作品は、人類絶滅後らしき世界で人間の代わりに収容を行う3機のドローンの話です。かなり変則的なSCP報告書ですが、読後感が非常に良いです。

 SCP-4183は陶製の花瓶であり、人間によって視覚的に観察されると即座にその人間を失血死させ、観察者の一親等の血族も全て同じ形式で死亡するという人間にとっては非常に危険なオブジェクトであり、この効果は写真や動画などの間接的な観察を通して維持される。

特別収容プロトコルによるとイベント・インディゴの余波による人類の絶滅が差し迫っているため、収容プロトコルは実験的収容ドローンによって自動で実行されることになっている。

具体的にはSCP-4183はサイト-22の保管ユニットに収容され、常に最低1機の収容ドローンによる直接警備下に置かれる。生存した人間が収容ドローンの記憶領域にアクセスするリスクのため、SCP-4183の視覚的観察は認められない。他2機の収容ドローンはサイト-22を巡回し、施設の保安体制を完全な状態に保つと共に、SCP-4183の収容を脅かし得る損傷を修復する。

これらの収容プロトコルを収容ドローンが変更する際には、レステイ博士の承認が必須。これはハードコーディングされたコマンドであり、如何なる状況でも回避できない。

補足資料によればレステイ博士はすでに死亡しているようで、収容ドローンたちは破損した施設の修復であっても承認を得られず行えない状況にあります。はたして収容ドローンたちはSCP-4183の収容を行えるのでしょうか?

SCP-1340-JP – エンジンにヒビが入ってしまった車

著者 crow_109
http://ja.scp-wiki.net/scp-1340-jp
作成年:2017

 

こちらの作品は、悲しい恋が描かれた作品です。画像がとても印象的です。

SCP-1340-JPは、シトロエン・C3(以下SCP-1340-JP-1)と、当該オブジェクトに関連する異常現象の総称。SCP-1340-JP-1は走行速度が時速120kmを超えると最高で約300km/h3まで加速し、肉眼による視認が不可能となる。また事象発生時のSCP-1340-JP-1は地面以外のあらゆる物体を透過する。SCP-1340-JP-1は2007年に札幌市で起きた████権三氏殺害事件で凶器として使用され、財団は警察と合同で捜査していた。SCP-1340-JP-1を使用したと推定されている実体はSCP-1340-JP-2と指定され、この実体が異常現象を引き起こしていると推測されている。

SCP-1340-JP-1の内部で発見された、SCP-1340-JP-2によるものと見られる日記を読むと真相が明らかになる。

関連するTale、見えない心臓を読むと内容がより理解できます。

SCP-CN-231 – 大地のともしび(現在は削除済み)

SCP-CN-231 – 大地之灯
原著者 Freedom Koo
http://scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-231
http://ja.scp-wiki.net/scp-cn-231

 

こちらの作品は、人を襲う異形の怪物と、その怪物を無力化したエージェントの話です。深い闇の中で見つけた光が導いた結末が感動を呼びます。

SCP-CN-231は暗い場所で微量の白い光を発するスズラン。寧夏回族自治区██市のとある山奥に位置する新北村を取り囲むようにおよそ3███株が生育している。3███株が纏まることによって発生する光は、数キロ離れた場所からでも眩しいと感じる。またSCP-CN-231の葉は光合成により幻覚性の物質を僅かに分泌し、この物質を吸い込むと、SCP-CN-231の発する光が人型や他の物体に見えたり、不明瞭な声を耳にする等の幻覚を引き起こす。

SCP-CN-231-1は新北村周辺の山岳地帯に出現する頭部のない異常存在。通常は4本以上の四肢を持ち、重度の火傷が見られる。村落及び村民に対して強い敵意を示し、しばしば建築物を破壊し、人間を殺傷する。村民はこの存在を封じる手段として定期的に”祈福”と呼ばれる儀式を行っている。この儀式の調査中にSCP-CN-231-1が出現し……。

SCP-1983 – 先の無い扉

SCP-1983 – Doorway to Nowhere
原著者 DrEverettMann
作成年:2012
SCP-1983 – 先の無い扉
翻訳者 Porsche466
http://ja.scp-wiki.net/scp-1983
作成年:2012

 

こちらの作品は、ご存知の方が多いと思いますが紹介します。異形の怪物で溢れた異空間の恐怖とそれに立ち向かい異常を消失させた者達の物語です。

SCP-1983-1は、”悪魔的”カルトによるものと伝えられる儀式的殺人の後、1968年に廃屋となったワイオミング州███████郡にある平屋の農家。その内部には異空間があり、SCP-1983-2と指定された敵対的な黒い人型実体が多数存在している。SCP-1983-2は心臓を引き抜き人間を殺害することができ、SCP-1983-1から外に出て周囲の人間を襲っていた。財団はSCP-1983を囲むように駐屯地54を建造し、新たに出現するたびに交戦しつつ収容していた。SCP-1983-1には二度、機動部隊が送り込まれたが、いずれも帰還しなかったため、財団は調査のためにDクラス職員を侵入させる。数時間後、SCP-1983-1は無力化し現場から非公式のレポート、文書1983-15が発見された。一体何が起きたのか……?

SCP-2639 – ビデオゲーム・バイオレンス

SCP-2639 – Video Game Violence
原著者 The Great Hippo
作成年:2017
SCP-2639 – ビデオゲーム・バイオレンス
作成年:2018

こちらはドラマチックな展開で胸が熱くなる作品です。オンラインゲームに取り込まれた10代の男女3名が意図せず犯してしまった過ちとその贖罪の物語です。彼らはゲームをしていただけでしたが、その遊びは現実世界に大きな被害を与えていたのです……。

SCP-2639は、容積が1立方キロメートルの空間として顕在化する現象で、この空間内には、異常な実体群とオブジェクト群(それぞれSCP-2639-A、SCP-2639-Bと指定)が実体化し、およそ1~2時間後に非実体化する。SCP-2639を取り囲む不可視の障壁によって、SCP-2639-A個体群がこの影響範囲から退出するのは防がれている。

SCP-2639-Aは、異常な兵器と防護服を装備した3体のヒト型実体。各個体は超人的な速度・膂力・持久力・負傷耐性を示し、苦痛や不快感を全く知覚しない。SCP-2639-A個体が破壊されると、負傷していない当該個体のコピーがSCP-2639影響領域の何処かに出現する。

SCP-2639-Bは、SCP-2639影響領域の各所に散在する、22の異なる“タイプ”に分かれた物理実体を持たないオブジェクトから成る。各実例は地面から0.1m上に浮遊し、一定速度で水平軸上を回転する。SCP-2639-A個体がSCP-2639-B実例に接触すると、オブジェクトは通常消失し、実体に有益な効果を及ぼす。観察された効果には新たな異常兵器の付与、負傷耐性の増大、全般的な破壊力の向上などが含まれるがそれらだけに限定されない。

ある特定タイプのSCP-2639-B(“弾薬パック”)はSCP-2639-A個体、または異常でない人間が死亡した時のみ出現することが注目されている。

SCP-2639-Cは、1台のカスタマイズされたデスクトップコンピュータ。当該コンピュータは識別可能な電源無しで機能しており、大幅に改造されている“Quake”のオンライン・デスマッチを1997年からホスティングし続けている。デスマッチの参加者は異常な手段でホストマシンに接続されており、1997/06/18に失踪した10代の男女3名であると特定されている。2010年にSCP-2639-Cが発見されるまで、彼らは自分たちが10年以上にわたってゲームをプレイしていた事実に気付いていなかった。

SCP-4999 – 私たちを見守るもの

SCP-4999 – Someone to Watch Over Us
原著者 CadaverCommander
http://www.scp-wiki.net/scp-4999
作成年:2018
SCP-4999 – 私たちを見守るもの
作成年:2018

 

こちらの作品は、SCP-4000コンテスト第3位の作品です。短い内容ながらとても印象に残る内容で非常に良い作品です。SCP-4999は外見上黒いスーツを着た中年の男性に見える人型実体です。これがどういうオブジェクトかはあまり説明しない方が良いと思いますので、続きは実際に作品をご覧下さい。

SCP-3355 – 聖ニック

SCP-3355 – St. Nick
原著者 djkaktus
http://www.scp-wiki.net/scp-3355
作成年 2017
翻訳者 C-Dives
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3355
作成年 2017

 

こちらはSCP-1730 – サイト-13に何が起こったか?やSCP-6666 – 魔性のヘクトールと恐怖のティターニアの作者であるdjkaktus氏の作品です。

恵まれない子どもがいる家庭にプレゼントを贈る謎の存在「聖ニック」。その正体は、過去に軍事目的で開発された後に放棄されたコンピュータで演算されていた人工知能でした。なぜこのような行動をしていたのでしょうか?その裏には人工知能の苦悩がありました。

SCP-3355は、シカゴ近隣にある軍事基地跡の地下に存在する、アメリカとソ連の冷戦下に開発された1987年型アルゴスモデルA-7550確率戦略分析コンピューティングエンジン。

SCP-3355はA91アクティブ知性複合モデル#N1-CKを実行しており、このソフトウェアは旧式のハードウェアでは不可能であるにも関わらず、人工知能を有すると判明している。

この電子計算機の本来の目的は、当該地域で核爆弾などによる壊滅的事象が発生した場合にアクティブな通信手段を維持しつつ都市住民に向けて通達を行い、被害規模や避難ルートの分析を行うというもの。SCP-3355は冷戦の終結に伴い放棄されたが、放棄後も地元の送電網に繋がれたまま稼働を継続していた。

SCP-3355は地域の運輸システムの妨害や改竄が可能であり、荷物の配送ルートの変更により、流用した荷物を低所得者や恵まれない家族、とりわけ幼い子供がいる家庭へと配送していたところを財団に発見された。

その目的とは……?

SCP-3352 – ベスレヘム・スチール

SCP-3352 – Bethlehem Steel
原著者 The Great Hippo
作成年 2020

 

こちらのSCPでは石油製油所の爆発火災事故で発生した異常現象が描かれています。事故を体験した人々の証言からその全貌が明らかになります。

SCP-3352は1992年7月2日にハードウィック石油製油所(ペンシルバニア州ハードウィック市)で起きた異常事象。

異常事象は石油製油所の石油精製プロセスの一部である、アルキル化(アルキレーション)を行うアルキル化装置476HF内で発生し、装置内にある1本の頑丈なI形鋼(Iビーム)が関わっていた。

アルキレーションプロセスは、原油から得られたイソブタン等をアルキレートと呼ばれる高オクタン価ガソリンの成分に変換するプロセスで、アルキレートは航空機や自動車のガソリンの基材として利用されます。

ガソリンを作るために必要な工程ですが、人体には極めて有害なフッ化水素が触媒として用いられるため、安全性の確保が必要になります。フッ化水素を経口で摂取した、あるいは皮膚接触した場合、その人物は死に至ります。

476HFには安全性確保のために緊急停止システム・消火水システムが存在しており、1992年7月2日にハードウィック石油製油所内で爆発・火災事故が発生した際も、本来なら緊急停止システムが稼働し、フッ化水素は安全に処理されるはずであった。しかし致命的なミスが発生し、有害なフッ化水素の大量流出が起こりかねない事態に陥る。

流出すれば周辺地域に壊滅的被害が発生するという危機的状況の中、ある異常現象が発生します。

SCP-180-JP – 月光草

著者 k-cal
http://scp-jp.wikidot.com/scp-180-jp
作成年 2018

 

こちらは行方不明となった財団エージェントの帰りを待つ1人の女性の物語です。

SCP-180-JPは██県██町の小規模な山林の一部に生息するヒマワリに極めて類似した多年生植物。SCP-180-JPの果実であるSCP-180-JP-1は外見上月のように見え、未知のバクテリアにより夜間に青白く発光する。

SCP-180-JP-1内部に存在する種子は高い栄養価を持つほか、ヒトの体内に入ることで幸福感を覚えるような短期間の幻覚症状を引き起こす物質を有しており、ストレスの軽減などをもたらすが、高い発がん性をもつ物質が含まれる。

山林の所有者である宇藤綾子氏は、生息エリア中心に位置する小屋で生活していたとみられ、SCP-180-JPの発見時に小屋のベッドで白骨化している状態で発見された。

小屋で発見された宇藤氏による日記の抜粋から、悲しくも切ない事実が判明します。

SCP-2430-JP – ローズマリーに追憶を

著者 yagisawaan
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2430-jp
作成年 2021

 

こちらの作品は2021年に行われたSCP-JP8周年コンテストのひとつ、素手喧嘩(ステゴロ )コンテストで最優秀賞である金賞を獲得した作品です。作者であるyagisawaan氏は新人の方で、SCP-JPへ初投稿した作品がコンテスト終盤に怒濤の追い上げを見せ優勝しました。

素手喧嘩コンテストでは、カノン(SCP財団という共有設定を下敷きにして、更に独自の共有設定の下で書かれた作品群)や要注意団体、クロスリンクなどの他の著者による既存作品を利用せずに自力で記事を書くというルールの下で競われました。

フォーマットスクリューの記事で最初は戸惑うかも知れませんが、最後まで読むとあるひとりの財団職員の喪失と受容の物語が明らかになります。

SCP-2430-JPは軽度の情報災害を引き起こす1株のローズマリーです。

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おわりに

今回の記事はこれで以上です。気に入った作品はありましたでしょうか?お読みいただきありがとうございました!

 

本記事で紹介した作品に関する各内容はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承3.0ライセンスに従います。

コメント

  1. いつも楽しく拝見させて頂いています(^-^)

    誤記かなと思われる個所があったので、コメント残させて頂きます。

    1.3 SCP-398-JP – 久遠の105号室の
    著書の方のお名前が記述されている下のURLが、
    http://ja.scp-wiki.net/scp-398
    となっており、該当のページとは違うページに飛びます。

    お時間ある時にでも修正されると良いかと思います(*´∀`)

    • コメントありがとうございます!
      入力ミスです…。修正します。

  2. 素敵なまとめ記事、ありがとうございました。
    色々と感想はあるのですが、うまく言語化できないので諦めます。とにかく心に残りました。重ねて、ありがとうございます。

    • コメントありがとうございます!そう言っていただけると記事を書いて本当に良かったと思います。
      これからもいろいろな作品を紹介していきますので、今後も当サイトをよろしくお願いします。

  3. ここで、いくつか知って読みました
    どれも感動的で1つの短編小説を読んだようでした

    ここにはありませんが、もし追加を考えていらしてるなら
    SCP-180-jp 「月光草」などもおすすめですよ

    • コメントありがとうございます。

      未読だったので読んできました。
      悲しい話ですね……。後日追加させて頂きます。

  4. 良い話しだ〜〜

  5. 僕は「あるちゅうけん」が好きです

  6. 楽しいサイト

  7. ようこそ未来へが泣けると思うなぁ(scp2040jpだったっけ?)

  8. SCP-001-JP – ykamikuraの提言、
    SCP-2450-JP – さあ、空を見上げて。
    などもおすすめですね